真冬にも植え付けられる野菜はある
新たな年の始まりを迎え、ますます寒さが厳しくなる1月は、家庭菜園もさびしくなりがちです。この時期は、秋に植えた野菜の収穫や、春に向けて道具の管理・家庭菜園の準備などをしながら過ごす方も多いでしょう。しかし、年明けから植え付けられる、寒さに強い野菜はあります。種類や育て方のコツを知って、新年最初の寒さに負けない野菜作りに挑戦しましょう。
真冬の寒さに負けない野菜①ほうれん草
ほうれん草はお味噌汁や胡麻和えなど、日本の食卓ではなじみの深い野菜です。品種の改良が進んだことにより、スーパーなどでは一年中手に入りますが、じつは冬に旬を迎える野菜です。夏に収穫したものと比べると栄養素が高まり、甘くおいしくなることが知られています。秋以降の種まきは管理も簡単で、冬の家庭菜園には頼もしい存在です。
ほうれん草栽培の概要
植え付け(種まき) | 10月上旬~2月下旬 |
収穫 | 11月下旬~4月中旬 |
収穫の目安 | 株の大きさが25cm前後 |
プランター栽培で管理も簡単
ほうれん草は露地栽培、プランター栽培のどちらも可能ですが、真冬の寒さで管理に不安がある場合は、手軽にできるプランター栽培がおすすめです。野菜用培養土を使えば土の準備も簡単です。プランターで育てる場合、夜でも明るい場所に置くと、日が長くなったと勘違いして花を咲かせる「とう立ち」という現象が起きるため、置き場所に注意しましょう。
育て方のポイント
ポイント①寒さに強い品種を選ぶ
ほうれん草の種は、大きく春まきと秋まきの2種類に分かれます。秋まき品種は、通常11月中には種まきを終えるものが多いため、そのなかでも特に寒さに強い品種を選びましょう。1月の種まきに適したもには「冬ごのみ」「トライ」などの品種があります。寒さにあたると甘みが増し、おいしく食べられますよ。
ポイント②適度な温度・湿度を保つ
ほうれん草は寒さに強い野菜ですが、芽が出るまでは適度な温度と水分が必要です。トンネルや不織布で地面の表面をおおうなどして、種まき後の寒さ対策をします。土が乾燥している場合は、あらかじめたっぷり水をまいて地面を整えましょう。植え付けをした後の水やりは、種が水に浮かない程度が目安です。発芽までは、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。
真冬の寒さに負けない野菜②ブロッコリー
ブロッコリーは、サラダやお弁当の彩りにと大活躍する寒さに強い野菜です。栄養素が非常に豊富で、積極的にとりたい野菜のひとつです。春、夏に収穫時期を迎えるブロッコリーですが、種類が多く1月に種をまける品種もあります。保温をしながらじっくりと成長を見守り、植え替え後ぐんと成長を始める春には、害虫対策なども忘れずにしましょう。
ブロッコリー栽培の概要
植え付け | 種まき…1月中旬~2月下旬 植え替え…3月下旬~4月中旬 |
収穫 | 4下旬月~6月上旬 |
収穫の目安 | 花蕾が12cm~14cm |
プランター栽培で管理も簡単
ブロッコリーは株が大きく広がります。広く場所をとれる露地栽培の家庭菜園で育てられることも多いですね。1月の野菜栽培は、気温が低いため、日当たりの確保も大きな課題です。もしも十分な日当たりを確保できない場合は、移動が簡単なプランター栽培がよいでしょう。植え付けできる株数は限られますが、温度管理や害虫対策もしやすくなります。
育て方のポイント
ポイント①寒さに強い品種を選ぶ
ブロッコリーには多くの品種がありますが、1月~2月に植え付けられるものを選びましょう。おすすめの品種は「緑嶺」「おはよう」「ピクセル」などです。ブロッコリーは本来涼しい気候を好む野菜のため、早生種~中早生種を選ぶと本格的な夏の暑さを迎える前に、収穫を終えられます。
ポイント②しっかりとした苗に育てる
1月の寒さに対応するために、育苗ポットに種をまき、しっかりと温度を保って育てましょう。ハウスやビニールトンネルを利用して温度を保ちながら育苗、その後植え替えます。植え替え期は3月下旬~4月中旬ですが、家庭菜園ではまだ地表の温度が低く、その後の発育に影響する場合があります。ポットの状態で、なるべくしっかりとした大きめの苗に育てておくと安心です。
ポイント③春の急激な温度上昇に注意
植え替え後は、温度管理や害虫対策のためにトンネルをしておくと安心です。しかし、春になり気温が急激にあがると、トンネルの中の気温が上がりすぎる心配があります。日中は25℃以下を目安に、換気をしながら温度調整をしましょう。収穫できるサイズになったら、早めに収穫します。
出典:写真AC