干しえのきを作ってみよう!
買いやすい価格でとても身近なえのきたけ。炒めたり、スープにしたり、お鍋に入れたりとレシピの幅も広くて便利ですね。ダイエットにも効果があるため女性から人気があります。そのままでも十分有能なえのきですが、実は乾燥させることによってさらに風味をアップさせたり、有効な成分の吸収をよくしたりできるのです。本記事では乾燥させたえのき、干しえのきについて作り方や保存方法についてご紹介します!
注目すべきえのきの成分
えのきたけには食物繊維が多く含まれダイエットに効果があることが知られています。しかし、それ以外にもえのきには注目すべき有効な成分があります。それが以下の2つです。
キノコキトサン | キノコに含まれる植物性キトサン。食物中の脂肪分を吸着し、身体への吸収を抑制する。含有量はえのきが一番多い。 |
エノキタケリノール酸 | 内臓脂肪を燃焼させる効果がある。含有している食品はえのきのみ。 |
えのきを干すメリット
えのきを干すことには下記のようなメリットがあります。
- 細胞壁が破壊され、成分が吸収されやすくなる。
- 紫外線にあてることでビタミンが増加する。
- うまみが増す。
- 保存性がよくなる。
成分が吸収されやすくなる
先ほどご紹介したようにエノキタケリノール酸には、内臓脂肪を減少させるという素晴らしい効果があります。しかし、このエノキタケリノール酸は細胞壁の中に多く含まれており、そのまま調理しただけでは細胞壁は破壊されません。その結果ほとんどが吸収されないまま排出されてしまいます。強固な細胞壁は乾燥すると壊れやすくなるので、干しえのきにすることで有効な成分を吸収できるのです。
紫外線でビタミンが増加する
干しえのきを作るときに必ずおこなっていただきたいのが天日にあてて干すことです。天日にあてずに乾燥させても干しえのきは作れますが、2時間ほど紫外線にあてることでえのきに含まれているビタミンDが倍増するのです。ビタミンDは小腸でのカルシウムの吸収を促す働きをするので、骨粗しょう症の予防に役立つといわれます。
うまみが増す
えのきたけにはグアニル酸といううまみ成分が含まれています。グアニル酸とは鰹節に含まれるイノシン酸、昆布に含まれるグルタミン酸と並んで三大うまみ成分といわれ、干ししいたけのうまみ成分としても有名です。えのきの中のグアニル酸は干しえのきになることでなんと13倍になるといわれています。
保存性がよくなる
えのきを含め、キノコはあまり日持ちがしません。冷蔵庫に入れておいてもあっという間に水っぽくなりぬめりが出てしまったり、すっぱいにおいが出たりします。これは腐敗が始まっているサインなので食中毒を引き起こしてしまうこともあるのです。しかし干すことで保存性がグンとよくなります。完全に乾燥したフルドライの干しえのきなら、常温でも1ヵ月ほど保存できます。
干しえのきの作り方
材料・準備するもの
- えのきたけ
- ざるや干し網
- まな板・包丁
ボタニ子
干しえのきを作るには天気予報をチェックして天気のよい日を選びましょうね!梅雨時はカビてしまう可能性が高くなるので避けましょう。
干しえのきのレシピ
包丁でいしづきを取り小房に分けたえのきを天日にあてます。ベランダがない、風が強いなどで外干しができないときは日当たりのよい窓際でも大丈夫です。
セミドライの干しえのきです。シワっぽい感じですが、触るとまだしっとりしていて水分が残っているのがわかります。天候にもよりますが、2~5時間程度でできあがります。通常のえのきと同じ使い方で調理ができます。冷蔵庫で5日程度保存できます。ビタミンDを増加させることが目的の場合はセミドライの状態で十分です。
フルドライの干しえのきです。セミドライのものをそのまま続けて3~5日程度乾燥させるか、フライパンで焦がさないように乾煎りしてもよいです。カラカラに水分がなくなったら完成です。きちんと乾いているともとの重量の1/10くらいになります。フルドライにすることで強固な細胞壁がもろくなり、えのきの有効な成分をしっかり摂取することができます。常温で1カ月程度保存できます。
ボタニ子
電子レンジを使用すると有効な成分が破壊されてしまうことがあります。電子レンジで乾燥させるのはもったいないですよ!
次のページでは干しえのきの使い方、保存の仕方についてご紹介します!
出典:著者撮影