ライチとは
ライチは中国では紀元前1世紀から栽培されていた記録がある、とても歴史の古いフルーツです。うろこ状の硬い皮におおわれていますが、皮を剥くとジューシーで柔らかく、甘みと酸味が絶妙な白色半透明の果肉があらわれます。シミ予防や美白効果が期待できるビタミンCや赤血球の生成を促す葉酸など、女性に嬉しい栄養素が豊富です。
基本情報
園芸部類 | 果樹 |
形態 | 低木 |
樹高・草丈 | 2〜3m |
原産国 | 中国南部 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 常緑性 |
栽培可否 | 可 |
ライチの代表品種
プリンセスグリーンライチ
プリンセスグリーンライギは、一般に「グリーンライチ」と呼ばれる品種です。中国で楊貴妃が好んで食べていたといわれています。やや大きめで、皮は尖ったイボのような見た目です。皮の色は黄緑色の部分が多く、部分的に赤くなると食べ頃となり収穫できます。台湾産のものは玉荷苞(ぎょくかほう)という品種名で輸入されています。
黒葉(こくよう)
黒葉は冷凍品に多いライチの品種で、そのほとんどは中国や台湾から輸入されています。バイキング形式の飲食店などでも見かけることが多いため、日本でライチといえば黒葉を思い浮かべる人が多いかもしれません。皮の表面の凹凸はグリーンライチと比べると滑らかで、全体的に赤くなると食べ頃となり収穫できます。
ライチの旬
ライチの旬は、中国や台湾からの輸入ものが5月〜7月、国産が6月中旬〜7月頃です。国産のライチは数が少なく旬も短かいので、なかなかお目にかかれません。食べてみたい人はインターネットでの購入をおすすめします。冷凍や缶詰のライチは年間をとおして流通しています。
ライチの食べ頃
スーパーなどで売られている生のライチはすべてが食べ頃です。ライチはとても傷みやすい果実で、収穫と同時にどんどん鮮度が低下します。常温保存では1日と持ちません。特にグリーンライチは、もう少し赤くなったほうがおいしそうと思いがちですが、追熟はしないので気をつけましょう。生のライチが手に入ったらなるべく早く食べ、食べ頃を逃さないようにしてください。
ライチのおいしい食べ方<むき方>
生のライチは皮をむいて、中の果肉を食べます。ゴツゴツして手強そうなライチの皮ですが、意外と簡単にむけますよ。コツをつかんで、楽しくむきましょう。
手でむく方法
①指で実を押し出す
ヘタを持ってライチの実をよく見ると、反対側のおしり部分に筋を確認できます。筋が縦になるようにライチを持ち、ぎゅっと皮をつまむと筋がきれいに割け、実が出てきます。ただし、ライチの品種により筋のないものもあります。その場合は、別のむき方を試してみましょう。
②ヘタを爪でとる
ヘタを中心に周りの皮を爪でむきます。固そうに見えますが、爪を立てて少し力を入れれば意外と簡単です。その後ライチを逆さまに持ち替え、おしり部分をぎゅっとつまむと、つるっと実が押し出されます。
ナイフで剥く方法
①切れ目を入れる
ヘタから反対のおしり側にかけてまっすぐ、ナイフで切れ目を入れます。その後、切れ目の左右をつかみ、爪を立てるようにして切れ目を開くと皮がむけます。
②皮をむく
ナイフで皮をむく場合、ナイフの付け根の角部分で皮を引っ掛けるようにむいていくとよいでしょう。固そうに見えますが、意外とすんなりナイフが入るので、力を入れすぎずゆっくりライチを回しながらむいてください。
飾りむき
①半分むき
ライチを手に持ち中心にグルッと一周ナイフで切り込みを入れ、左右どちらかの皮をはずすと半分だけむき身の状態にでき、飾りに使えます。または、左右の皮を途中までむいた状態で果肉をのぞかせてもおしゃれです。この場合も、ナイフの付け根の角を使うとむきやすいでしょう。
②お花むき
ヘタからおしりに向かって、3〜4箇所ほどナイフで切り込みを入れ、バナナの皮をむくように開くとお花むきができます。また、実にも同じように切り込みを入れて開くと、より見栄えがよくなります。デザートなどに添えるととても華やかですよ。
ライチのおいしい食べ方<注意点>
おいしくて、ついたくさん食べたくなってしまうライチですが、食べ過ぎると身体に悪影響が出てしまう場合があるので注意点をしっかりチェックしましょう。
注意点①種
皮をむけば一見丸ごと食べられそうに見えるライチですが、果肉の中心には種があります。種は固く食べられません。かじると歯を傷める可能性もあるので、種に気をつけて食べましょう。
注意点②渋皮
ライチの中央にある種のまわりには、渋皮があります。渋皮は言葉通り渋みがあり、食べてしまうと、せっかくのライチをまずいと感じるかもしれません。また、渋皮は口の中に残りやすいため、後味が悪くなってしまいます。苦手な人は渋皮を残すよう、果肉を浅めに食べるのがおすすめです。
注意点③食べすぎ
ライチを食べすぎると
ライチの原産国の中国では、ライチを食べ過ぎてはいけないといわれています。ライチには「ヒポグリシン」という毒素があり、この毒素は未熟なライチに特に多く含まれ、糖の新生を阻害する働きがあります。空腹時にたくさん食べ過ぎた後、そのまま就寝してしまう、水分を長時間取らないなどの行動をすると低血糖が進行してしまい、ライチ病といわれる症状が出る恐れがあるので注意してください。
食べ過ぎたときの対処法
ライチをつい食べ過ぎてしまい、ライチ病(低血糖)の症状がでたときは、ブドウ糖を含む清涼飲料水や砂糖を摂取し安静にしてください。初期症状は、体のだるさ、冷や汗、動悸などです。症状が重い場合は意識がもうろうとしたり、痙攣を起こしたりすることもあるのですぐに受診しましょう。
ライチの1日の摂取量
ライチの1日の摂取量は大人は10個、子供は5個までです。特に子供はあっという間にいくつも食べてしまうので、食べ過ぎないよう注意してあげましょう。どの食品もそうですが、同じものを食べ過ぎるのは身体によくありません。一度にたくさん食べるのは控えましょう。