育て方のポイント④:剪定
クリスマスローズは、あまり手入れしなくても整った姿に成長する植物です。そのため、姿を整えるための剪定作業は必要ありません。咲き終わる花を摘み取るだけで十分です。咲き終わった花を放っておくと病気の原因になったり、種を作るために株の栄養分を消費してしまったりします。種を取りたい時以外は、早急に摘み取っておきましょうね。
育て方のポイント⑤:古葉取り(無茎種)
「葉切り」とも呼ばれています。クリスマスローズの無茎種のみに行う剪定作業です。名前が示すように古い葉を取り除くことで、新芽や新しい花の開花を促します。古い葉は新しい葉に比べると色が濃くて硬いので、初心者でも簡単に見分けられますよ。適期は11月から12月です。新芽を傷つけないように、根元から5cmほど残して切り取りましょう。
原種や有茎種のクリスマスローズには必要ないから、間違えないでね。
無茎種のクリスマスローズでも、今年初めて開花する若い株の場合は必要ありません。
剪定・古葉取り作業の注意点
剪定や古葉取りの際の注意点としては、剪定鋏の消毒があげられます。クリスマスローズにはウィルス病があり、感染すると枯死してしまいます。そのため、剪定鋏は徹底的に消毒する必要があります。作業前はもちろんのこと、一株の剪定・古葉取り作業が終わったら、必ず消毒しましょう。一株ごとに消毒するのは面倒ですが、クリスマスローズを守るためです。絶対に忘れないでくださいね。
育て方のポイント⑥:病害虫対策
クリスマスローズの栽培で要注意の病気は、灰色かび病やべと病、軟腐病、害虫はアブラムシやヨトウムシ、ハダニなどです。多くは春から秋にかけて発生します。過湿や蒸れが原因で発生する病気が多いので、通気性に注意しましょう。基本的にはこまめに観察して、病気にかかった葉は除去し、害虫は即座に捕殺するのが基本です。その後は殺菌剤や殺虫剤でしっかりと駆除してくださいね。
クリスマスローズの増やし方
ここではクリスマスローズの増やし方を紹介します。クリスマスローズは同じ花をつけない性質があるので、どんな花がつくのか分かりませんが、いろいろと予想しながら作業するのも楽しいですよ。
増やし方①:種まき
クリスマスローズの増やし方としては、最も一般的で初心者向けの方法です。クリスマスローズの種は枯れた花から取るか、市販品を用意します。適期は5月から6月、あるいは9月下旬から10月です。
- 育苗ポットを用意する。サイズは3号から4号くらいでOK。赤玉土8:バーミキュライト2の割合で作った土を入れる。
- 育苗ポットへ10粒から15粒ほどの種を、重ならないようにしてまいていく。巻き終わったら1cmほど土をかぶせて、水をたっぷりと与える。
- 日陰で風通しがよく、雨が当たらない場所で管理する。土が乾燥しないように、霧吹きで湿らせたり、受け皿に水をためておいたりと、こまめに作業を行う。
- 発芽して双葉が開いたら、週一回のペースで薄めた液肥を与える。
- 本葉が一枚生長してきたら、3号鉢へ植え替える。その後は通常の苗と同じように栽培する。
増やし方②:株分け
株分けは、植え付けから数年たった大株で行います。株分けの適期は植え替え時と同じく10月から1月なので、植え替えと一緒に行うのがおすすめです。ただし、細かく分けると生育が悪くなってしまうので、一度にたくさん増やすことはできません。株を増やすというよりも、株を若返らせる方法として使用するほうがよいでしょう。
- 土と植木鉢を用意する。
- 大きくなった株を掘り起こし、根を傷めないように土を払い落す。土が固まって落とせない場合は、マイナスドライバーなどで根をほぐして土を取る。
- 一株につき芽が2、3個つくように根を切り分ける。ナイフやハサミは清潔な物を使用する。
- 切り分けた根を植木鉢へ植え付けて完了。
まとめ
冬から春の色彩の乏しい時期に咲き、和風の庭にも洋風の庭にも合わせやすいクリスマスローズは、お家の庭を美しく演出する強い味方です。丈夫なので初心者でも育てられる点も大きな魅力でしょう。ぜひ好みの花を見つけて育ててみてくださいね。
出典:BOTANICA