単肥とは?
ボタニ子
ボタ爺
葉の色がおかしいときは、肥料成分が足りないかもしれんぞ。そのときは、単肥を使うとよいぞ。
ボタニ子
単肥?ふつうの肥料と何が違うのかな。
化成肥料と単肥の違い
単肥(たんぴ)は成分が1種類だけ含まれている肥料のことをいいます。2種類以上の成分を含んだ肥料のことを複合肥料といい、化成肥料は複合肥料の一部に位置付けられています。化成肥料にはひとつの成分が高くても10数%しか含まれていませんが、単肥には40%以上も含まれている種類もあるため、化成肥料に比べると成分濃度が高いです。
単肥の特徴
①特定の成分を供給できる
単肥を使用することで、土壌中に不足した成分だけを補えます。化成肥料や有機肥料はさまざまな肥料成分を含んでいるため、特定成分を補おうとするとほかの成分が過剰となります。土壌成分のバランスを整えるサプリメントのような使い方ができることが単肥の特徴です。
②効果がはやく出る
単肥は特定の肥料成分しか含まれていないため、散布するとすぐに効果が出るものが多いです。化学肥料はバランスよく効果が早いものと遅いものが混ぜられていることが多く、即効性という点では単肥に劣ります。水溶性などの成分で構成されている単肥を施用すれば、数日で植物へ効果があらわれます。
③コストパフォーマンスがよい
単肥は化学肥料に比べて、成分あたり単価が安くコストパフォーマンスが優れています。例えばトマトに窒素成分を追肥をするときは、トマトの肥料を使用するより単肥を活用すると窒素成分だけを施用するため無駄がありません。また、土づくり用肥料の元肥も単肥をブレンドすれば、混ぜるコストを自分で負担するため、化成肥料より価格的に安くなります。
単肥の使いどころ
- 土に不足している成分を補いたい
- すぐに肥料の効果をだしたい
- なるべく肥料コストをかけたくない
必要な施用量の計算方法
単肥の上手な使い方をするためには、必要な施用量の計算をしてください。おおまかな目安ですが、元肥であれば㎡あたり10g、追肥であれば㎡あたり5gの成分供給が必要です。単肥の種類ごとに必要な施用量は、「供給したい成分量÷肥料の成分割合×面積」の計算によって出せます。例えば、1000㎡の面積を硫安で追肥したいときは、5g÷21%×1000で約23kgとなります。
単肥の種類①窒素成分
窒素成分単肥の特長
窒素成分の単肥は三要素NPKのひとつであり、野菜栽培などで使い勝手がよい化学肥料です。窒素成分は植物の成長に必要なタンパク質に使われるため、苗を大きくしたいときや実を付けてほしいときに施用します。窒素成分は白色透明で鼻をつくようなにおいがし、水に溶かして使えるのが特長です。
ボタニ子
空気中の水と反応しやすいから、開封したら使い切るようにしないとダメだよ。
窒素成分単肥の種類
窒素単肥①尿素
尿素は化学肥料のなかでもっとも窒素含有量が高い肥料で、追肥や液肥として最適です。水に非常に溶けやすく、土の上から散布しても野菜の生育にすぐに影響します。水に溶かして液肥として使用することも可能ですが、成分濃度が高いことから供給過剰に注意してください。また、中性の性質のため多用しても土壌pHを酸性化しません。
窒素単肥②硫安
硫安は尿素に比べると成分が低く、少量の窒素供給で充分な観賞用植物の肥料に適しています。また、野菜畑に肥料をまくときなどは散布量が尿素より多くなるため、ムラが生じにくいです。ただし、硫酸イオンが土壌中に増えてしまうことで、土壌pHが酸性に傾きます。連用するときはpH調整が必要です。
窒素成分単肥の上手な使い方
小まめな使い方を心がける
窒素単肥は水に溶けやすく野菜などに吸収されやすいですが、土壌中に保持される期間も短いです。そのため雨が降ると窒素成分が流亡してしまい、元肥に実をつける用の窒素を入れてもすぐになくなってしまいます。野菜の実用肥料を与えるタイミングは花を咲かせ始めてからがよいでしょう。
黄色の葉っぱは窒素切れの合図
野菜は窒素が足りないと全体的に緑色が薄くなり、やがて下葉から黄色や赤紫に変わります。窒素欠乏の状態だと光合成が抑制され、葉や実が小さくなってしまうため、追肥や液肥の葉面散布が必要です。しかし過剰に与えると濃い緑になり、奇形の葉ができたり、実がつかなくなったりします。少量ずつ散布してください。
寒い時期には使用しない
化学肥料の窒素単肥が植物に供給されるためには、土壌微生物の力を借りて野菜に吸収されやすい形になる必要があります。土壌微生物の動きが鈍る冬時期は窒素単肥が無駄になりやすいことに気をつけましょう。また、土が乾きすぎたり湿りすぎたりしていても分解されにくくなります。
ボタ爺
硫安は気温が低い時期でも植物に吸収されやすいので冬時期の追肥としてはおすすめの肥料だぞ。
紹介した商品比較表
商品 | ||
---|---|---|
商品名 | 尿素 | 硫安 |
価格 | 768円 | 658円 |
窒素成分 | 46% | 21% |
肥料の原料 | 尿素 | 硫酸アンモニウム |
肥料の種類 | 化学肥料 | 化学肥料 |
成分kgあたり単価 | 834円 | 1,566円 |
効果の早さ | はやい | はやい |
土壌pHへの影響 | 中性 | 酸性 |
商品リンク |
葉っぱの色がおかしくなっちゃったよ。病気になったのかな?