はじめに
バナナの品種の中に、日本の沖縄や奄美大島などで栽培されている「島バナナ」という種類があることをご存じですか?スーパーなどで出回っているバナナよりもひと回り小さく、ずんぐりした形のバナナで、爽やかな酸味と甘さが特徴です。この記事では、高級フルーツともいわれる島バナナについて、詳しくご紹介します。
島バナナとは
島バナナは、栽培が難しいため、通常の輸入バナナと比べると約10倍の価格がつく高級フルーツです。もともとはマレー原産のバナナで、100年以上前に沖縄に渡来したといわれています。きちんと栽培することが難しく、台風や病気の影響を受けやすいため、市場ではなかなか見かけません。安定的に販売しにくいことが、この高い価格の理由のひとつといえるでしょう。
島バナナの特徴
島バナナは成長すると樹高5~10mほどの大きさになります。5月~10月に紫色の大きな花を咲かせ、そのあとに実をつけます。実の大きさは10~15cmほどと、通常の輸入バナナよりもひと回り小さく、さっぱりとした酸味を感じられる味わいが特徴です。日本でも国産のバナナが収穫できるのは、沖縄などの亜熱帯地域のみなので、とても希少価値の高いバナナといえるでしょう。
基本データ
学名 | Musa liukiuensis |
科 | バショウ科 |
属 | バショウ属 |
産地 | 沖縄 |
樹高・草丈 | 5~10m |
開花時期 | 5~10月 |
花の色 | 紫 |
旬の時期
島バナナの収穫時期は6~10月で、旬の時期は9~10月と秋の季節です。熟す前の状態で収穫したあとは、しばらくつるして追熟します。皮が黄色くなり、表面に黒い斑点が出たころが食べごろです。しかし沖縄では台風が来る時期でもあるため、島バナナの栽培はとても難しいといわれています。専業農家も少ないため、流通に乗りにくいことも、高級フルーツと呼ばれる理由のひとつです。
見た目
島バナナは、通常の輸入バナナと比べると、ひと回り小さめで、実が太く、ずんぐりとした形が特徴です。黄色に熟した後の皮は薄く、実がみっちりと詰まっています。この状態の島バナナは、はじけやすく傷みやすいため、なかなか市場には出回りません。そのため、販売されている島バナナのほとんどが、熟す前の青い状態で出荷されています。
味
一般的に食べられている輸入バナナは濃厚な甘さが特徴ですが、島バナナは甘さの中にも酸味が感じられることが特徴です。柑橘系のようなフルーティーな酸味と、濃厚な甘さが同時に楽しめるため、輸入バナナの甘みが苦手な方もさっぱりと食べることができます。普通のバナナと比べると、ひとまわり小さいですが、その分もっちりとしたクリーミーな食感で、食べ応えがあります。
栄養
バナナはもともと栄養価の高いフルーツといて有名ですが、その中でも、島バナナは特に栄養が豊富に含まれています。以下では、島バナナに含まれている栄養をご紹介します。
ポリフェノール
ポリフェノールには。生活習慣病の予防や、がん、老化防止などの効果が期待されています。島バナナにはこのポリフェノールがふんだんに含まれており、果物の中では最高値ともいわれています。
カリウム
体内の水分を調節する役目を持つカリウムは、血圧を調整する効果があります。島バナナには、このカリウムも含まれているため、高血圧や脳梗塞などの病気の予防が期待されています。
マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。積極的に摂取することによって、骨粗しょう症や糖尿病などの生活習慣病の予防になるといわれています。
食物繊維
食物繊維は、腸の動きを活発にするといわれています。島バナナには食物繊維も多く含まれているため、便秘解消の効果が期待されています。
ボタ爺
次は島バナナの栽培方法について紹介するぞ!
出典:写真AC