さくらんぼの木とは?実がなる桜の木の種類(品種)と開花時期を紹介!

さくらんぼの木とは?実がなる桜の木の種類(品種)と開花時期を紹介!

この記事では、さくらんぼの木の種類(品種)や開花時期、苗木からの育て方、桜との違いなどをご紹介します。実が食べられる樹木の中でも人気のさくらんぼの木は、春から初夏にかけて花と実で私達を楽しませてくれますよね。その可憐さと味わいはとても魅力的で、多くの人の心を惹き付けます。

記事の目次

  1. 1.さくらんぼの木とは
  2. 2.さくらんぼの木の種類
  3. 3.①西洋実桜(せいようみざくら)の仲間
  4. 4.②西洋酸実桜(せいようすみのみざくら)の仲間
  5. 5.③支那実桜(しなのみざくら)の仲間
  6. 6.さくらんぼの木の開花時期
  7. 7.さくらんぼの木の花の特徴
  8. 8.さくらんぼの結実
  9. 9.さくらんぼの木の人工授粉
  10. 10.さくらんぼの収穫
  11. 11.【補足】桜の木とは
  12. 12.さくらんぼの木と桜の木の違いは
  13. 13.まとめ

さくらんぼの木とは

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実が食べられる桜の木を「さくらんぼの木」とよびます。日本で栽培されるさくらんぼの木の種類(品種)は、約30種以上といわれており、さらに世界には1,000種を超える品種があります。

実が食べられる樹木の中でも人気のさくらんぼの木は、春から初夏にかけて花と実で私達を楽しませてくれますよね。その可憐さと味わいはとても魅力的で、多くの人の心を惹き付けます。

さくらんぼの木の種類

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さくらんぼの木の種類は、①西洋実桜(別名:甘果桜桃)、②西洋酸実桜(別名:酸果桜桃)、③支那実桜(中国桜桃)と大きく3つのタイプに分けられます。日本国内で一般的に苗木が手に入りやすく、かつ、栽培されているさくらんぼの木のほとんどが「西洋実桜」の仲間です。

①西洋実桜(せいようみざくら)の仲間

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甘果桜桃(かんかおうとう)とも呼ばれます。ヨーロッパや北西アフリカ、西アジアに自生するバラ科サクラ属の樹高5~6mになる落葉高木です。日本国内でも数多くの品種がさくらんぼの木として栽培されています。「佐藤錦」はその代表的な品種です。「ナポレオン」「アメリカンチェリー」の仲間も西洋実桜です。

佐藤錦

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「佐藤錦」は、日本で食べられているさくらんぼのなかでも最も人気の高い品種です。「赤いルビー」の愛称を持ちます。見た目・味・生産量・知名度ともに日本国内ナンバー1の実力をもつ西洋実桜の仲間です。中生種に属します。

佐藤錦の名前の由来

山形県の佐藤栄助氏が作り上げたことから。さくらんぼ王国「山形」を語る上でかならず登場するほど重要な品種です。「ナポレオン」と「黄玉」の交配種です。

紅秀峰

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比較的新しい品種です。大粒で果肉がやや硬めな食べ応えのあるタイプで、酸味少なく糖度が高いのが特徴です。「佐藤錦」と「天香錦」の交配種です。7月が収穫時期の晩生種に属します。

南陽

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果実は大型で、断面がハート型に見えるのが特徴です。見た目・味ともに人気の品種です。主な産地は北海道です。収穫時期は7月中旬から下旬頃の晩生種です。開花時期が遅いことから結実が不安定で、育成地である山形では普及しなかったという歴史をもちます。

高砂

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アメリカ原産のさくらんぼで、優れた「受粉樹」として広く栽培されている品種です。6月中旬が収穫時期の早生種に属します。果肉はとてもジューシーな乳白色、黄色みがかった明るい赤の果実が特徴です。

ナポレオン

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ヨーロッパで栽培されていることで知られる品種です。「授粉木」として利用されることも多く、この品種を元に生み出された品種も数多くあります。完熟した果実の美味しさは秀逸、通好みと定評があります。晩生種に属します。

ビング

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アメリカンチェリーの代表種です。カリフォルニア州・ワシントン州・オレゴン州などが主な産地です。粒はおおぶりでふっくらとしていて、濃い赤紫色の果肉と果汁が特徴です。酸味より甘味が勝ります。

②西洋酸実桜(せいようすみのみざくら)の仲間

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酸果桜桃(さんかおうとう)とも呼ばれます。その名の通り酸味が強く、おもな用途としては缶詰めやジャム、お酒など調理用・加工用として使われています。産地として有名なのはドイツです。日本での栽培はほとんどありません。チェーホフ「桜の園」のモデルはこの種類といわれています。

③支那実桜(しなのみざくら)の仲間

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中国桜桃(ちゅうごくおうとう)とも呼ばれます。華北・華中を中心とした中国発祥の種です。日本には自生しませんが、中国には7種分布しています。この仲間で「暖地桜桃」という品種の苗木は、日本国内でも手軽に手に入れることができ栽培も可能です。

暖地桜桃

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「暖地桜桃」は、日本で栽培されるさくらんぼの木の中でも少し特徴的です。一般的なさくらんぼの木は寒冷地を好みます。しかし「暖地桜桃」の場合、温かい地域でも良く育ち実をつけます。開花時期・収穫時期も他と比べて早めです。さらに自家受粉可能なタイプであることも他とは違います。

さくらんぼの木の開花時期

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一般的な西洋実桜「さくらんぼの木」の開花時期は4月中旬くらいです。支那実桜の仲間「暖地桜桃」の場合、3月中旬です。一般的なさくらんぼの木や花を楽しむ桜の木の開花と比較してもやや早目です。品種によって開花時期に多少の違いがあることから交配相手を探すのが難しいといった一面もあります。

さくらんぼの木の花の特徴

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実が食べられるさくらんぼの木の花の特徴といえば「色」であり、基本的にさくらんぼの木の花の色は「白」です。西洋実桜の仲間「佐藤錦」も支那実桜の仲間「暖地桜桃」も、果実は真っ赤で鮮やかなカラーですが、お花は少し小ぶりで可憐な純白です。

さくらんぼの結実

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さくらんぼの木は自分自身の花粉では受粉できない品種がほとんどです。そのため確実に結実させるためには遺伝子的に相性の良い品種同士を混植するというひと工夫が必要です。例えば「佐藤錦×ナポレオン」「高砂×ナポレオン」などです。一方「暖地桜桃」のように1本でも結実するタイプもあります。

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さくらんぼの木の人工授粉

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