じゃがいもの栽培方法
じゃがいもの栽培ですが、日本では「寒冷地」「中間地」「暖地」と、3つの地域によっても栽培方法が異なります。(中間地と暖地は植え付け時期などが異なります。)そして、じゃがいもの栽培において注意しなくてはならないのは「連作障害」です。
じゃがいもの連作障害
じゃがいもを栽培する時、一番気をつけないといけないのは「連作障害」です。じゃがいもはナス科の野菜のため、同じ場所で栽培すると、生育不良や病気になるため、栽培後3~4年は同じ場所での栽培を避けます。
春植え(2~3月頃植え付け)する品種
春植えに向いているじゃがいもの品種は、男爵、メークイン、キタアカリ、とうや、アンデスレッドです。春植えのじゃがいもは、秋植えに比べて収穫量が多くなる傾向があり、1つずつのじゃがいものサイズも大きくなる傾向にあります。初心者がじゃがいもを家庭菜園で栽培する時は、春植えが気候的に適しています。春植えしたじゃがいもは、5~6月に収穫しますが、梅雨に入ると収穫したじゃがいもが傷みやすくなるので、梅雨に入る前の晴れの日の収穫が一般的です。
秋植え(8~9月頃植え付け)する品種
秋植えに向いている品種は、アンデスレッドです。秋植えは、地域は中間地~暖地で、寒冷地では行いません。植え付けが8~9月と暑いため、種芋は腐敗しないように温度管理が必要となり、種芋は切らずにそのまま植え付けます。初心者の栽培には向きません。秋植えの品種は、収穫後に貯蔵する際、収穫時期が11~12月と寒いため低温での貯蔵が可能で、じゃがいもの主成分であるでんぷんは低温になる事で糖分に変化するため、甘みの強い、美味しいじゃがいもになります。
春も秋も植え付け可能な品種「アンデスレッド」
アンデスレッドは、春植えも秋植えもできる、二期作栽培が可能な種類のじゃがいもです。生命力の強いアンデスレッドだからこそ、気温や条件の違う生育環境でも栽培することが可能です。
種芋を準備する
まず、種芋を購入してきたら「芽出し」をします。雨がかからない、日光が弱く入る窓際などに2週間から3週間ほど置いて芽を出します。芽が出たら、1片を30~40g、その各片に2~4個の芽が残るように切り分けます。切り口を4日ほど乾かしてから畑に植え付けますが、市販されている草木灰を切り口につける事で、腐敗を防げます。秋植えの種芋は切らずにそのまま植えるため、切り分けの手順は不要です。
畑の土を作る、植え付け、芽かき
畑の土作り
じゃがいもの種芋を植える1~2週間前に、石灰を土に散布しよく耕します。じゃがいも栽培は、土のpH度が重要で、pH6.0以上の土には石灰の散布は不要です。土を耕し準備をしたら、植え付けをする直前に幅が60~70cmほどの畝を作ります。
植え付け、芽かき
畝作りまで終えたら、種芋を約30cmほどの間隔を開け、深さは15cmほどで植えます。植え付けが終わり、しばらくすると1片の種芋から5~6本の芽が出ますが、芽の全てを育ててしまうと、じゃがいもに栄養が行き届かず大きく育たないため、芽が10~15cmほどになったら生育の良い芽を1,2本残し、残りの芽は全て掻き取ります。
追肥、土寄せ、収穫
はじめて芽かきをしたあとに、化成肥料を株間に追肥していきます。生育が進み、実が土から出てしまうと、青緑色になってしまい、品質が落ちてしまうので必ず土を株元にしっかりかぶせましょう。種芋を植え付けてから約90日ほどで、収穫時期を迎えます。収穫は必ず晴れた日に行い、梅雨時期は避けましょう。とうやなど肥大化しやすい品種は、追肥をしすぎると果肉が育ちすぎてしまうので、注意が必要です。
じゃがいもの花の色は品種によって違う?
じゃがいもの花の色って、白や紫のイメージが強いと思いますが、実は種類によって様々です。濃いめの紫色の花を咲かせる「アンデスレッド」、白と紫のグラデーションの花を咲かせるのが「メークイン」やや白色に近い、うすい紫色の花を咲かせるのが「男爵」「キタアカリ」ほぼ白い花を咲かせるのが「とうや」です。中には、ピンクのような色の花を咲かせるものもあるようですが、一般的には白と紫の花がポピュラーです。
まとめ
いかがでしたか?じゃがいもと言っても、沢山の種類があり、馬鈴薯の言葉の由来なども分かりましたね。アンデスレッドは、あまり馴染みがないかもしれませんが、栄養価も高く二期作可能なので、もし家庭菜園で挑戦する際は、春植えから試してみてください。じゃがいもは食卓でもメイン料理になりますし、美味しいレシピが沢山あります。ですが、じゃがいもの種類によって調理方法の向き、不向きがあるため、是非参考にしてみてください。
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出典:写真AC