ラベンダーの概要
ラベンダーはシソ科ラバンデュラ属の常緑性低木です。地中海沿岸が原産で、さまざまな種類があります。一般的にラベンダーの開花の時期は4月~7月です。かたやデンタータ系のように四季咲きで11月~12月も楽しめる種類もあります。ラベンダーは観賞用だけでなく香りとしてのハーブに効果や効能があることが知られています。
基本情報
学名 | Lavandula |
園芸部類 | 草花、ハーブ |
科名・属名 | シソ科/ラバンデュラ属・常緑性低木 |
開花の時期 | 4月~7月(四季咲き性の系統もあり) |
原産地 | 地中海沿岸 |
花の色 | 紫、白、ピンク |
耐寒性・耐暑性 | 系統によって異なる |
特性 | 常緑性、香りがある |
名前の由来
ラベンダー(英名:Lavender)の名前は、ラテン語の「Lavare(日本語の意味:洗う、洗浄)」が由来という説があります。古代ローマ時代、ラベンダーは入浴剤や衣服の香りづけとして利用されていました。ほかにもラテン語で色を意味するLiveo(日本語の意味:青みがかった鉛色)が由来など諸説あります。
有名な生産地
海外ではフランス、南プロバンス地方、イギリスなどの生産地が有名です。特にプロバンス地方のラベンダーは南フランスの代名詞といってよいほど名高く、初夏の見頃には世界中から観光客が訪れるスポットです。日本では北海道の富良野地方が有名でしょう。北海道の夏を代表する景色として広大な一面紫色のラベンダー畑は、一度は訪れてみたいといわれる絶景スポットです。
ラベンダーの花言葉とは
花言葉①清潔
1つ目の花言葉は「清潔」です。ラベンダーの名前が古代ローマの「洗う」という行為に由来するため名付けられました。ラベンダーは暮らしの中でもさまざまな楽しみ方や利用方法があります。清潔や洗うことに関係したものとして、ラベンダー石けんや入浴剤などは有名です。ラベンダーのバスセットは花言葉とマッチし、ギフトにもぴったりです。
花言葉②あなたを待っています
「あなたを待っています」は、ヨーロッパの逸話が由来の花言葉です。ラベンダーという少女が恋し、待ち続けて一輪の花になってしまったというせつない恋の話です。ひたむきで控えめな少女は、ラベンダーのやさしくかれんな姿にも少し重なります。旅立つ恋人や友人、単身赴任や留学する家族など、親しい人へのギフトに花言葉を添えて贈るのもよいでしょう。
花言葉③期待
「期待」という花言葉は「あなたを待っています」という花言葉から派生したフレーズです。ポジティブな花言葉はギフトにも最適です。就職祝い、入学祝いなどこれからがんばる人に期待をこめて、花言葉とともにエールを送るのもよいでしょう。鉢植えやアレンジメントのほかドライフラワー、ハーブティーなどのプレゼントもおすすめです。
花言葉④繊細
「繊細」はラベンダーの効力に由来した花言葉です。ラベンダーは皮膚の炎症を抑えて皮膚の修復に効果的であることから、肌にやさしいという側面があります。そんなやさしさから繊細という花言葉が付けられました。ラベンダーは、肌の再生やメラニンの生成の抑制など美肌づくりにも効果が期待できます。
花言葉⑤優美
ラベンダーはハーブの女王の異名を持ち、よい香りを放つのが特徴です。その香りが癒やしを与えることから「優美」の花言葉がつきました。ラベンダーはリラックス効果にも優れ、部屋に1鉢あれば香りが部屋中にあふれアロマ効果抜群です。エッセンシャルオイルを使って行うアロマテラピーで、ストレス・肩こりなどの軽減や安眠効果が実感できるでしょう。
ラベンダーの花言葉には怖い意味もある?
怖い花言葉①沈黙
ラベンダーの花言葉には、少し怖い意味に聞こえる花言葉もあります。そのうちのひとつ「沈黙」は、ラベンダーのハーブの鎮静効果からきています。ラベンダーのハーブの香りはリラックス・精神安定効果があり、とてもやすらぎ落ち着くため、沈黙という言葉がふさわしかったのでしょう。
怖い花言葉②疑惑・不信
怖く聞こえる花言葉の2つ目は「疑惑」です。「ラベンダーはなぜこんなにも強く香り立つのか?」という疑問から「疑惑」という花言葉が生まれました。また、毒蛇がラベンダーを好むため、ラベンダーのある場所には毒蛇が隠れているかもしれないから疑ってかかれという言い伝えを由来とする説もあります。「不信」は「疑惑」と同じ意味からつけられました。
毒蛇と関係が深いラベンダー
フランスのアルプス地方では、毒蛇にかまれたらラベンダーをすりつけて応急処置することもあるといわれます。古くからラベンダーは毒蛇にかまれたときの民間治療薬として使用されてきました。抗炎症作用などから傷の治療を早め、かすり傷程度ならラベンダーは痛みだけでなく傷跡も残りにくいという驚くべき修復力作用があるといわれます。
ボタニ子
毒蛇にかまれたときだけでなく、けがをしたときにも用いられてきたそうよ!
ラベンダーの色別花言葉(ピンク・白など)
ラベンダーの色別花言葉は特にない
ラベンダーには色別の花言葉はとくにありません。ピンクも白も青紫も紫もすべて同じ花言葉です。ラベンダーをプレゼントするときは特に色を気にする必要はないため、比較的自由度が高いですね。渡す相手の雰囲気や好み、あるいは贈るシーンに応じて選べます。生花だけでなく香りもよいため、ポプリ・ドライフラワー・アロマキャンドルなどもおしゃれでおすすめです。
ラベンダーの主な系統
ラベンダーには多くの系統がありますが、流通量が多く有名なものとしては5つです。ラベンダーは系統によって花姿、開花の時期、耐暑性、耐寒性などが大きく違います。特徴や性質などをチェックしておくと、ギフトに贈る際に好みのラベンダーを選びやすいかもしれませんね。
系統①アングスティフォリア系
アングスティフォリア系はラベンダーの代表的種類であり、「イングリッシュラベンダー」「真生ラベンダー」「トゥルーラベンダー」「コモンラベンダー」の呼び名がついています。地中海沿岸地方原産で、乾燥した気候を好み寒さに強い反面、高温多湿に弱い品種です。花の色はあざやかな紫色と甘いよい香りが特徴で、ラベンダーの中でも優秀な品種といわれています。
系統②ラバンディン系
ラバンディンはアングスティフォリアとスパイクラベンダーの交配種をもとにした系統です。大株で成長も早く、花穂も大きく茎もしっかりして花の色も見事です。アングスティフォリア系よりたくさんの精油がとれることと、スパイクラベンダーから受け継いだカンファー(樟脳:しょうのう)の強い香りが特徴に挙げられます。高温多湿に強く耐寒性もあるため日本でも育てやすい品種です。
系統③ストエカス系
ストエカス系のラベンダーは花穂の上部がうさぎの耳に似た形が特色で、「フレンチラベンダー」「ストエカスラベンダー」「スパニッシュラベンダー」などの呼び名がついています。香りはあまり強くありませんが、かわいらしい形のため観賞用に向いています。耐暑性もあり、関東より西の温暖な地域でも栽培が可能です。
系統④デンタータ系
デンタータ系のラベンダーは「キレハラベンダー」「フリンジラベンダー」と呼ばれます。ラテン語でデンタータは「葉のような」という意味で、葉の形がギザギザしているのが特徴です。香りはやや弱めですが、花の香りよりどちらかというと葉の香りのほうが強めです。四季咲きで、香りと観賞用両方、長く楽しめるのが魅力といえます。
系統⑤プテロストエカス系
プテロストエカス系は「レースラベンダー」「ファーンラベンダー」の名で流通しています。多くは葉に細かな切れ込みがあり、細く繊細な柔毛が生えているものもあります。四季咲きで年中花を咲かせますが、香りはとても弱くハーブとして楽しむには不向きです。レースのような美しい葉が魅力的で、鑑賞用として楽しむタイプのラベンダーです。
ラベンダーの花言葉は意味を知れば怖くない!
ラベンダーの花言葉は、聞くと一瞬怖い響きの言葉も含まれていますが、意味を知れば決して怖くはありません。「清潔」「期待」「優美」などポジティブな花言葉もあるラベンダーは種類も多く、選ぶ楽しみもあります。ラベンダーの生花だけでなく、アロマオイルやドライフラワーのギフトなどを、すてきな花言葉を添えて贈ってみてはいかがでしょうか。
ボタニ子
ラベンダーが誕生花になっている日は7月5日、7月10日、12月3日なの。誕生日のお祝いにもおすすめよ!
出典:写真AC