日本酒の原料を知りたい!有名・人気の酒米(酒造好適米)8選!

日本酒の原料を知りたい!有名・人気の酒米(酒造好適米)8選!

日本酒の主な原料は、米と水です。特に米は、日本酒造りに適した種類である酒造好適米が主に使われています。さらに酒造好適米には、さまざまな種類があります。ここでは有名な酒造好適米を比較しながら、それぞれの違いと特徴を見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.日本酒の原料は?
  2. 2.酒造好適米の特徴
  3. 3.酒造好適米の種類
  4. 4.日本酒の原料に使われる食用米
  5. 5.酒造好適米の役割
  6. 6.米の種類や違いを知って日本酒を楽しもう

日本酒の原料は?

出典:写真AC

日本酒は、米と麹(こうじ)に水を加え、発酵させてこした醸造酒です。アルコール度数は、通常15~16%です。日本独特の製法で造られた酒のため日本酒と呼ばれています。近年では海外からの人気も高まり、「sake」として多くの国で親しまれています。

日本酒の主原料は米

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日本酒の主原料は、米です。主に使われるのは一般的に食べられる食用米ではなく、酒米、または酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)と呼ばれる、日本酒造り専用として育てられている米です。また、アルコール発酵に必要な麹菌を育てる際にも米が使われます。これは、米麹と呼ばれます。

酒造好適米の特徴

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酒造好適米は、酒造りに重要な要素を兼ね備えている米品種の総称です。食べておいしい米の条件と、おいしい酒になる米の条件には多くの違いがあるため、専用の品種が作られています。ただし、食べられないわけではありません。食用米のように炊いたり加工したりして食べることもできます。

特徴①心白

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米の中心には、白く不透明な部分があります。これを、心白といいます。酒造好適米は食用米と比較して、心白が大きめです。心白はそのほとんどがデンプンで、タンパク質をほとんど含みません。そのため心白の割合が高いほど、できあがった日本酒に雑味が少なくなります。また、隙間が多いため麹の働きが活発になり、糖化力の高い米麹ができます。

特徴②醸造適性

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醸造適性の高さも、食用米との違いです。醸造適性とは、発酵のしやすさ全般を指します。麹菌の入りやすさや吸水率など、酒造好適米の品種によってさまざまな違いがあります。特に大切なのが、表面は硬く内側は柔らかく蒸しあがることです。内側が柔らかくなければ麹菌が入ってきませんが、表面が柔らかすぎると雑菌が入りやすくなるからです。

特徴③粒の大きさ

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酒造好適米は食用米と比較すると、粒が大きい品種が多いです。日本酒を造る際には、雑味の元となる米の表面をできるだけ削り取ります。このとき粒が大きいほど、表面を削っても使える部分が多く残ります。そのため、粒が大きい品種ほど雑味が少ない日本酒を造りやすくなるのです。

特徴④稲の背丈

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酒造好適米は粒が大きく、さらにデンプンの多い心白が大きいことから、非常に多くの栄養が必要です。そのため酒造好適米の稲穂は、食用米より光合成をしやすくするため、背丈が比較的高くなります。デンプンをたくさん含む酒造好適米は、主に寒暖の差が激しく日当たりのよい山間部で作られています。

酒造好適米の種類

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酒造好適米は、全国的に有名な「山田錦」や「五百万石」をはじめ、さまざまな品種があります。それぞれの品種には、味わいや香りのほか、醸造適性や耐寒性など多くの違いが見られます。特に、特定の産地を代表する品種や新しい品種は個性的といえるでしょう。

酒造好適米の種類①山田錦

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酒造好適米の中でも代表格とされるのが、山田錦です。酒造好適米の中でも生産量が特に多く、その6割を誕生の地でもある兵庫県で生産しています。ほかの酒造好適米よりも大粒なため精米度を上げやすく、雑味が少なく芳醇な味わいに仕上がります。さらに山田錦の心白は粘度が高く、吸水性が高く麹菌も入りやすいのが特徴です。

別名「酒米の王様」

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山田錦には、「酒米の王様」という別名があります。山田錦のもつ特性が高級酒に非常に適しているため、山田錦を使った酒が品評会の上位を占めることが多かったからです。多くの酒造好適米が登場した現代でも、山田錦を使った酒の金賞受賞率が依然として高いことからも、山田錦の品質の高さがわかります。

人気の日本酒が勢ぞろい

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山田錦は、多くの人気銘柄で幅広く利用されています。特に有名な銘柄は、山田錦100%使用で知られる「獺祭(だっさい)」です。ブームになったときには、獺祭一銘柄のために山田錦の価格が上がったほどです。また、山田錦の代表的な産地である兵庫県ではとても多くの銘柄で利用されており、「白鶴」や「剣菱」は高い人気を誇っています。

酒造好適米の種類②五百万石

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五百万石は、新潟県で生まれた酒造好適米です。北陸地方を中心に栽培され、作付面積2位を誇ります。小粒ながら心白がとても大きく、麹のつきがよいため、多くの蔵元から高い信頼を得ています。もろみになっても粒が砕けにくいことに加えて、品質がとても安定していることも特徴です。五百万石を原料とした酒は、キレがよくクセのない味わいです。

日本酒ファンに評判の銘柄が揃う

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五百万石は、産地である北陸地方を中心に利用されています。全国的に有名な人気銘柄である「久保田」や「八海山」のほか、定番銘柄の「月桂冠」にも多く使用されているのが五百万石です。また、産地以外でも佐賀県の「鍋島」など、全国に五百万石を使った銘柄が名を連ねています。

酒造好適米の種類③美山錦

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美山錦は1978年に長野県の農業試験場でつくられた酒造好適米です。寒冷地に強く、主に高山帯や東北地方で栽培されています。米粒が比較的硬めで、美しい心白が特徴です。できあがった酒は香りが繊細で、軽いさっぱりとした味わいです。

酒造好適米の種類④雄町

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雄町(おまち)は、江戸時代から続く伝統ある酒造好適米です。山田錦や五百万石のルーツでもありますが、一時期はこの2品種に押され絶滅寸前になっていました。しかし復興運動がもちあがり、現在では岡山県が有名な産地となっています。できあがる酒は、力強く芳醇な香りと太くキレがある味わいが特徴的です。

酒造好適米の種類⑤亀の尾

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亀の尾は、明治時代に発見された品種です。はじめは雄町と並び称されるほど高い人気を誇りましたが、害虫や農薬に弱く戦後には幻の米となっていました。しかし復興活動が起こり、テレビドラマにも取り上げられたことで、酒造好適米としての人気が再燃したのです。また、コシヒカリやササニシキなど人気の食用米品種の祖先にもあたります。

酒造好適米の種類⑥吟風

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吟風(ぎんぷう)は、2000年に登録された新しい品種です。とても寒冷適性が高く、通常の酒造好適米を育てられない北海道でも栽培できます。心白が大きく吸水性も高いため、醸造適性に優れています。吟風で造った酒は、芳醇な香りとしっかりとした旨味が特徴です。

酒造好適米の種類⑦越淡麗

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越淡麗(えつたんれい)は、2004年に登録されたばかりの品種です。「新潟での栽培に適し、山田錦を超える米質」を目標にかかげ、五百万石と山田錦をかけ合わせることで生まれました。精米率を高めても砕けにくく、またタンパク質が少ないことが特徴です。できあがる酒は両親のどちらとも違っており、柔らかくてふっくらとした味わいです。

酒造好適米の種類⑧出羽燦々

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出羽燦々(でわさんさん)は、1995年に作られた酒造好適米です。米・麹・酵母のすべてを山形オリジナルの吟醸酒を造る「吟醸県」プロジェクトの中で生まれました。長野県で生まれた美山錦をベースにしながらも、欠点の栽培難度の高さをある程度克服しています。さらりとした飲み口と、キレのよさが特徴です。

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日本酒の原料に使われる食用米

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