米ぬかとは?
米ぬかは、玄米(精米前の米)の表面を削ったときに出てくる粉末のことです。米ぬかは日本食とも深く関係しており、江戸時代には漬物や米ぬか油に使われていました。さらに米ぬかの利用法は幅広く、家畜の飼料や化粧品、せっけんなどにも使われています。
白米より栄養価が高い
米ぬかの栄養価は白米よりも優れています。米ぬかは玄米の表面を削って白米にする際にできる削り粉ですが、玄米の表面には栄養価の高いぬか層と胚芽があります。米ぬかの主成分は胚芽がビタミン・ミネラル・フィチン酸、ぬか層が食物繊維とリン酸ですが、中でもリン酸は白米の約20倍も含まれています。
栄養成分は玄米の90%以上
玄米は健康食として注目されていますが、玄米の栄養成分の90%以上が米ぬかに含まれています。玄米は栄養成分の高いぬか層・胚芽とでんぷん質の胚乳の3つで構成されていますが、米ぬかはぬか層と胚芽のみを粉末にしています。米ぬかは玄米の約1割しかとれませんが、少量でも十分な栄養がとれるスーパーフードです。
米ぬかを使ったぼかし肥料の作り方手順
ぼかし肥料は、遅効性の有機肥料の効き目をスピードアップさせる効果があります。米ぬかのぼかし肥料を手作りするのは作業手順が面倒ですが、発酵中にかき混ぜる手間がないため作り方は初心者でもかんたんです。さらに米ぬかのぼかし肥料の利用法は元肥・追肥のどちらもOKなので、アイデア次第でいろいろな利用法ができます。
①材料をそろえる
米ぬかのぼかし肥料の材料は、米ぬかのほかに「肥料の3大要素」といわれる有機肥料と有機石灰を加えるのがポイントです。米ぬかには窒素とリン酸が豊富に含まれていますが、3大要素であるカリが含まれていません。そのため米ぬかを単体で使うと窒素・リン酸過多の土壌になり、植物の成長や収穫に悪影響がでます。
ぼかし肥料づくりにおすすめの有機肥料
米ぬかのぼかし肥料づくりに欠かせない有機肥料は、作業レベルや作る量によって使いわけるのがおすすめです。簡単に手に入る有機肥料は油かすですが、少量を手作りするならコーヒーかすも材料に使えます。家庭菜園のように大量のぼかし肥料が必要な場合は、鶏糞や魚粉を加える方法もおすすめです。
有機石灰はかんたんに使えるカキ殻石灰がおすすめ
米ぬかのぼかし肥料づくりには、有機石灰のカキ殻石灰がおすすめです。石灰は家庭菜園の土壌改良によく使われますが、苦土石灰・消石灰など原材料によってさまざまな種類があります。米ぬかのぼかし肥料にはカルシウムを多く含む有機石灰が適しているため、扱いがかんたんで使いやすい有機石灰のカキ殻石灰がおすすめです。
②材料を水で混ぜる
米ぬかなどの材料がすべてそろったら、水を使って材料すべてをまんべんなく混ぜます。水の量は材料の量によって変わりますが、混ぜた土をつかんで軽く握ったときに形が残る程度が適量です。そのため水を加える際は1度に大量の水を加えるのではなく、固さの状態を見ながら少量ずつ加えていきましょう。
③発酵菌剤を散布
米ぬかなどの材料を全て混ぜ終えたら、発酵を促すための発酵菌剤を全体に散布します。発酵菌剤は粉末タイプと液状タイプがありますが、どちらのタイプも薄めて使います。発酵菌剤を全体にまんべんなく混ぜ終えたら、雨の当たらない場所に移動させブルーシートを上からかぶせておきましょう。
においが気になる場合は袋に入れてもOK
米ぬかをメインにしたぼかし肥料の場合、発酵熱がおこりにくいので発酵時に不快なにおいがすることはありません。ただし米ぬかと一緒に混ぜる有機肥料によっては、においが発生しやすいものもあります。この場合はブルーシートに広げるのではなく、袋に入れた状態で発酵させてもOKです。
④発酵
米ぬかぼかし肥料の発酵期間は、季節(温度)によって変わります。発酵は温度が高いほど早く進むので、夏は10日~14日、春・秋は14日~20日、冬は1ヵ月~2ヶ月が終了までの目安です。発酵終了のタイミングは状況を見ながら自己判断でかまいませんが、慣れるまでは発酵終了の目安を参考にしてください。
発酵期間中は混ぜなくてもOK
一般的な肥料づくりでは、発酵期間中に何度か土をかき混ぜる作業があります。ただし米ぬかのぼかし肥料は発酵熱が高くないので、発酵菌剤の仕込みが終わったら発酵終了まで土を混ぜなくてOKです。米ぬかのぼかし肥料の発酵は乾燥しない限り何度も繰り返しますが、肥料の性質そのものに影響はありません。
⑤低温乾燥
発酵期間が終わった米ぬかぼかし肥料は、広い場所に広げて低温で乾燥させます。低温乾燥は米ぬかぼかし肥料に含まれる微生物の分解を止めるため、一定期間の保存が可能です。発酵後すぐに米ぬかぼかし肥料を使う場合は低温乾燥させなくてもOKなので、使い方によって低温乾燥の作業は省いてもかまいません。