見た目からは分かりにくい?キクラゲの正体
キクラゲといえば、豚骨ラーメンや中華料理によく使われる食材です。やわらかな見た目とコリコリとした食感は独特で、名前の響きからクラゲだと思ってた方も多いかもしれませんね。謎が多いキクラゲは、実は魅力いっぱいの食材です。キクラゲの正体やおいしい食べ方を知って、食生活に取り入れてみましょう。
キクラゲはクラゲの仲間?
キクラゲは海ではなく山で採れるもので、クラゲの仲間というのは間違いです。キクラゲは木に生えるきのこの一種を指します。対して、クラゲは半透明な体をもつ、海をただよう生き物です。食用になる海のクラゲも存在しますが、山に生えるキクラゲとは全くの別ものです。
キクラゲ・山くらげ・中華くらげの違い
キクラゲと山クラゲの違いは?
キクラゲのように、名前にクラゲがついている食材はほかにもあります。山くらげも名前に「クラゲ」とついていますが、クラゲの種類というのは間違いです。山クラゲは切れ長の葉がついている植物で、主に茎が食用になります。コリコリとしたクラゲに似た食感をもち、炒め物や和え物にするとおいしく食べられます。
キクラゲと中華クラゲの違いは?
中華くらげはキクラゲとは異なり、間違いなく海のクラゲのことです。エチゼンクラゲやビゼンクラゲなどの食用クラゲを別名中華くらげと呼びます。名前のとおり中華料理によく使われており、酢のものやサラダにして食べられることが多いです。
キクラゲの概要
分類 | キクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属 |
適温 | 25~30℃ |
収穫時期 | 4~10月 |
旬の時期 | 6~9月 |
キクラゲは25℃以上の高い気温で生えるきのこで、夏によく収穫されます。日本国内でも生育していますが、食用キクラゲの国産品はほとんどありません。キクラゲは大きく「黒」と「白」の2種類に分類されます。見た目が透明な白キクラゲのほうが、黒キクラゲよりもわずかに高価です。
キクラゲの名前の由来
キクラゲが海のクラゲというのは間違いですが、名前の由来は海のクラゲと大きく関係しています。キクラゲはそのまま「木に生えるクラゲ」という意味です。独特のコリコリとした食感が食用クラゲのものと似ているため、キクラゲという名前がつけられました。
ボタ爺
キクラゲは漢字で書くと「木耳」見た目が人間の耳に似てるから、耳の字が入ってるんじゃな。
ボタニ子
確かに、やわらかい触感や傘のシワが耳に似てるかも!地域によって、キクラゲを「耳茸」と呼ぶところもあるんだよ。
キクラゲの毒性
キクラゲは食用きのことして広く出回っており、もちろん毒性はありません。しかし、キクラゲに見た目がよく似た「クロハナビラタケ」には毒性があります。キクラゲと比べてクロハナビラタケは小型で濃い黒色をしているため、見分け方はさほど難しくありません。誤って食べると強い毒性により中毒症状を引き起こすため、キクラゲを採取する際は注意が必要です。
キクラゲの栄養素
食物繊維
キクラゲは、食物繊維が多い食品です。キクラゲ100gあたり不溶性食物繊維が約73g、水溶性食物繊維は約6g含まれています。同量のゴボウと比較して、約3倍もの食物繊維量です。食物繊維は糖の吸収をおさえ、血糖値を上げにくくします。また、腸内環境を整えたり、食べ応えのある食感が食べ過ぎを予防したりしてくれる効果も期待できるでしょう。
ビタミンD
キクラゲはきのこの種類の中でも、ビタミンDの含有量がかなり多いきのこです。ビタミンDはカルシウムやリンを吸収しやすくし、骨や歯を強化してくれます。ビタミンDは太陽の光をあびることで体内でも生成可能ですが、紫外線対策を万全にしている場合、不足してしまいがちです。キクラゲをはじめとしたきのこ類になら、ビタミンDが効果的に摂取できますよ。
ミネラル
キクラゲはミネラル分を多く含んだ食材でもあります。ミネラルとはカルシウムや鉄、亜鉛など、体の調子を整えるために必要な栄養素のことです。体の中では生成できないため、ミネラルは食品から摂取しなくてはなりません。キクラゲ100gにはレバー20gほどの鉄分と、牛乳コップ1/3程度のカルシウムが含まれています。
キクラゲはヘルシーな食材?
キクラゲは非常にカロリーが低い食材です。乾燥キクラゲを水で戻すと、100gあたり13kcalほどになります。ほかのきのこの仲間や、食感の似た海の食用クラゲも20kcalほどで、キクラゲは同じくらい低カロリーです。カロリーだけでなく、噛み応えのある食感や満腹感、整腸作用もあるため、キクラゲはダイエット中にも最適な食品といえます。
ボタニ子
次のページでは、おいしいキクラゲの特徴や食べきれないキクラゲの保存方法について紹介するよ!
出典:写真AC