飛蝗とは?誰もが知ってるあの昆虫
飛蝗とは、カタカナでフリガナを打つとバッタという読み方です。また飛蝗の読み方は、「バッタ」のみならず「ひこう」という読み方をすることもあります。漢字で書くと難しい印象で、すぐに読むことができない方もたくさんいるでしょう。なぜバッタには難しい漢字が当てられたのでしょうか?まずバッタに当てられた漢字の意味と、英語のスペルやラテン語の意味などについて説明していきます。
なぜ飛蝗という漢字がついているのか
「蝗」とは、「いなご」という読み方もされていて、イネに被害をもたらす害虫に当てられる漢字です。害虫からイネや農作物などが被害を受けることを、蝗害といいます。「飛」はバッタひこうする様子に当てられた漢字です。
飛蝗という漢字が当てられる種類の特徴
数あるバッタの中でも、「飛蝗」という漢字を当てられているのは15種類ほどです。バッタの種類については後程説明しますが、「飛蝗」と漢字が当てられている種類には、以下のような特徴があります。
特徴
- 大群でひこうしてイネなどの穀物や農作物を食い尽くす(=蝗害)
- 日本や中国はもちろん、極寒地域とアメリカ以外の広い地域で分布している
- 大群でひこうを中心とした移動手段を用いて、エサを求めて群れで生活している
- 身体全体が褐色気味、前胸の背面部にくぼみがあり頭が大きくて、ひこうに特化した大きな羽がある
- 水はけがよい、乾燥地帯で繁殖
ラテン語や英語での飛蝗の読み方と意味
英語でバッタの読み方はLocustといいます。ラテン語での意味は「はねるもの」となっています。ラテン語と英語の綴りに大きな違いはありません。漢字での飛蝗は蝗害をもたらす種類のみを指していますが、ラテン語や英語のLocustも蝗害をもたらす種類のものを指した同様の意味を持っています。
害のないバッタの英語の読み方
害のないバッタは英語で、grasshopperという読み方になります。英語やラテン語でも害をもたらすバッタとそうでないバッタが区別されていることから、蝗害を受けている地域の広さを感じ取ることができます。
飛蝗の種類と特徴
先ほど飛蝗の種類に関して触れました。ここで有名な飛蝗の種類を見ていきましょう。英語やラテン語などでも指している、作物に害をもたらす可能性を持っている飛蝗の種類をいくつかピックアップしてご紹介します。世界中にはもちろん、日本の中でも有名なバッタを紹介しています。自宅や畑などの紹介した種類のバッタがいないか、チェックしてみてください。
トビバッタ
トビバッタは基本的に大群で移動して、草や農作物を食べながらひこう移動する種類です。トビバッタにもいくつかの種類があります。中には大群の属さない種類もいますが、ひこうして移動することや草食である点は変わりません。アフリカや中東やアジア地域に生息していて、農作物などに深刻な被害を加えることもしばしばあります。大群でも一匹でも一か所に留まっていることはほとんどなく、常にひこう移動してエサを求めて移動している種類です。
ワタリバッタ
ワタリバッタの農作物への被害も甚大で、大群での移動はひこう移動が主となります。大群の大きさやひこう移動の様子は、しばしばテレビなどのメディアやネット、SNSでも取り上げられるほどです。ワタリバッタの大群が大きくなると、農作物への被害なども大群の数に比例して大きくなりやすくなります。食用として食べる地域もあり、駆除方法はさまざま考案されています。
トノサマバッタ
日本でもよく目にする、有名なバッタの一種です。日本全土に分布しており、イネ科の背の低い植物の近くにいることが多い傾向があります。単独行動をする「孤独層」と集団で行動をする「集団層」の二種類があり、作物に大きな被害をもたらすのは集団層のトノサマバッタになります。基本的にイネ科の草を食べていますが、昆虫の死骸や共食いもする恐ろしい一面も持っています。
次のページでは、蝗害を起こす種類や蝗害から草木を守る方法をまとめています。
出典:写真AC