ランブータンってどんな果物?
ランブータンとは表面にトゲのようなものがたくさん生えている、赤道近くの熱帯地帯で栽培されている果物です。ランブータンはマレー語でrambut(髪、毛)an(もの)と表現され、毛のようなものという意味です。日本では果樹園のある一般家庭は少ないですが、熱帯地域ではホームガーデンと呼ばれる自給用のものがあります。庭先でたわわに実っている、新鮮なランブータンを食べられます。
ボタニ子
ボタ爺
うちで獲れたランブータンをどうぞって、ご近所でおすそ分けするらしいぞ。アリがたくさんついてくることもあるぞ。
基本情報
学名 | Nephelium lappaceum |
科属 | ムクロジ科ランブータン属 |
形態 | 熱帯性常緑中高木 |
樹高 | 10m~20m |
実 | 3cm~5cm |
収穫期 | 晩春~初夏、晩秋~初冬 |
原産国 | 東南アジアといわれるが原木は不明 |
英名 | rambutan |
ランブータンの生産量が多いのは、タイです。そのほかにはインドネシア、マレーシア、フィリピン、ボルネオ、インドやアフリカなど熱帯地域で多く生産されています。アジア以外の生産地は南米、メキシコ、ハワイ、オーストラリアなどです。日本では唯一沖縄県でのみ、栽培されています。
ランブータンの特徴
特徴①見た目
ランブータンの特徴は、なんといってもトゲだらけの見た目です。実際はトゲではなく弾力のある毛なのですが、一見すると痛そうにも見えます。また、完熟すると実が赤くなる種類と黄色くなる種類が多く出回っています。一般的に多く出回っている赤くなる種類は、トゲの先が緑色なのが特徴です。ランブータンは追熟しないため、樹上でしっかり赤くなるまで実らせてから収穫します。
特徴②味
ランブータンはよく、ライチに味が似ていると表現されます。同じムクロジ科の果物のため、味が似ているのでしょう。甘味が強く、果肉はやわらかいナタデココのようで、果汁を大変多く含んでいます。食べ方によっては、果汁で周りを汚してしまうほどです。香りはほとんどありませんが、上品で苦味もえぐみもなく酸味もかすかです。酸味が好きな人は少し緑色の残るランブータンがよいでしょう。
特徴③雌雄異株
ランブータンは雌雄異株の傾向が強い植物です。花が咲くまで雄株か雌株かわかりません。雄株も花は咲きます。しかし、雄花しか咲かず受粉しないため、花が終わっても実がなりません。雌株の花へはおもに蜂が受粉をしており、花が終わると1つの枝に10個~20個の実がたわわになります。ランブータンには雌雄同株の種類もあり、多くの雌花と少しの雄花が咲きます。
ボタニ子
売り物としてランブータンを栽培しているのは、雌雄同株が圧倒的に多いのよ。別の株から花粉を運んでもらうより、効率がいいからね。
ボタ爺
雌雄同株のクローンを作って、たくさん栽培してるんだよ。雄株、雌株、両性株があるって、ランブータンはおもしろいの。
特徴④収穫時期
ランブータンには年に2回の収穫期があります。国や地域によっても違いますが、晩春~初夏にかけてと、晩秋~初冬にかけてです。初冬といっても赤道近くの熱帯地域に生息する植物のため、10℃を下回ることはありません。日本では沖縄県で栽培されていますが、収穫は年に1回だけです。
ランブータンはライチとは違う?
ランブータンの味を表現するときに、ライチに似ているとよくいわれます。同じムクロジ科の植物で、栽培地も同じのため似ている部分も多いです。しかし、ライチはレイシ属で中国が原産、ランブータンは原木の原産地こそ不明ですが、東南アジア産のランブータン属で違う植物です。
違い①毛の有無
ランブータンもライチも、同じムクロジ科の植物で、大きさや性質は似ています。しかしライチに似ているといわれるランブータンですが、見た目が決定的に違います。ライチが甲羅模様の皮なのに対し、ランブータンはトゲのような毛におおわれているのが特徴です。もう一つ似ているといわれるフルーツにマンゴスチンがありますが、こちらもムクロジ科です。
ボタニ子
ライチは中国の嶺南地方が原産といわれているわ。ランブータンと似ているといわれるけど、原産地が違うのね。
違い②味
ランブータンもライチも皮を剥くと、少し透明感のあるミルク色の実が出てきます。マンゴスチンも形は違いますが同じく白い実です。ランブータンもライチも甘く上品で、食べあきない味ですが、ライチは少々苦味とえぐみがあります。それに対してランブータンは甘味がつよく、酸味はごくわずかで苦味やえぐみはありません。食べ方はほぼ同じです。
ボタニ子
ランブータンってね、甘いのよ。糖度が20度もあるんだから。
ボタ爺
糖度が20度というと、完熟した高級メロンやマンゴーくらいだの。りんごが12度だから、随分甘いんだな。
自給用の果樹園って日本だと想像しづらいけど、庭先に柿の木がある感じかしら。