パパイヤとは?
パパイヤは東南アジアやメキシコが原産のトロピカルフルーツです。日本の果物にはない独特な香りがするため好みがわかれますが、甘味が強くカロリーが低いのでダイエットを気にする方の強い味方といえるでしょう。また、パパイヤに含まれる成分が美容や健康によいといわれており、今注目の果物でもあります。
基本情報
科目 | パパイヤ科パパイヤ属 |
形態 | 常緑小高木 |
樹高 | 10m以上 |
原産地 | 東南アジア、メキシコ |
学名 | Carica papaya |
和名 | パパイヤまたはパパイア |
別名 | 木瓜(モッカ)、ポーポー、ツリーメロンなど |
特徴
パパイヤは高さ10m以上の木にできる果実です。5~10月に黄緑色の花を咲かせますが、小さいのであまり目立ちません。まっすぐに伸びた茎の先につく葉には切れ込みが入っていて、手のひらの形に似ています。生育環境が25℃以上必要で寒さに弱く、栽培できる地域がごく限られている植物です。
日本でも栽培されている
日本で流通しているパパイヤの多くは、タイやフィリピンから輸入されているものですが、九州の南部や沖縄県にて国内栽培されています。しかし、パパイヤは台風などの強風に弱い一面があるため国内では安定した収穫が見込めず、なかなか一大産業にはつながらないのが現状です。
旬の時期
パパイヤの旬の時期は5~9月で、この期間に黄色く色づいたものが収穫と食べごろのタイミングです。しかし、パパイヤは熟す前の青い状態のものも食べられるので、年間を通して楽しめるといっても過言ではありません。
パパイヤの種類
種類①石垣パパイヤ
石垣パパイヤは沖縄県の石垣島を中心に栽培されている種類のパパイヤで、ヤシの実のような形をしており、鮮やかなオレンジ色が特徴的です。甘みが強くパパイヤ特有の香りが少ないので、苦手な人にも食べやすい種類ですよ。
種類②ソロ
ソロは一番多く流通しているパパイヤで、黄緑または黄色が特徴的です。しっかりと完熟したものは甘みが強く、ねっとりとした濃厚な食感が楽しめます。日本でもっとも手に入りやすい種類のパパイヤなので、はじめて食べる人はソロから挑戦してみるのもよいですね。
種類③レッドレディー
レッドレディーは果肉が赤みがかっていてとても甘みが強いのが特徴的で、レッドパパイヤとも呼ばれています。タイがおもな原産国で、樹高が3mほどで果実のサイズも小ぶりなので栽培しやすい種類のパパイヤです。
パパイヤの食べごろと選び方
パパイヤの食べごろ
パパイヤは全体が黄色く色づいて、指で押さえて少し弾力があるくらいが食べごろです。傷むのが早いので、食べごろを迎えたらすぐに食べるようにしましょう。まだ青みが残る場合は、常温にて追熟させてください。
おいしいパパイヤの見分け方
おいしいパパイヤの見分け方は、皮をチェックします。全体的にハリがあって、ツルツルしているものがおいしい証です。反対に皮が乾燥していたりしわができていたりするものは、古くなっている可能性があるため避けてください。また、傷がついているものは栄養が逃げてしまっていることが考えられますので、これも避けておいしいパパイヤを選びましょう。
パパイヤの保存方法
パパイヤは、熟しているものと未熟な状態のもので保存方法が異なります。それぞれのポイントをおさえて、正しく保存しましょう。
青パパイヤは常温保存
未熟な状態の青パパイヤは、新聞紙で包んで常温で保存します。冷蔵庫に入れると傷みやすくなるためです。パパイヤを追熟させる場合もこの方法で行ってください。およそ2~3日ほどで食べごろになりますよ。
ボタニ子
追熟に適した温度は20℃くらいといわれています。寒すぎないか、室温をチェックすると安心だね!
食べごろパパイヤは冷蔵保存
黄色く熟して食べごろを迎えたパパイヤは、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。常温で保存するとさらに熟れてしまい、味が落ちてしまうからです。1週間ほど保存できますが、できるだけ早く食べ切りましょう。
冷凍保存もできる
パパイヤは冷凍庫でも保存可能です。その場合は皮をむいて種を取り除き、食べやすい大きさにカットして保存袋に入れて保存しましょう。食べるときは、半解凍してシャーベットのように食べるのがおすすめですよ。
パパイヤの栄養と効能
パパイヤは栄養が豊富で、とくに実が熟す前の青いパパイヤには、パパインという酵素成分が含まれており、美容と健康によいといわれています。それでは、パパイヤを食べるとどのような効果が得られるのか、その栄養と効能を見てみましょう。
パパイヤのカロリー
パパイヤのカロリーは、100gあたりおよそ38kcalです。フルーツの中ではカロリーが低く、ダイエットを気にする方の強い味方といえます。また、パパイヤにはカリウムが豊富に含まれているので、水分として排出されやすく、多少食べ過ぎても体重に影響を与えにくいのも特徴といえるでしょう。
栄養と効能①パパイン
実が熟す前のパパイヤは「青パパイヤ」とも呼ばれ、パパインを含んでいます。このパパインはタンパク質の分解が得意な酵素成分で、消化促進のほか消毒効果が期待できます。ニキビやアトピーなどの肌ケア用品にも含まれている成分です。
パパインの注意点
パパインはタンパク質の分解が得意な性質から、ゼラチンでは固まりにくいという特徴を持っています。パパイヤを使ったゼリーなどを作るときは、加熱して寒天を使うとよいですよ。
栄養と効能②ビタミンC
青パパイヤにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCの効能は肌荒れなどの美容のほか、疲れの軽減や免疫力の向上に効果が期待されている成分です。パパイヤに含まれているビタミンCは、レモン1個分の果汁と同量といわれています。甘くておいしいパパイヤで、ビタミンCを取り入れるのもよいですね。
栄養と効能③ポリフェノール
完熟前の青パパイヤに含まれるポリフェノールは、赤ワインの約7倍といわれています。ポリフェノールの効能は、しみやそばかすの発生や血流をよくして動脈硬化を予防するなど、体内の酸化を抑える効果が期待できます。生活習慣病の予防をかねて、パパイヤを食べるのもよいでしょう。
栄養と効能④カロチン
しっかり熟して黄色またはオレンジ色に色づいたパパイヤには、カロチンが多く含まれています。カロチンを体内に取り込むとビタミンAに変わり、心筋梗塞などの生活習慣病の予防に効果が期待できます。また、ビタミンAは免疫力を高めたり、皮膚の細胞を正常にしたりする働きがあるといわれているため、適切に取り入れて健康維持に努めましょう。
パパイヤの食べ方
パパイヤはご飯のおかずから、デザートまでなんでもこなす万能フルーツです。ここでは、パパイヤを使ったレシピを2つ紹介します。パパイヤが苦手な人もぜひ、挑戦してみてください。エスニック気分が楽しめますよ。
青パパイヤと豚肉のエスニック炒め
青パパイヤは、アジアン料理の定番野菜でもあります。パクチーやナンプラーを使った、エスニックな野菜炒めは、ご飯のおかずや酒のつまみにおすすめです。
材料(2人分)
- 青パパイヤ:1/4個
- ニンジン:1/4本
- パクチー:1株
- 豚肩ロース薄切り肉:80g
- 唐辛子:ひとつまみ
- 塩:少々
- 胡椒:少々
- 鶏がらスープの素:小さじ1
- シーズニングソース:小さじ1
- ナンプラー:小さじ1
- 炒め油:少量
作り方
- 青パパイヤとニンジンを千切りにする
- 青パパイヤは水にさらして、あくを抜いておく
- 細切れにした豚肉に塩・胡椒をふり、くっつかないように油でコーティングしておく
- フライパンに油と唐辛子を入れて、豚肉を炒める
- 豚肉の色が変わってきたら、ニンジンと青パパイヤを加えてさらに炒める
- 鶏がらスープの素、シーズニングソース、ナンプラーを加えて味付けをする
- 火を止めてからパクチーを加える
- 皿に盛り付けて、お好みでパクチーを添えたら完成
パパイヤとマンゴーのスムージー
パパイヤとマンゴーを使った、トロピカルなスムージーのレシピを紹介します。甘酒を加えることで夏バテ防止に効果が期待できます。砂糖不使用なので、パパイヤとマンゴーの甘みが存分に楽しめますよ。
材料(1人分)
- パパイヤ:1/4個
- マンゴー(缶詰):40g
- 甘酒:150cc
作り方
- パパイヤの皮をむき、種を取り除く
- パパイヤとマンゴーをミキサーでかく拌する
- グラスに注いで、上から甘酒を加える
まとめ
パパイヤは日本のフルーツにはない独特な香りや味わいがあるため、苦手な人もいるでしょう。しかし、栄養価が高く濃厚な甘みがおいしいフルーツです。生食が苦手な場合は、ゼリーやジュースから挑戦してみるのもよいですね。
熟す前のパパイヤは「青パパイヤ」とも呼ばれます。生産地では野菜として、サラダや炒め物で食べられています。