カボチャの品種図鑑・西洋かぼちゃ
西洋カボチャの品種①黒皮栗カボチャ
スーパーで一般的に「カボチャ」として販売されているもののほとんどが、この黒皮栗カボチャです。「栗カボチャ」と呼ばれることも多く、厳密にはさまざまな種類に分かれ、新品種も含まれています。見た目はどれも濃い緑色で、白っぽいラインが入り、果肉はオレンジ色で、多くの人がイメージするカボチャそのものです。1.5~2kgほどになり、ホクホクとした食感と、甘味のある味です。
西洋カボチャの品種②坊ちゃんカボチャ
坊ちゃんカボチャは、直径15~20cm、重さ500g前後の手のひらサイズのカボチャです。甘味があり、ホクホクとした食感で、黒皮栗カボチャをそのまま小さくしたようなイメージです。煮物はもちろんのこと、電子レンジで温めるだけでも食べられ、果肉をくり抜ぬいて器として利用されることもあります。
西洋カボチャの品種③赤皮栗カボチャ
赤皮栗カボチャは、もともと石川県、福島県で栽培されていた伝統品種です。戦後は日本カボチャが主流でしたが、ホクホクとした食感が人気を呼び、全国に広まりました。近年では新品種も開発され、より甘味が強くホクホクとした味のものが増えています。長期保存が可能で、冬場に見かけることも多いです。
西洋カボチャの品種④コリンキー
コリンキーは生でも食べられるカボチャです。若いうちは、鮮やかな黄色をしていますが、熟すにつれてオレンジ色になります。若採りすると皮が柔らかく、水分が多いためサラダやピクルスなど生で食べられ、熟したものはほかの種類と同じように天ぷらや炒め物などに向いています。生産量は少なく珍しいですが、成長が早いので家庭菜園でも人気です。
西洋カボチャの品種⑤プッチィーニ
プッチィーニは日本の種苗会社が開発した新品種で、重さ200~300gとカボチャの中でも特に小さい種類です。黄色い皮にオレンジ色のラインが入り、大きさも相まってまるでおもちゃのような見た目をしています。煮物や揚げ物などで食べるのもよいですが、大きさを活かして器のように利用するのもおすすめです。
西洋カボチャの品種⑥ロロン
ロロンは日本の種苗会社が開発した、ラグビーボール型の珍しい形のカボチャです。2009年に新品種として発表され、徐々に認知されて人気が出てきています。形は変わっていますが、皮の模様や果肉は、一般的な栗カボチャとそっくりです。甘さが控えめでホクホクとしているので、コロッケや揚げ物に向いていますが、煮物にしても美味しいです。
西洋カボチャの品種⑦雪化粧
雪化粧カボチャは、名前から想像できるように白い皮をしたカボチャです。一般的な栗カボチャより貯蔵性が優れるので、栗カボチャが品薄になった寒い時期に流通することが多いです。果肉はオレンジ色ですが、長期保存で熟成されているため、甘味が強くなっています。甘味が強いので、シンプルに蒸しただけでも美味しく、煮物やサラダにもおすすめです。
西洋カボチャの品種⑧伯爵カボチャ
伯爵カボチャは白い皮のカボチャで、雪化粧と同じく長期保存可能な種類です。雪化粧よりさらに白く、皮が非常に硬いのが特徴で、冬の間に流通することが多いです。長期保存されたものは、カボチャのなかでも甘味が強く、お菓子作りに適しています。またシンプルにソテーや素揚げしただけでも美味しく食べられます。
西洋カボチャの品種⑨長カボチャ
長カボチャは名前のとおり、細長い形をしたカボチャです。長さ50cm程度、重さ3kg前後で、皮は白っぽいものから緑色のものまであります。味や食感は栗カボチャに似ているので、同じように炒め物や揚げ物に適しています。細長い形を活かして、輪切りにして使用されることも多いです。
西洋カボチャの品種⑩すくなカボチャ
すくなカボチャは長カボチャの一種で、岐阜県高山市の丹生川町周辺でのみ栽培されている珍しい種類です。もともとは自家消費用に栽培されていましたが、地元の研究会によりブランド化され、ほかのカボチャの価格の約5倍もする高級カボチャになりました。輪切りにし、ステーキにするのが人気です。
カボチャの品種図鑑・ペポカボチャ
ペポカボチャの品種①ズッキーニ
ズッキーニはきゅうりのような見た目をしていますが、カボチャの仲間です。他のカボチャと比べて水分が多いので、日本の煮物には向きませんが、ラタトゥイユやカポナータなどのヨーロッパの煮物料理には欠かせません。また油との相性がよいので、炒め物やピザなどに向いています。
ペポカボチャの品種②韓国カボチャ
韓国カボチャな名前とおり、韓国で昔から栽培され、食されているカボチャです。韓国では「ホバク」と呼ばれ、宮廷料理に欠かせない食材です。ズッキーニのように細長い形をし、若採りするためとても柔らかく、種子も気になりません。炒め物はもちろんのこと、汁物やフライなどでも美味しく食べられます。
ペポカボチャの品種③そうめんカボチャ
そうめんカボチャは「金糸瓜(きんしうり)」とも呼ばれるペポカボチャの仲間です。加熱すると、果肉が糸状になり、まさにそうめんのようになることから名づけられました。もともとは石川県の伝統野菜ですが、最近では日本各地で栽培されています。加熱後の果肉をほぐし、サラダやマリネにして食べるのが一般的ですが、パスタなどの麺の代わりに使用されることも多いです。
ペポカボチャの品種④ストライプペポ
ストライプペポは、カボチャの種を食べるための新品種です。カボチャの種は、昔から世界中で食べられていましたが、種の皮をむくのが面倒なため日本では定着していませんでした。ストライプペポは硬い皮がないので、軽く洗って素揚げにするとナッツのように食べられます。果肉もカボチャの味としては物足りないですが、トウガンなどほかのウリ科の野菜のような味と食感がします。
ペポカボチャの品種⑤アトランティック・ジャイアント
世界最大のカボチャであるアトランティック・ジャイアントは、最大で800kgにもなります。日本では珍しい種類ですが、アメリカを中心に主に大きさを競う競技用に栽培されています。基本的には大きく育てることに特化しているため、味はよくありません。しかしアメリカでは、小さ目のものをパンプキンパイとしてよく食べられています。
いろいろな品種のカボチャを食べてみよう
カボチャはとても種類が多い野菜です。今回紹介したもの以外にも、各地域に代々受け継がれている郷土品種なども存在しています。珍しい品種はスーパーなどでは手に入りづらいですが、地元の道の駅や産直市場で手に入れられるので、機会があればぜひ食べてみてください。また種子を購入すれば家庭菜園でも育てられますよ。お気に入りの種類を育ててみるのはいかがでしょうか。
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