ハマヒルガオとは
- 分類:ヒルガオ科ヒルガオ属
- 学名:Calystegia soldanella
- 分布:北海道から沖縄まで。海外でも広く分布
- つる性多年草
- 種子植物
- 開花時期:5月~6月
- 花色:白~うすいピンク
- 生育地:海岸の砂浜や川・湖の岸
ハマヒルガオの特徴
他のヒルガオ科の種類はつる植物ですが、ハマヒルガオは匍匐性(ほふくせい)植物です。匍匐性というのは、茎や枝が、地面を這うように伸びていく性質のことを指します。そんな、ハマヒルガオについて詳しくみていきましょう。
なお、同じヒルガオ科の中でも「グンバイヒルガオ」が「ハマヒルガオ」より亜熱帯や熱帯では多く群生し、外来種の「コマツヨイグサ」の増加と共に、「ハマヒルガオ」はかなり減少してきています。
ハマヒルガオの名前の由来
ハマヒルガオの名前「Calystegia」はギリシャ語の「calyx(がく)」と「stege(ふた)」からとられていて、2枚の大きな苞葉ががくを覆っているようすをあらわしています。また「soldanella」は「小さい貨幣」という意味です。こちらは葉の形から取られたのかと想像できます。
ハマヒルガオの生育の特徴
ハマヒルガオの茎は毛がなく滑らかです。そして地上にも砂の下にも茎を伸ばして増えていきます。種で増えるよりもハマヒルガオは白い地下茎を伸ばして大きくなっていくので、砂の上に葉だけ出ていることもよくあります。また地上に出た茎は何かに巻きついたりしながら、地上にも這うように茎を広げていきます。
ハマヒルガオの花の特徴
アサガオやユウガオと似た花が咲きますが、ハマヒルガオの開花時期は夏ではなく初夏の頃です。浜辺に群生していて5月~6月に見ごろを迎えます。また、花は花径4〜5cmで、漏斗(ろうと)のような形をしており、色は白から淡紅色(たんこうしょく)で白いすじが5本あり、葉の脇から長い柄を出して1つずつ咲きます。また花冠(かかん)はよく見ると浅く、5つに裂けています。幅の広い卵のような形の2枚の苞が5枚のがく片を包んでいます。そして、おしべは5本あり、めしべは1本あります。
ハマヒルガオの葉の特徴
緑のしっかりした葉が、茎から互生(互い違い)に生えます。生息地が浜辺のため、海水に含まれる塩分から守り、また水分の蒸発を防ぎしっかり水分保持できるように、葉は肉厚でつややかです。葉の形はハート形で、付け根がは深い心形で、先端がとがっています。大きさは長さが2〜4cm、幅が3〜5cmぐらいで、あまり大きくはありません。
ハマヒルガオの実の特徴
小さい昆虫たちの働きにより受粉し、多くの実をつけます。ハマヒルガオの実はさく果とよばれる実で、熟すと下部が裂けて種子が落ちるようになっています。熟し種子は黒く、アサガオの種子と似ています。
ハマヒルガオとアサガオ、ヒルガオの違い
初夏の頃、午前中に道端に咲いている花を見てもアサガオかヒルガオかハマヒルガオかわかりませんよね?それらの見分け方はあるのでしょうか。
アサガオとヒルガオの違い
まず、アサガオは朝早くから咲き始めお昼頃にはつぼみます。近年よく見かけるようになった西洋アサガオは夕方まで咲きますが、基本午前中だけです。ヒルガオは朝から夕方まで咲きます。また1年草で結実しやすいのはアサガオです。ヒルガオは茎を伸ばして増えていく多年草です。葉っぱもアサガオは毛の生えたM字型、ヒルガオはスペード型で毛は生えてないのです。
ヒルガオとハマヒルガオとの違い
花の形はよく似ていますが、葉っぱの形が違います。ヒルガオはスペード型で細長く、ハマヒルガオはハート型でどちらかと言うと小さくて丸い形をしています。また、茎もヒルガオは地上を這いますが、ハマヒルガオは地下でも茎を伸ばすことが出来ます。
写真:ハマヒルガオ