エリンギとは
エリンギは地中海沿岸地方が原産のきのこの仲間です。イタリアやフランスなどでは古くから食べられている定番食材ですが、日本では1993年に人工栽培されたことがきっかけで広まりました。価格が安定していて手に入りやすく、どんな料理とも相性がよいエリンギは栄養がないと思われがちですが、実は栄養価が高い食材なのです。
名前の由来
エリンギは、エリンギウムと呼ばれるセリ科の植物が、枯れたあとに自生する特徴が名前の由来です。英語ではかさの形状から「king trumpet mushroom」や「king oyster mushroom」などとも呼ばれています。
ボタニ子
特徴
エリンギは白くて太いじくと、平べったいかさが特徴的です。弾力があって歯ごたえがよいことから、マツタケに似せて味わうことも可能ですが、味や香りはあまり感じられません。また、生で食べると食中毒を起こす恐れがあるため、加熱調理してから食べましょう。
エリンギの栄養成分と効果・効能
栄養成分
エリンギには食物繊維やナイアシンなど、多くの栄養成分が含まれています。また、エリンギは弾力があるのでしっかり噛むことで満腹感が得られやすくなります。100gあたり約19kcalと低カロリーなので、ダイエットの味方ですよ。
エネルギー | 19kcal |
水分 | 90.2g |
タンパク質 | 2.8g |
脂質 | 0.4g |
炭水化物 | 6g |
灰分 | 0.7g |
ビタミンB1 | 0.11mg |
ビタミンB2 | 0.22mg |
葉酸 | 65ug |
パントテン酸 | 1.16mg |
栄養①不溶性食物繊維
エリンギに含まれる不溶性食物繊維は、腸内の水分を吸収して便通を改善する働きがあります。不溶性食物繊維はかたい食材に含まれていることが多く、しっかり噛むことが大切です。食物繊維は腸内環境を整えるほかに、美肌効果も期待できる成分です。
栄養②ビタミンB
ビタミンBは人体に大切な栄養素のひとつで、不足すると疲労やストレスを感じやすくなります。ビタミンB群は肉や魚と食べ合わせると吸収力アップが期待できますよ。
栄養③ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートする効果があり、チーズなどの乳製品と食べ合わせると栄養価UPが期待できます。骨の形成だけでなく、免疫力を高め丈夫な体作りにも欠かせません。ビタミンDの摂取には、日々の食事のほかに適度な運動と日光浴も取り入れましょう。
栄養④パントテン酸
パントテン酸はビタミンB群のひとつで、動脈硬化の予防に効果的な栄養です。さまざまな食材に含まれているため不足することはまれですが、アルコールやカフェインの摂取量が多いと消費されやすくなります。不足すると食欲不振や便秘のほか、臓器機能不全などを起こす可能性があるので気をつけましょう。
栄養⑤ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群のひとつで、血流の改善に効果が期待できます。血流がよくなると基礎代謝も上がるため、冷え性の対策としても血の巡りをよくしておきましょう。
エリンギの食べ方
エリンギを食べるときは必ず加熱してください。エリンギにはごく微量ですが「シアン」という猛毒成分が含まれていて、生で食べると腹痛を起こす恐れがあります。生焼けも危険なので、しっかり加熱してから食べましょう。
エリンギは洗わない
エリンギを含め、きのこ類は水で洗わないのがベターです。エリンギを水で洗うと食感が悪くなり、栄養も流れてしまいます。汚れが気になる場合は、固く絞ったふきんで軽く払うように拭き取ってください。
エリンギの切り方
スーパーで買えるエリンギにはきのこ特有の「石づき」がないので、捨てるところなく調理できます。しかし、日が経つとかたくなってしまい、食感が悪いです。調理するときはかたくなってしまったところは取り除きましょう。
切り方①輪切り
輪切りはエリンギの繊維を切ることになるため、食感が柔らかくなりホタテに見立てて味わえます。横向きに置いたエリンギをやや厚めに輪切りにして、炒め物で食べてみてください。
切り方②縦切り
縦切りは繊維に沿ってカットするため、エリンギのシャキシャキの食感が残ります。縦切りは炒め物のほか、鍋物にもおすすめです。エリンギならではの歯ごたえを楽しみましょう。
切り方③乱切り
乱切りは食材を回しながら、ななめにカットしていく切り方です。大きめにカットすることで存在感がうまれ、料理の主役にもなります。ざっくり切っていけばよいので、料理が苦手な人にもおすすめの切り方です。
手で裂くのもおすすめ!
エリンギは、縦方向なら手でも簡単に裂けます。キャンプやバーベキューなどで刃物を持ち合わせていないときに便利な方法です。
おすすめの食べ合わせ
①大豆
大豆にはイソフラボンやオリゴ糖が含まれているため、エリンギと食べ合わせることで美容や整腸効果が高まります。大豆の効能は豆乳や味噌からも得られるので、味噌汁などの汁もので食べるのもよいですね。
②葉物野菜
ほうれん草や菜の花などの葉物野菜は、エリンギに足りないビタミンAなどの栄養を補えるので相乗効果が期待できる食べ合わせです。炒め物やスープなど温かい状態で食べることで、冷え性の対策や腸内環境の改善にもつながります。
③肉類
肉類には疲労回復やスタミナをアップする成分を含むものが多く、エリンギなどのきのこ類とあわせると、これらの効果アップが期待できます。また、きのこ類には「エンドペプチダーゼ」と呼ばれる分解酵素が含まれていて肉をやわらかくする効果があるので、炒め物などで一緒に調理するのがおすすめです。
かさの形から英語では「大きなトランペット」や「大きな牡蠣」と表現しています。