ほおずきの概要
ほおずきはナス科の植物で、オレンジ色の部分は花を支えていた咢(がく)が発達したものです。現代の九州で「フウ」と呼ばれ、古くは「ホウ」「ホホ」といわれたカメムシがよく寄生することから、「ホウ好き」「ホホ付き」の名がついたという説があります。漢字では「鬼灯」「鬼橙」「酸漿(さんしょう)」などと書かれます。
ボタニ子
ボタ爺
諸説あるんだの。
基本情報
学名 | Physalis alkekengi var.franchetii |
科属 | ナス科ホオズキ属 |
形態 | 一年草、多年草(種類による) |
分布 | 日本、アジア、ヨーロッパ、アメリカ |
原産 | 東アジア(諸説あり) |
草丈 | 10cm~80cm |
花期 | 6月~7月 |
花色 | 白、黄色、紫色 |
英名 | winter cherry、chinese latemplant、ground cherry |
別名 | 如加豆支(ぬかづき)、輝血(かがち)、赤輝血 |
漢字 | 鬼灯、鬼橙、酸漿(ほおずき、または、さんしょう) |
ボタニ子
英名には、busk tomatoっていうのもあるわ。殻(から)つきトマトっていう意味よ。
ボタ爺
「赤輝血」はアカカガチと読むんだぞ。島根県に伝わるヤマタノオロチの赤い目のようだ、という意味だの。
ほおずきの花言葉【日本編】
ほおずきの花言葉は多く、ポジティブととらえられるものや、怖いイメージの意味を持つものもあります。また、花言葉の由来も諸説あり、豊富です。あまり食用に適さない日本のほおずきと、食用が多い西洋のほおずきの特徴の違いも、花言葉の由来の違いになるようです。ほおずきを誰かにプレゼントする前に、花言葉や由来を知っておきましょう。
花言葉①心の平安
ほおずきには毒がありますが、薬として使われてきました。痛風の鎮痛剤や解熱剤、咳止めの薬として民間療法で使われてきた歴史があります。また、現代でも喘息や腎臓病、黄疸などの治療薬に、ほおずきと同じ成分が利用されているようです。辛かった症状がほおずきのおかげで楽になり、心が平安になったということが花言葉の由来です。
ボタニ子
あくまでも民間療法だから、市販されている観賞用のほおずきを食べちゃだめよ。
ボタ爺
食用のほおずきは、甘くて美味しいらしいぞ。美味しいものを食べることも、心の平安の一つだの。
花言葉②不思議・自然美
「不思議」「自然美」は、ほおずきの形に由来した花言葉です。不思議な形をしている、自然が作った美しいものだというのが花言葉の由来です。ほおずきは個性的な実のなり方をします。ほおずきの袋の部分は発達した咢で、中に空洞があり、小さい実が1つだけ咢の付け根についています。自然の造形美を感じた人も多かったのでしょう。
花言葉③半信半疑
ほおずきには毒がありますが、薬にもなる植物です。痛みや咳をやわらげたり、感染症にも効果を発揮する成分が含まれたりしています。しかし、あくまでも毒草のため専門家が扱わなければ、体調を崩すこともあるでしょう。薬なのか毒なのか、どちらなのかわからないという半信半疑な気持ちになるというのが、この花言葉の由来です。
花言葉④私を誘って・私を誘惑して
ほおずきには、カメムシがよく寄生します。ほおずきには誘っているつもりがなくても、カメムシには、ほおずきの魅力に誘われているようなものだったのでしょう。また、自分からデートに誘えない乙女が「誘ってほしい」と初々しく頬を染めている様子が、ほおずきのオレンジ色のようだという由来もあります。
花言葉⑤裏切り・不貞・浮気
ほおずきの毒成分はソラニンというアルカロイド系のもので、摂取すると嘔吐、腹痛、頭痛などの症状が発現します。そのほかに、子宮を収縮させるヒスタミンという毒物も含まれます。江戸時代には堕胎薬として使われた歴史がありました。浮気をして相手の子を妊娠した女性が、ひそかに堕胎するのに使用したことが花言葉の由来です。
ほおずきの花言葉【西洋編】
花言葉①ごまかし
西洋のほおずきの花言葉は「ごまかし(deception)」です。オレンジ色の皮の中には、実がぎっしりと詰まっているように見えます。しかし、開けて見ると中には小さな丸い実がたった一つあるだけです。「なんだ、これっぽっちしか食べられない」「期待外れだ、だまされた」という気持ちが花言葉の由来といわれています。
花言葉②偽り・欺瞞(ぎまん)
西洋の花言葉の「ごまかし」に似ているものに、「偽り」「欺瞞(ぎまん)」もあります。欺瞞とは人をあざむいてだますという意味があります。咢の大きさと小さい可食部分のギャップからつけられた花言葉です。ほおずきに偽るつもりはなくても、人間側が過度に期待してしまったのでしょう。
子どもが実の中身をとり、皮を膨らませて音を鳴らして遊んだの。頬が膨らむから「頬付き」「頬突き」が由来ともいわれているわ。