デンドロビウムとは
デンドロビウムとは、色鮮やかな花をたくさん咲かせる洋蘭の一種です。丈夫で、株が凍らなければ枯れることがありません。そのため、育てるのが難しいとされる蘭のなかでは、比較的育てやすい種類とされています。南国の雰囲気づくりのために、リゾートチをイメージしたカフェやレストラン、ホテルなどに飾られることが多く、ハワイの花飾りであるレイの花材も、このデンドロビウムが使われています。
デンドロビウムの基本情報
分類 | ラン科 セッコク属 |
形態 | 多年草植物 |
原産地 | 熱帯アジア(ネパール、インド、ブータン、ミャンマー) |
草丈 | 20~80cm |
開花時期 | 2~5月 |
花色 | 白、ピンク、紫、黄、赤、緑、オレンジ、緑 |
デンドロビウムには、原種が1000種類以上存在しており、品種がとても多く、その特徴もさまざまです。品種によっては、耐寒性に優れていたり、落葉性であったりするため、育て方も変わってきます。多年草植物で、日当たりや温度管理を適切に行えば、何度でも花を咲かせます。
種類別の花言葉
デンドロビウムにはさまざまな種類があり「ノビル系」「デンファレ系」「キンギアナム系」「フォーミデブル系」「カリスタ系」などが挙げられます。種類によっては特有の花言葉をもっているものもあるのです。ここでは、それぞれの種類の特徴と、特有の花言葉についてご紹介します。
デンドロビウム全般の花言葉
デンドロビウム全般の花言葉には「わがままな美人」「天性の華をもつ」「思いやり」の3つがあります。「わがままな美人」の花言葉の由来は、おごりたかぶるとも思えるほどの圧倒的な美しさからきているといわれています。「わがままな美人」の意味の花言葉を持ち合わせているため、女性へのプレゼントには不向きでしょう。プレゼントをする際は「天性の華をもつ」「思いやり」の意味が伝わるよう対応が必要です。
ちなみに、デンドロビウムは、1/16と11/13の誕生花ですよ!
ノビル系の特徴と花言葉
花言葉は「謹厳実直」
ノビル系とは「ノビル」という原種を元に品種改良された系統で、最も多くの種類が存在します。現在、日本での品種改良が世界最高レベルとされている、デンドロビウムの主流の品種です。花の色は、白、ピンク、赤紫、黄、オレンジ色など多くの種類があります。特有の花言葉は「謹厳実直」です。これは、茎が太くしっかりしており、まっすぐ直立して育つ様子が、まじめで厳格な印象を与えることが由来しています。
デンファレ系の特徴と花言葉
正式名称は「デンドロビウム・ファレノプシス」で、略してデンファレ系という名前で流通しています。ファレノプシスとはコチョウランのことで、花の形が似ていることから「デンドロビウム・ファレノプシス」と名づけられました。しかし、デンドロビウムとファレノプシスの交雑種ではありません。
花言葉は「お似合いのふたり」「魅惑」「有能」
花色は、白、ピンク色が多いですが、紫、黄、緑色などもあります。デンドロビウムの花言葉は「わがままな美人」のため、女性へ贈るには少々気を遣う必要がある植物です。しかしデンファレ特有の花言葉は「お似合いのふたり」「魅惑」「有能」の意味があるため、プレゼントに適しています。「有能」の花言葉から、ビジネスシーンでの贈り物としても使えるでしょう。デンファレ系は、デンドロビウムとは別に、1/20、11/27、12/12の誕生花とされています。
「お似合いなふたり」の由来とは?
デンファレ系特有の花言葉のひとつである「お似合いの二人」は、蘭の成長の様子に由来します。ラン科植物は、木や石にくっついて成長する着生植物の特徴があり、この様子が、ふたりが寄り添っているように見えることからつけられました。また、西洋では洋蘭は官能的な意味を持たれることが多いため、デンドロビウムの花言葉も、女性的な魅力や、恋愛要素を感じるものが多いといえます。
キンギアナム系の特徴と花言葉
花言葉は「真心を伝える」「安全」「注意」
小ぶりの花をたくさん穂状に咲かせ、香りが強いところが特徴の種類です。他の種類との交雑がほとんどないため、他の種類とは異なる独特の形をしています。花の色は、白~濃紫色と豊富で、変異が多いのも特徴のひとつです。花言葉は「真心を伝える」「安全」「注意」で、岩場に自生することが多いことから「安全」や「注意」の意味がつけられたとされています。
フォーミデブル系・カリスタ系の特徴と花言葉
フォーミデブル系の花言葉は「上品な色気」
フォーミデブル系とは、フォーサム原種を元に品種改良された種類です。「上品な色気」という花言葉を持ちます。また、カリスタ系は、たくさんの花を、房のように垂れ下がって咲かせる特徴がある種類です。この種類には、特有の花言葉は存在しません。
花色別の花言葉
デンドロビウムは、原種が1000種類以上あるといわれており、形や特徴、花の色にもさまざまな種類があります。品種別で固有の花言葉があるだけでなく、花の色によっても、それぞれ花言葉が存在するのです。ここでは、白、ピンク、紫、黄、赤色の花について、それぞれの花言葉をご紹介します。
女性の華やかさを表現
花色 | 花言葉 |
白色 | 純粋な愛、誘惑に負けない |
ピンク色 | 官能、誘惑 |
紫色 | 愛と美、喜び、欲望、官能 |
黄色 | 友情、エロティシズムと愛の暖かさ |
赤色 | 情熱と欲望、強烈な愛の願望 |
蘭の花は一輪が大きく、派手でインパクトな印象があることと、着生植物であることから、西洋では「男性を虜にする女性」のイメージと結びつけられることが多くあります。そのため、蘭の花言葉は、官能的な意味を持たれることが多く、特にピンク、紫、赤はセクシーさを感じる花言葉が多くあるのです。一般的に悪い意味合いが多いといわれる黄色の花言は「友情」であり、プレゼントに控えた方がよい色は特にありません。
刺激的な花言葉が多いけど、プレゼントしても大丈夫かな?
伝えたい意味を書いたメッセージカードを添えてプレゼントすると安心だね!
デンドロビウムのプレゼントには「ジャックハワイホワイト」
白色の花言葉には「純粋な愛」「誘惑に負けない」があり、白色のデンドロビウムは冠婚葬祭でよく使われています。特に、デンファレ系の品種であり白色の花を咲かせる「ジャックハワイホワイト」は、デンドロビウムの花言葉のうち「思いやり」と、デンファレ系の特有の花言葉である「お似合いのふたり」「魅惑」「有能」、さらに白色の花言葉である「純粋な愛」「誘惑に負けない」を持ち合わせます。夫婦やカップル、ビジネスパートナーなど、幅広い人へのプレゼントに最適です。
まとめ
デンドロビウムの花言葉について、品種別、色別でそれぞれご紹介しました。デンドロビウムは、花もちがよく色鮮やかな植物で、お店の飾りつけや冠婚葬祭でも使われています。「わがままな美人」の花言葉を持ち合わせているため、プレゼントをする際は注意が必要です。しかし、品種や色によって花言葉もかわってきます。プレゼントする相手に合わせて種類や色を選んで、贈ってみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC