コナジラミとは?
ボタニ子
ボタ爺
その葉っぱにつく白い虫はコナジラミじゃな。コナジラミは放っておくと病気を伝搬するから早めの対策が必要だぞ。
ボタニ子
それは大変。対策にはどんな方法があるんだろう。
コナジラミの概要
コナジラミはカメムシやウンカ、ヨコバイ、カイガラムシ類の仲間で、さなぎにならずに成虫になる不完全変態昆虫です。幼虫、成虫ともに口についた針で植物の汁を吸い、甘いフンを出すのが特徴です。世界中でコナジラミによる農作物被害が発生しており、その種類は1,550以上います。日本国内では特に下記の農作物で発生しやすいです。
コナジラミが発生しやすい農作物の種類
分類 | 農作物の名前 |
ナス科 | トマト、ミニトマト、ナス、ピーマン、トウガラシ |
アブラナ科 | ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、白菜 |
ウリ科 | スイカ、メロン、ニガウリ、キュウリ |
セリ科 | セロリ、ミツバ、アシタバ |
ハーブ類 | バジル、レモングラス |
花木類 | サザンカ、ツバキ、テイカカズラ、ヤツデ |
コナジラミの生態
コナジラミの発生時期
コナジラミは気温が高く乾燥した状態を好み、5月~10月の期間に活動が活発化します。気温が高くなると、近くの草むらや畑の周りに生えている雑草から成虫が飛来してくることにより被害が発生します。気温が低い冬の間は活動していませんが、ハウスや温室など気温が高い条件では一年中活動しています。
コナジラミの生活環
コナジラミは卵から孵化すると4段階の幼虫の姿をへて、成虫になります。卵は雌一個体から60~200個の数が産み出され、多くは葉の裏に産み落とされています。卵から孵化した1齢幼虫は歩行機能があり自由に動き回りますが、2齢幼虫以降は一か所に留まり植物の汁を吸い続けます。成虫になると飛ぶようになり、雌個体は1日も経たないうちに交尾を行い卵を産みます。
高温期は卵から成虫までの期間が早まる
コナジラミは卵から成虫になるまでの期間は30日以上かかりますが、気温が25℃の高温期だと約23日まで短縮されます。先述したとおり1個体が繁殖する数が多いため、短い期間でさまざまな世代のコナジラミが存在することになり、防除が非常に難しくなります。
ボタ爺
コナジラミは30℃を超えると死亡率も高まるため、暑ければ暑いほど被害が拡大するわけではないぞ。5月以降の実をつけるまでの期間の対策が重要じゃの。
コナジラミの排泄物
コナジラミの排泄物は甘露とよばれる甘いべたべたした物質です。幼虫のときは、この排泄物が体表面から針状に出ているため、小さい棘のように見えます。この甘露は終齢幼虫になると周辺部を覆い、厚いワックスになり水をはじきます。このため、この時期のコナジラミには農薬も効きにくいです。
ボタニ子
同じような特徴をもった害虫にカイガラムシがいるね。
ボタニ子
次のページではコナジラミの種類について解説するよ。
うわぁ。育てているトマトの周りに小さい虫が飛んでるよぉ。