ルクマとは？果実としての特徴からパウダーとしての活用法・効能まで紹介！

ルクマは南米ペルーやチリ、エクアドルといった熱帯地方に自生するアカテツ科の植物です。世界遺産の天空都市マチュピチュで知られるインカ帝国の時代にはすでにルクマは広く食されていたことが明らかになっており、当時の神話にも「聖なる果物」として登場していました。

ルクマの果実はアボカドより少し大きめのサイズで、緑色の皮の下にはマンゴーのような鮮やかなイエローの果肉が詰まっています。種はアボカドのような丸く大きなものが1～3個入ります。

ルクマは南米のペルーやチリなどで定番の果実です。日本人にとってバナナやリンゴが定番の果物のように、日常的にルクマは食べられています。世界的コーヒーチェーンのメニューに「ルクマフラペチーノ」があるほどですよ。

ルクマは日本ではまだメジャーとは呼べない果物かもしれませんが、栄養価の高さとおいしさからペルーなど現地では長く愛されてきた歴史があります。ペルー国内ではもっとも人気のある果物の1つといわれるほどです。

ルクマの果実はスーパーフードとも呼ばれます。スーパーフードとは、栄養豊富でバランスもよく、サプリと食品の間に立つような存在です。ルクマには食物繊維、カロチン、ビタミンA・B・C、鉄分、カルシウムなどさまざまな栄養素が詰まっており、オーガニックで健康的な生活をめざず人から注目が集まっています。

ルクマの味は、キャラメルやメープルシロップのように甘くて濃厚です。果物ですが水分は少なく、ほくほくしたカボチャや栗、さつまいものような食感と評されます。生でも食べられますが少し粉っぽい食感のため、アイスクリームやケーキに混ぜて食べる方法が現地では一般的です。

ルクマははるか昔は薬効効果も認められ、薬として使用されていました。その効能は現在でも認められているものがあり、ペルーなど現地では整腸剤、貧血予防、皮膚病、咳止めといった症状に対する薬として使われることもあります。

ルクマの果実にはさまざまな栄養素がバランスよく含まれていますが、それによって期待できる健康効果はうれしいものばかりです。

ルクマはキャラメルやメープルシロップのような甘みがあるにもかかわらず、低GI食品です。砂糖に比べるとGI値はわずか1/4程度で、食後の急激な血糖値の上昇が起こりにくいというメリットがあります。糖尿病をはじめとした生活習慣病予防に効果的な果物といえるでしょう。

ルクマに含まれる栄養素に、カロテノイドの一種のβカロテンがあります。βカロテンは抗酸化作用が高い栄養素としても有名で、「体を錆びさせる」活性酸素の発生を抑えたり、体外へ排出したりする働きが期待されている物質です。また、βカロテンは体内でビタミンAに合成されます。ビタミンAは皮膚や粘膜の保護に必要な物質で、健やかで美しい肌作りに欠かせない栄養素です。

ルクマには、不足しがちな鉄分と亜鉛も豊富に含まれます。鉄分は体中に酸素を運ぶ物質「ヘモグロビン」に重要な成分で、生命活動を維持するのに必須の微量元素です。鉄分が失われやすい女性にとって、ルクマはうれしい果実といえるでしょう。また、亜鉛も鉄分同様に、生命活動に重要な微量元素です。さらに亜鉛は、男性ホルモン「テストステロン」の分泌にも貢献しているといわれています。

日本人のライフスタイルにあわせやすいルクマパウダーの活用方法は、ヨーグルトに混ぜる食べ方です。ルクマパウダーにはほんのりとした甘さがあるので、市販のヨーグルトにかけるだけで手軽に食べられます。ルクマパウダーのほかに季節の果物をカットしてのせたり、ナッツやシード類をトッピングしたりするのもいいですよ。

ルクマパウダーをスムージーに入れる方法も、手軽でおすすめです。現地ではルクマの生の果実を牛乳と一緒にミキサーにかけてスムージーにしますが、パウダーでも同じようにスムージを作れます。バナナや小松菜などスムージーに人気の素材とルクマパウダーを一緒にあわせて、ミキサーにかけるだけで完成です。

ルクマパウダーは甘みがあるにもかかわらず、低GIなのでヘルシーな焼き菓子を作りたい人にもおすすめです。現地でも砂糖の代わりにルクマやルクマパウダーを使用することがあります。甘みを残しながらGI値を下げられるので、ダイエット中の人にはうれしいですね。

日本で生のルクマはなかなか手に入りませんが、ルクマパウダーや果実を冷凍したものであれば購入可能です。

ルクマははるか昔のインカ帝国の時代にはすでに食べられていた果物で、ときにはデザートとして、ときには薬として人々の暮らしに深く根付いていたことがうかがえます。ルクマがもたらす健康効果は現代の医学をもってしても納得のいくもので、スーパーフードとしてこれからさらに注目を集めることでしょう。世界の歴史に思いをはせながら、その地域の食文化に触れるのも楽しいかもしれませんね。