コバエは卵から駆除しよう
暖かくなってくると、どこからか飛んできて、いつの間にか大量発生しているのがコバエです。キッチンやゴミ箱の周辺を飛び回る姿を「うざい」「汚らしい」と不快に思う方、「どこからやってくるのか」「発生源はどこなのか」と不思議に思う方は多いでしょう。コバエはひとたび大量発生すると駆除に手間がかかります。大量に繁殖する時期を迎える前、卵や幼虫のうちに駆除するのがベターです。
卵のうちに駆除するなら、コバエがどこに産むのか、産卵する場所の確認も重要だよ。
コバエの被害とは
コバエは毒を持たず、人間に危害を加えることもないため直接的な被害はありません。しかし、大量発生した小さい虫が飛び回る姿は、見る人に強い不快感を与えます。また、コバエは生ゴミや汚物に触れることが多いため、非常に不潔です。飛びながらばい菌や病原菌をばらまいている恐れがあり、実際にコバエを媒介とする病気も存在します。コバエの駆除は、衛生面や健康面で見ても重要な作業なのです。
コバエと呼ばれるハエは4種類
コバエは種類名ではなく、ハエのなかでも特に小さい種類を指す総称です。このうち、家庭で見かけるコバエは「ショウジョウバエ」「ノミバエ」「キノコバエ」「チョウバエ」の4種類とされています。4種類のコバエは生態も好物も発生源も違い、効果的な駆除方法も異なるので、一度発生すると駆除は大変難しいです。
コバエと呼ばれるハエの種類・成長期間・特徴
コバエの種類 | 卵~成虫になる期間 | 特徴 |
ショウジョウ バエ |
・卵:1日 ・幼虫:4日 ・サナギ:4日 |
・体長約2.5mm ・体色は黄褐色~黒色 ・好物は腐敗した野菜や 果実 |
ノミバエ | 卵:約1日 幼虫:約3日 サナギ:約9日 |
・体長約1.1mm~2.2mm ・体色は黒褐色 ・好物は生ゴミ |
キノコバエ | ・卵:約7日 ・幼虫:8日~20日 ・サナギ:3日~5日 |
・体長約1.1mm~5.0mm ・体色は灰黒色 ・好物は観葉植物の土に 生えるキノコ |
チョウバエ | ・卵:約2日 ・幼虫:約10日 ・サナギ:約3日~5日 |
・体長約1.3mm~5.0mm ・体色は黒色 ・好物は水回りに溜まる 汚物 |
キノコバエやチョウバエは、幼虫の期間とサナギの期間に個体差があるんですよ。
コバエは短命で、1カ月~2カ月ほどしか生きられないんだ。そのぶん、成長速度や繁殖力がすごいんだよ。
コバエはどこから飛んでくる?
コバエは体長5mm以下と非常に体が小さいため、網戸の破れ目や窓と網戸の間など、ほんのわずかなすき間から室内へ侵入します。窓や玄関のドアなど、人が開けたときに侵入することも多いです。発生源がわかっていても、侵入を防ぐのは難しいでしょう。
コバエは卵をいつどこに産む?
コバエの繁殖時期
コバエが繁殖する時期は4月~11月です。特に気温20℃~25℃、湿度70%の温暖湿潤な時期を好みます。種類によって違いはありますが、梅雨の時期に激増し、真夏に減少した後、涼しくなるとまた増えるのが、繁殖時期の基本パターンです。どのコバエも羽化の後、交尾・産卵するまでのサイクルが2日~3日程度と短く、一度に数十個の卵を産むことを何度も繰り返すため、短期間で大量発生しやすいです。
コバエの種類別の繁殖時期と産卵数
コバエの種類 | 繁殖時期 | 1回の産卵数 |
ショウジョウバエ | 3月~11月 | 30個~50個 |
ノミバエ | 4月~10月 | 30個~50個 |
キノコバエ | 4月~10月 | 60個~80個 |
チョウバエ | 4月~11月 | 平均240個 |
春~秋が繁殖時期であるコバエですが、気温や湿度が安定している室内だと、冬でも交尾して繁殖する場合があります。
コバエは寿命が短いぶん、交尾・産卵のサイクルを何度も繰り返して大量の卵を残すんだ。だからすぐに大量発生するんだよ。
コバエの産卵場所
コバエがどこに卵を産むかは、種類によって異なります。コバエは餌とする好物の近くに卵を産む特性があり、種類によって好物が異なるからです。たとえばショウジョウバエやノミバエは、腐った野菜や果物を好むため、生ゴミを捨てる場所に卵を産むことが多いとされています。また、コバエは種類を問わず湿気を好みます。湿気が高く腐敗物が多い場所が、コバエの発生源になりやすいです。
室内の場合、キッチンの三角コーナーや排水口などが、コバエの発生源になりやすいから注意しよう。
ボタニ子
次は「生態別のコバエ対策」だよ。
発生源や繁殖する時期など、コバエの生態や特徴を把握して、適切な駆除方法を実行しましょう。