ハエトリグモとは
ハエトリグモとは世界で5000種類、日本では100種類以上いる小さいクモの総称です。ハエトリグモという名前のとおりハエをエサとする種類が多いですが、クモ同士で共食いすることもあります。アリを専門に食べる種類から草食までとても種類が多いです。日本のハエトリグモは地味な色合いが多いですが、海外には鮮やかな種類もいます。
ボタニ子
基本情報
属性 | 節足動物門クモ目ハエトリグモ属 |
食性 | ハエ、小型の蛾、ダニ、蚊、ゴキブリの幼体など |
毒 | なし |
活動時 | 昼行性 |
寿命 | 1年~3年 |
足 | 8本 |
目 | 6~8個 |
オス | メスより派手で小さい |
メス | 地味でオスより大きい |
飼育 | 可能 |
行動 | 徘徊型 |
英名 | jumping spider(ジャンピングスパイダー) |
ハエトリグモの種類
ハエトリグモは世界中に存在し5000種類以上いるといわれ、日本にも100種類以上すんでいます。全てのハエトリグモが家の中にはいってきて跳ねるわけではなく、砂地や原っぱ、植え込みや垣根の葉の上で生活している種類のほうが多いです。全体的にオスが派手な模様や色をもち、メスのほうが地味ですが、オスより大きい傾向があります。
チャスジハエトリグモ
チャスジハエトリグモは、ハエトリグモのなかでは大型です。メスが10mm~12mm、オスは7mm~11mmと大きさが異なります。オスは胸から腹にかけてはっきりした茶色の筋があり、腹の方にある白い1対の点が特徴です。メスは全体的に茶色くオスほどはっきりはしていませんが、うっすらとした筋があります。活動期は5月~11月です。
ミスジハエトリグモ
ミスジハエトリグモは名前のとおり、3本の筋があります。メスの大きさは7mm~8mm、オスは6mm~7mmです。メスは全体的に淡褐色で、筋も薄くはいっています。関東近辺では色が暗く、南にいくほど淡い色になるようです。オスの模様ははっきりしていて、黒に淡褐色の筋が3本あり、目の周りにオレンジ~赤色の帯があります。
アダンソンハエトリグモ
アダンソンハエトリグモは家の中で見かけるハエトリグモとしてはかなりメジャーで、飼育する人もいます。メスの大きさは6mm~9mmで、オスは5mm~7mmです。メスは褐色~茶褐色で腹部に黒い縁取りのある筋が入っています。オスは黒い体色で胸と腹にあるはっきりとした白い「u」の字マークが特徴です。メスもよくみるとうすく同じマークがあります。
ハエトリグモの特徴
ハエトリグモは産卵のとき以外は基本的に巣をかけないのが特徴です。クモの巣駆除に悩まされることはないでしょう。ハエトリグモの糸はシオリ糸といい、移動のときの命綱としておしりからだします。ハエトリグモは待ち伏せ型ではなくよく走り、跳ねる積極的なハンティングが特徴です。足が短く視力が非常によいのも特徴で、毒はなく人を噛むことはありません。
目
クモの目は8個あります。ハエトリグモは8個の種類と6個の種類があるようです。正面についている目は他の目と大きさがちがい、つぶらでぱちりとしています。正中眼といい視力がよくマウスポインターをエサと間違えて飛びついたりするほどです。エサの捕獲やパートナー選びも目を使ってします。脇についている小さい目は側頭眼といい正中眼ほどの視力はありません。
ボタニ子
江戸時代にはハエトリグモをつかった「座敷高」っていう遊びがあったんですって。複数のハエトリグモに1匹のハエを追わせて先にとったほうが勝ちなの。
ハエトリグモの駆除方法
ハエトリグモは害虫を食べてくれる益虫です。幼体のときにはダニや小さなハエをとり、成長してハンティングが上手になれば蛾やゴキブリの幼体、蚊なども食べてくれます。しかし、いくらハエトリグモは益虫だといわれても、クモと一緒に生活するのには抵抗がある人も多いことでしょう。
駆除方法①薬剤
ハエトリグモはとても小さく、市販されている普通の殺虫剤でも簡単に駆除できます。クモ専用の殺虫剤も販売されているため、それを使うと確実でしょう。ハエトリグモはほんの小さな隙間からでも家に侵入できます。あらかじめ玄関や窓、扉の枠などに市販の殺虫剤を吹き付けておくのも効果的です。冬は寒くで動きがにぶるため、春~秋にかけての使用がよいでしょう。
ボタニ子
ハエトリグモは小さいからどんなすきまからでも入ってくるわ。網戸のパッキンのチェックとか閉め忘れとかに注意するのは大切ね。
駆除方法②嫌いな香り
ハエトリグモが嫌いな香りをつかって侵入を予防することもできます。ハエトリグモに限ったことではありませんが、一般的に苦手とされる香りは、バジルやユーカリ、グローブやシナモンなどのハーブ類や、柑橘系、ヒノキなどです。クモを駆除したあとハーブをベランダや窓の近くで育てるのもよいですし、アロマオイルをしみこませたコットンをおくのも効果的です。
ボタニ子
コーヒーも苦手なんだって。だから、飲み終わったコーヒーの豆をガーゼの袋につめておくのもいいわね。消臭剤にもなるわ。
駆除方法③エサの駆除
ハエトリグモは飢えと渇きが苦手です。エサとなる生き物がいなくなれば自然に家から出ていきます。ハエトリグモをよく目にするということは、エサになる害虫が多いということのため、それはそれで問題です。食べ物は放置せずゴミは早めに処理しましょう。掃除をこまめにして清潔な環境を保ち、ハエトリグモのエサを駆除することがハエトリグモの駆除にもつながります。
ボタニ子
クモが苦手で、どうしても駆除したいけど自分で処理するのはイヤっていうときは、思い切って業者さんに頼むのも一つの方法ね。
ハエトリグモを見かけたら住環境の見直しもあり
ハエトリグモは巣を張らずに噛みつきもせず、エサがなくなったらどこかへ行ってしまいます。そうとはいえ、明るい壁に黒い点がぴょんと跳ねるとびっくりしてしまいますね。クモだとわかってもやはり室内にムシがいる環境は嬉しいものではないでしょう。エサとなる害虫の駆除をすればハエトリグモの駆除につながります。多く目撃するときは、住環境の見直しの機会ととらえてよいかもしれません。
ハエトリグモのオスはメスに求愛するとき第1脚を広げて慎重に近づくのよ。交尾が終わったら一目散に逃げるの。お腹が空いてたらメスに食べられちゃうからね。