家庭菜園でマンゴーを種から育てられる?
種からでも育てられる!
家庭菜園でマンゴーを育てる場合、苗を購入するのが主な方法です。しかし、マンゴーの苗は販売されている数が少なく価格も1万円前後と高額なため、やや初心者向きとはいえません。そこで、より手軽なマンゴーの栽培が種から育てる方法です。マンゴーの種をうまく発芽させれば、家庭菜園でも実がなるまで育てられます。
マンゴーの種を植える準備
食べ終えたマンゴーの種からでも育てられる!
マンゴーを家庭菜園で育てるために、まずはマンゴーの種を手に入れましょう。しかしホームセンターや園芸店で、マンゴーの種はほとんど販売されていません。そのためスーパーや農園で販売されているマンゴーを食べ終えたあと、種を取り出すのが簡単な方法です。
国内産マンゴーから種を取るのがおすすめ
種を植えるマンゴーを選ぶ場合、国産以外ではカビ防止処理をほどこされているため、種まきしても発芽しないこともあります。マンゴーの果実を用意したら、具体的なタネの位置や種の取り方をみていきましょう。
種の取り方
①マンゴーを切り分ける
マンゴーのタネの位置は果実の中心で、白っぽく硬い殻に守られています。タネの位置を確認できるよう、マンゴーを切り分けることからはじめましょう。果実の幅が細いほうを上向きにして、タネの位置である中央を避けて横に2カ所包丁を入れます。魚を三枚おろしにするイメージで、マンゴーが3つに分かれれば完了です。
②殻からマンゴーの種を取り出す
切り分けたうち真ん中の果実を、タネの位置を確認しながらまわりの果肉をこそいでいきます。種の入った殻が出てきたら、殻の端を大きめのハサミでカットしてください。殻は手で割れるほど柔らかくないため、包丁を使って切り開いていきます。殻が割れると、中から白い種を挟んだ茶色い殻が出てきます。タネの位置が確認できたら、種の状態を見てみましょう。
ボタニ子
滑りやすくても慌てないでね。種の取り方のポイントは落ち着くことかも。元気な種はふっくらしていて、丸い形をしているよ!
ボタ爺
薄っぺらかったり、黒く変色していたりすると、種まきしても残念ながら発芽しないことが多いのじゃ
種から育てるマンゴーの栽培方法【栽培スケジュール】
マンゴーの木は常緑樹で樹高は20〜40mにもなりますが、鉢に種を植える場合そこまで大きくなりません。原産地は熱帯気候のマレーシアやインドのため、低温が苦手です。家庭菜園で育てる場合は、たっぷり日光が当たる場所が必要です。種から育てると実がなるまで7〜8年はかかるため、根気よく育てていきましょう。
種から育てるマンゴーの栽培方法【土作り〜種の植え方】
種まき
マンゴーを発芽させるには、気温20℃以上の環境が必要です。種からマンゴーを育てる場合、6〜7月が種まきの時期に適しています。耐寒性の低いマンゴーは、地植えよりも鉢植え向きの植物です。なお冬の気温が5℃以下にならず、霜が降りることもない九州や沖縄地方なら、家庭菜園でも地植えが可能です。
土作り
マンゴーははじめから大きな鉢に植えずに、発芽するまでは5〜6号サイズの鉢に種まきして育てましょう。地植えの家庭菜園に種を植えるなら、種まき専用の土や配合土を使用すると発芽しやすくなります。赤玉小粒や鹿沼土、腐葉土、パーライトが混ざった配合土がおすすめです。自分で土作りするなら、赤玉土に腐葉土を混ぜ合わせた水はけのよい土を用意します。
種の植え方
マンゴーの種を横向きに土へ置いたあと、種全体をおおう程度に土をかけます。マンゴーのタネの位置は茶色い殻の中にありますが、外側の殻は植えるとき外したほうが発芽しやすくなります。植えたあとは土が乾かないよう水やりを続けると、1〜2週間で発芽するでしょう。種の育ちが悪かったものや、カビ防止処理がほどこされた種は発芽しないこともあります。
水耕栽培で発芽させる方法
種からマンゴーを育てるときは土に直接植える方法のほか、水耕栽培で発芽させるのも有効です。水耕栽培用の容器にペットボトルを利用すると、簡単に自作できます。水耕栽培する場合の種の植え方は、種が半分つかる程度に水を入れるだけです。種まきのあとは、3日に1回程度水を交換しながら育てましょう。
発芽後の管理方法・植え替え
種まきしてから発芽し本葉が4枚ほど出てきたら、株よりひと回り大きな鉢に植え替えます。植え替えは、マンゴーが成長しやすい4〜5月の暖かい時期に行いましょう。8〜10号鉢に培養土を入れ、株ふたつ分ほどの穴を掘ります。苗を再び植えるときは、掘った土に堆肥を2〜3割の分量で混ぜてかぶせましょう。水耕栽培の場合は、根が出たタイミングで土に植え替えて構いません。
種から育てるマンゴーの栽培方法【日常管理】
日当たり・栽培環境
マンゴーの木は寒さに弱く、育てるときはたっぷりの日差しが必要です。霜にあたるだけでも枯れる可能性があり、家庭菜園で育てる場合は基本的に室内で管理し、冬場でも温度が7℃以下にならないように調整しましょう。また、日陰で育てると葉っぱが枯れることがあるため気をつけてください。鉢を置く場所は、日光がしっかり当たる窓ぎわがおすすめです。
ボタ爺
マンゴーにはウルシと同じ成分が含まれていて、体質によってはかぶれることもあるんじゃ!
ボタニ子
室内で管理するとき、木の枝や葉っぱに触れるときは注意してね
水やり
マンゴーの水やりは、鉢の土が乾燥しているのを確認してから行います。マンゴーは乾燥気味に育てることで花が付きやすくなります。家庭菜園の路地植えの場合は、よほど土がカラカラに乾いていなければ降雨のみでも問題ありません。
冬の水やりはさらに控えめに
マンゴーの成長期は3〜10月で、冬の間は水を吸い上げるスピードが緩やかになります。成長期以外の水やりは、土が乾いているのを確認してから2〜3日後に行うペースで十分です。
ボタニ子
寒い時期に水やりを控えて乾燥させると、低温にも耐えやすくなるよ!
肥料・追肥のタイミング
結実までの育て方のポイントは、定期的な追肥です。肥料が切れると葉っぱが枯れる、花がつかないといった状態があらわれることもあります。追肥は成長期に入る3月に、リン酸が多めの化成肥料を置き肥します。また、果実を間引くタイミングの5月ごろと、収穫後の8月ごろに固形肥料や遅効性の肥料を与えるとよいでしょう。特に収穫後の追肥は、翌年の木の成長をうながす効果が期待できます。
植え替え
マンゴーの木は成長が早く、1〜2年に一度は植え替える必要があります。鉢の底から根が出てきたら鉢いっぱいに根がまわっているため、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。再度植えるるとき、根が切れてしまうと株の成長に影響が出るため、根をほぐしたり土を落としたりしないように注意しましょう。成長して幹が伸びてきたら、倒れないよう支柱を立てておきます。
剪定
マンゴーの剪定は花芽がつき始める前の、4〜9月に行います。剪定すると栄養や水分が木全体に回り、おいしい実がなる可能性が高まります。またマンゴーの樹高を抑えたい場合も、剪定が必要です。剪定方法はまず枝分かれを促すため、主幹を40〜50cmの高さに切り戻します。その後は、混み合っている枝や、小さめの枝を切り落としてください。収穫後も次の新しい枝が育つよう、実がついた枝を切り戻すとよいでしょう。
ボタニ子
次のページではマンゴーの開花以降の育て方、挿し木による増やし方をみていくよ!
出典:写真AC