ガマズミとは?
ガマズミの基本情報
名前 | ガマズミ 莢蒾 |
学名 | Viburnum dilatatum |
分類 | スイカズラ科ガマズミ属 |
分布 | 日本・朝鮮半島・中国 |
日本の四季を彩るガマズミ
ガマズミは「万葉集」にも登場し、古い時代には染物の染料としても使われていました。特にその赤い実は見るものを引きつける美しさがあります。現在でも公園や家庭の庭に植えられていたり、野山などの山岳地帯にも生息していたりするとても身近な樹木です。ガマズミは落葉低木のため、冬にはその葉を落としてしまいますが、季節によってその花や実が徐々に変化していくことが魅力のひとつでもあります。また、地方名では「ヨソゾメ」「ヨツヅミ」と呼ばれていることもあり、日本の各地で愛されている樹木です。
ガマズミの名前の由来
名前の由来は中国から
ガマズミの名前の由来は、中国名の「莢蒾」キョウメイがカメという発音からガマへと変化し、そこに酸っぱい実という意味のズミという言葉が加わりガマズミという名前になったのではないかと言われています。また、古い時代にガマズミの果実で衣類を染めたことから染めがなまってズミとなり、ガマズミになったという説もあります。
ガマズミの英名
ガマズミは英名で、Japanese bush cranberryといいます。ガマズミの実はクランベリーの果実に似ているため、原産国の日本と合わてJapanese bush cranberryと呼ばれています。英名からもガマズミの特徴がよく出ており、海外でもガマズミが浸透していることが伺えます。
ガマズミの特徴
ガマズミの実は食べられる?
ガマズミは、8月〜11月頃まで赤い実をつけます。この果実は、酸味が強いのが特徴ですが、霜にあたると甘くなり生食できます。果実は、ひとつの枝に密集して赤い実をつけるため、南天の実などと誤解されやすいですが、光沢のある実は卵状の楕円形をしており直径は8mmほどで南天の実に比べ、やや小ぶりです。また、水分を多く含み中に種がひとつ入っています。甘酸っぱく水分も多く含まれることから果実酒として利用されることもあります。
ガマズミの葉
ガマズミの葉は単葉で6〜14mmほどの大きさがあり、その葉の形は卵形や円形です。葉は幅が広く花に沿って向かい合うように生え、両面に細かな毛がついているのが特徴です。葉の縁には鋸歯(きょし)と呼ばれる浅いギザギザがついています。
庭木としてのガマズミ
ガマズミは、庭木としても育てやすく日本でも多くの家庭で栽培されています。日当たりの良い場所でよく育ち、栽培する手間もかからないため育てるのが初めてという方でも簡単に栽培することができます。夏など日差しが強い場合や乾燥が酷い場合には、たっぷりと水をあげるとよいでしょう。また、細かい枝は風通しが良くなるよう剪定することが望ましいです。
ガマズミの花
ガマズミは、枝に密集して花をつけるという特徴があります。これは、散房花序と呼ばれ、アジサイの花のように上部が平らになり下部の花ほど枝が長くなっています。この枝に密集して咲いたガマズミの花は白く5mmほどの小さな花が集まることによって形成されています。また、5本の雄しべが突き出ており、5枚の花弁を持っていることが特徴です。開花時には独特な花の香りが感じられます。
開花時期
ガマズミの開花時期は5〜6月の初夏にかけてです。ガマズミの樹は2〜4mほどの落葉低木なので、野山や山岳地帯でも比較的発見しやすいです。また、庭木として植樹されている場合は、庭の塀隠しとして使用されている場合が多いので、夏になれば白く可愛い花の開花を間近で見ることも可能でしょう。
ガマズミの花言葉
実は誤解?少し怖い花言葉
ガマズミの花言葉には「結合」「私を無視しないで」「愛は強し」「恋の焦り」があります。どれも愛に由来した花言葉です。特に「私を無視しないで」「恋の焦り」は、上手くいかない恋こころを物憂げに語っているようにも感じます。この花言葉を知ると少し怖いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ただ怖いというわけではありません。「結合」「愛は強し」の花言葉からは、恋人や夫婦の絆も感じられます。ガマズミをプレゼントとして贈る際には、贈る相手を考慮して誤解を招かないようお気をつけください。
季節を感じさせる誕生花
ガマズミは、6月22日、11月24日の誕生花です。ガマズミの花が咲く6月とガマズミの実が色づく11月にぴったりの誕生花です。贈り物で花束を贈る際にアクセントしてガマズミの花や実を添えるのも素敵です。誕生花を気にしたことがなかったという方でも、日常のエッセンスとして誕生花を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
終わりに
ガマズミは日本の四季を彩る樹木として古い時代から愛されてきました。愛の花言葉や誕生花として贈り物にしたり、果実酒として楽しんだりと様々な楽しみ方ができるので、是非、四季の移り変わりともに変化するガマズミの姿を探してみてください。