春に咲き誇るツツジ
季節を彩る代表的な花
春、庭や公園、道路の植え込みなどでツツジは咲き誇ります。大ぶりで色鮮やかな花は道行く人の目を引くでしょう。見事なツツジで観光客を呼び込む庭園や施設も少なくありません。春の季節の代表格の花といっても過言ではありません。
ボタニ子
4月~5月、ゴールデンウイークに満開になるところも多く、つつじ祭りなどを開催する地域も多くあるよ!
基本情報
名前 | ツツジ(躑躅) |
学名 | Rhododendron |
分類 | ツツジ科・ツツジ属 |
花の色 | 赤、白、ピンク、紫、複色 |
開花時期 | 4月中旬~5月中旬 |
特徴
ツツジは先端が分裂した漏斗型の花が特徴で、花の蜜は甘く、子供のころに吸ったことがある人も多いでしょう。花色は赤や白、ピンクが多いですが、近年では複数の色が混ざったツツジも見かけられます。丈夫でガーデニング初心者でも比較的育てやすく、庭木や生垣だけでなく鉢植えでも栽培可能です。
ボタニ子
ツツジの仲間には毒がある種類もあるの。見分けなれなかったら蜜を吸うのは避けたほうが安心かもしれないね…!
名前の由来
ツツジの名前の由来には、花が連なって咲く様子の「続き咲き木」から来たという説と、花が筒状というところから来たとする説があります。また、漢字で書く「躑躅」の読み方は「てきちょく」です。「躑躅(てきちょく)」には「行っては止まる」という意味があり、その美しさから人の足を止めるため「躑躅」の漢字がついたともいわれています
ボタ爺
ツツジの色には目が覚めるような鮮やかさがあるな。思わず足が止まってしまうのもうなずけるじゃろう。
ツツジの花言葉【全般】
ツツジ全体につけられた花言葉は「節度」「慎み」です。色鮮やかなで目立ちやすいツツジですが日本的な美しさをもっており、そこから慎み深さを連想されたのかもしれません。
ツツジの花言葉【色別】
ツツジには色別の花言葉がつけられています。立ち止まって眺めるときに、なぜこのような花言葉がついたのかを考えてみるのも面白いですね。
赤のツツジの花言葉
赤いツツジの花言葉は「恋の喜び」です。全体が赤くなるほど真っ赤に咲き誇る様子が、情熱的な恋を連想させることからついたといわれています。「恋焦がれる」というイメージにふさわしい花言葉ですね。
ボタニ子
赤いツツジの色、本当に燃え上がるみたいに目が覚める赤色なんだよね!
ピンクのツツジの花言葉
可憐なピンクのツツジの花言葉は「愛の喜び」です。柔らかく色づく花弁は、愛を知った喜びを表現しているように見えますね。情熱的というよりも、より深い愛情を伝えているのかもしれません。
白のツツジの花言葉
白いツツジの花言葉は「初恋」です。白という色から連想される「清純さ」や「純白」というイメージが由来といわれています。何にも染まっていない初々しさを表しているようですね。
紫のツツジの花言葉
紫のツツジの花言葉は「美しい人」です。古来、紫色は高貴な色とされていることから「気高い=美しい」というイメージでつけられたと考えられています。落ち着いた色味は、花言葉どおり美しさを感じさせるでしょう。
ツツジの花言葉【種類別】
ツツジには種類がたくさんあります。また名前にツツジはついていませんが、仲間とされる植物も多く、それぞれ違う花言葉を持っていますよ。花の違いや特徴と一緒に、花言葉を見ていきましょう。
キリシマツツジ
キリシマツツジは4月~5月に一斉に開花し、満開時は葉が見えなくなるほど全体が真っ赤に色づきます。公園や住宅の生け垣などで好んで使用されており、見かけることも多いでしょう。京都の長岡天満宮がキリシマツツジの名所です。
キリシマツツジの花言葉
キリシマツツジの花言葉は、「燃え上がる愛」です。木や葉が見えなくなるほど真っ赤に咲く花の、情熱的な咲き方からつけられたといわれています。満開時の様子を見れば納得できる花言葉でしょう。
ドウダンツツジ
ドウダンツツジは、白い壺のような形をしたかわいらしい小花が特徴です。春に咲かせ、秋には紅葉を見せてくれます。漢字表記は「灯台躑躅」や「満天星躑躅」で、枝分かれして咲く姿が「結び灯台」と呼ばれる灯台の足部分に似ていることが転じたとされています。
ドウダンツツジの花言葉
ドウダンツツジの花言葉は「上品」と「節制」です。白い壺の形をした花の咲き姿が由来とされています。「節制」は控えめに咲く様子をよく表している花言葉といえますね。
ヤマツツジ
ヤマツツジは漢字で「山躑躅」と書き、山野に生息することからこの名前がついています。5cmほどの朱色もしくは紅色の花をつけます。5枚に分かれた裂片のうち、一番上の花びらに黒い斑点があるのが特徴です。日本全国の山地でよく見られるツツジです。
ヤマツツジの花言葉
ヤマツツジの花言葉は「燃える思い」や「努力」や「訓練」です。「燃える思い」は花色が由来と考えられますが、「努力」「訓練」の由来ははっきりとわかっていません。
ボタニ子
花言葉で「訓練」というのも珍しいね!なぜこういった面白い花言葉がついたんだろう?
ミツバツツジ
ミツバツツジは、花が咲き終わった後に枝先に3枚の葉をつけるという特徴からその名がつけられました。4月~5月ごろに紅紫色のきれいな花をつけます。種類も多く、近縁種をまとめてミツバツツジと呼ぶこともあります。
ミツバツツジの花言葉
ミツバツツジの花言葉は「節制」「抑制のきいた生活」です。尾根や岩場などの厳しい環境を好んで咲く性質が由来とされています。
ボタニ子
「抑制のきいた生活」も花言葉らしくない感じ!栽培環境からつけられる花言葉もあるんだね。
ヤシオツツジ
アカヤシオやシロヤシオ、ムラサキヤシオツツジなどを総称してヤシオツツジといいます。それぞれ特徴による別名があり、アカヤシオは「アカギツツジ(赤城躑躅)」、シロヤシオは「ゴヨウツツジ(五葉躑躅)」、ムラサキヤシオは「ミヤマツツジ(深山躑躅)」と呼ばれています。山地に自生しており、開花時期は5~6月です。
ヤツオツツジの花言葉
ヤシオツツジ全体の花言葉は「愛の喜び」「情熱」です。色による違いもあり、アカヤシオは「柔らかなまなざし」、シロヤシオは「上品」、ムラサキヤシオは「優美」「貴婦人」という花言葉を持っています。
西洋ツツジ(アザレア)
西洋ツツジは、和名をアザレアといいます。ツツジとは違い大輪の八重咲きの花を咲かせ、花弁の周りが縮れたようになっている点が特徴です。花の色には、白や赤・ピンクなどがあります。
西洋ツツジの花言葉
アザレアの花言葉は「節制」「禁酒」「恋の喜び」です。アザレアがラテン語で「乾燥」を意味することから、「節制」や「禁酒」という花言葉がついたといわれています。また白色のアザレアは「あなたに愛されて幸せ」、赤色のアザレアは「節制」、ピンク色のアザレアは「青春の喜び」と色によって違いがあります。
シャクナゲ
シャクナゲは「石楠花」と書き、4月~5月に花を咲かせます。大きめの花が房状になって咲くのが特徴です。葉には厚みと光沢があり、常緑植物で冬も枯れることはありません。
シャクナゲの花言葉
シャクナゲの花言葉は「威厳」「荘厳」です。先端に花が集まって咲く様子から「花木の女王」とも呼ばれており、咲き姿が由来といわれています。また葉や茎に毒性があることから「危険」という花言葉もあります。
サツキ(皐月)
ツツジとサツキは花の形がとてもよく似ていますが、サツキのほうが全体的に葉も花も小さめです。また、サツキの葉は硬めで光沢があります。開花時期はサツキの名前にもあるように4月~5月で、ツツジより少し遅めの開花です。
サツキの花言葉
サツキの花言葉は「節制」です。サツキが、山奥の岩肌などの厳しい環境を好むことからつけられたといわれています。
ツツジを観賞しに出かけてみよう!
ツツジは、色や種類によってさまざまな花言葉があります。素敵な花言葉が多く、鉢植えのプレゼントにも適しています。それぞれの色が持つ花言葉をうまく利用して、大切な人にプレゼントするのもおすすめです。春の陽気に誘われて、咲き誇るツツジを観賞しに行ってみましょう。
出典:写真AC