じゃがいもの掘り方
じゃがいも収穫には、軍手と、腕もすっぽりと覆うことのできる腕カバーのようなものがあると、土がつくことを気にせずどんどん作業できます。軍手を使わずに台所用のゴム手袋でも代用できますが、蒸れてくることがあります。春から初夏の晴れた日は、かなり暑くなることもあるので、つばのある帽子も必需品です。
掘り方のコツ
最初にじゃがいもを収穫するときは、収穫のタイミングが来たら、1~2株試しに掘って太さを確認するとよいでしょう。問題なければ、全体を掘り起こしていきます。掘り方のコツは、じゃがいもを傷つけないように、土寄せして立体的になっている畝(うね)全体を鋤(すき)でふわっと持ち上げる方法で行います。茎が出てくれば、後は芋づる式に簡単に収穫できます。
手で掘ってみよう
掘り方のコツで最も大事なことは、じゃがいもを傷つけないことです。鋤を使う掘り方に自信がなければ、手で掘っていくのでもかまいません。じゃがいも堀りは農業体験として、各地で行われています。たくさんの人数でシャベルを使わず素手で掘るのが、ある意味確実な掘り方です。
じゃがいもの保存方法
収穫後のじゃがいもから、腐ったじゃがいもや2~3cmのじゃがいもを取り除きます。生育不良なじゃがいもには毒素が含まれている可能性があり、危険だからです。収穫後のじゃがいもは土がついていて、どうしても表面がしっとりしてしまうので、畑の直射日光のあたらない、風通しのよいところで広げて乾燥させます。
収穫後やってはいけないこと
じゃがいもの収穫後にやってはいけないことは、じゃがいもを洗うことと、日光に当てることです。いもの表面に水分があると、どうしても菌が入りやすくなります。せっかく傷をつけない掘り方をしたのですから、収穫後もできるかぎり乾燥させて、いもを長く保存できるようにしましょう。日光にできるかぎり当てないことも、保存期間を長くするために重要です。
冷蔵保存か常温保存か
じゃがいもの保管に適した温度は5℃前後です。冷暗所で保管します。このことから、春じゃが収穫後の外気の温度が高い季節は、多くの地域で常温保存より冷蔵保存のほうが適している場合も多くなります。ただし、冷蔵庫の中はどうしても乾燥し、温度が下がりすぎるので、新聞紙や段ボール紙で乾燥を防いで野菜室に保管するのがよいでしょう。
ボタニ子
乾燥すると、いもの中の水分が抜けて美味しくなくなってしまうよ。
ボタ爺
皮が薄くて水分量の多い新じゃがは、冷蔵保存にも長期保存にも向いていないから、早く食べることをおすすめするぞ。
温度が低い状態で保管した場合
じゃがいもは高温で調理することで、発がん性の恐れのあるアクリルアミドという有害物質を発生することが知られています。低温で保管した場合は、加熱後のアクリルアミドの発生を高めることになるので、冷蔵庫の中で保管したときは、フライドポテトなどの高温調理でなく、煮物や蒸し物で食べるほうが安全です。
冷凍保存できるか
じゃがいもは冷凍していつまでも保存しておくことはできるのでしょうか。冷凍保存で怖いのは、やはり乾燥とアクリルアミドを発生させやすくする低すぎる温度です。生のじゃがいもは冷凍保管には向いていないと言えます。ちなみに、じゃがいもは冷凍保存しなくても、5℃前後の低温を保ちながら、適度に湿度を取り除き、光を当てずに保管することができれば、4~5カ月保管することも可能です。
じゃがいも長期保存のコツ
- 5℃前後の低温を保つ
- 適度に湿度を取り除く
- 光に当てない
ボタニ子
冷蔵庫に頼らず段ボールなどで保管して、5℃前後の温度が保てると、一番いいよね!
芽が出る条件とは
じゃがいもをいつまでも置いておいたら、芽が出てきてしまった、という経験はありませんか。じゃがいもの芽には、有毒成分が含まれており、小さい子供や老人が食べてしまうと重症化の恐れもあります。じゃがいもの芽が出る条件は、日光のもとに10℃~20℃の温度で2~3週間置いておくことです。芽を出さないようにするコツは、やはり光を遮って温度を低温に保つことです。
ボタ爺
じゃがいもは大航海時代にヨーロッパに伝わったけれど、じゃがいもの持つ芽の毒のせいで、最初は食用ではなかったそうじゃ。
ボタニ子
芽を出さないコツを知ることで長期保存のコツも分かって、たくさん食べられるようになっていったんだね。
まとめ
植え付けから収穫のタイミング、保存方法について見てきました。春じゃがと秋じゃがあり、保存期間も工夫できるじゃがいもは、いつでも食べられる便利な食糧です。また、じゃがいもの収穫は子供でもできるので、家族で土と関わるよい機会となります。プランター栽培もできるので、ぜひ栽培して収穫し、美味しくじゃがいもを食べてみましょう。
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出典:写真AC