真冬の寒さに負けない野菜③やぐらねぎ
通常、長ねぎは4月~5月ごろ先端に「ネギ坊主」ができます。これは小さな花の集まりで、その後種となりますが、やぐらねぎにはこのねぎ坊主ができません。その代わりに、珠芽(しゅが)という小ねぎの株ができます。この珠芽を植え付けると夏に葉ねぎとして収穫でき、親株は11月ごろ太ねぎとして収穫できる、面白いねぎです。積雪地帯では葉ねぎとして作られている地域もあるようですよ。
ボタニ子
親株の上に、小ねぎができて伸びていく姿をやぐらに見立てて「やぐらねぎ」っていうんだね!
ボタ爺
そのとおり!別名「二階ねぎ」「灯台ねぎ」「親子ねぎ」とも呼ばれておるぞ。
やぐらねぎ栽培の概要
植え付け(苗) | 12月~4月 |
収穫 | 4月~11月 |
収穫の目安 | 太ねぎ…最後の土寄せから1ヶ月程度 小ねぎ…葉が伸びればいつでも収穫可能 |
プランター栽培で管理も簡単
やぐらねぎの育て方は、通常の太ねぎ・葉ねぎと同様です。プランターで育てる場合は、土寄せをするため深さのあるものを選びましょう。子株は手で簡単にポロッと取れます。家庭菜園での露地栽培では、自然に落ちて簡単に根付くことも珍しくないようですが、プランターで栽培ではしっかりと植え付けをしたほうが安心です。
育て方のポイント
ポイント①インターネット通販で苗を手に入れる
やぐらねぎは通常は苗で流通していますが、珍しい種類のねぎのため、ほかのねぎに比べると店舗で見かける機会は少ないといえます。しかし、インターネット通販なら安定して苗を購入することが可能です。一度苗が手に入れば子株を植えたり、分けつした親株を植えなおしたりすることで、簡単に増やせます。
冬は休眠する
やぐらねぎは、冬には完全に休眠する性質があります。そのため、植え付けてからしばらくは、成長しなかったり、地上部分が枯れたりします。植え付けに失敗してしまったと思われがちですが、根が張っていればいずれ成長をはじめるため安心してください。気温が上がるまで様子を見ながら、春の訪れを待ちましょう。
ボタニ子
冬に強い野菜だけど…真冬の寒さに私が負けそう…。外でちゃんとお世話できるかなぁ?
ボタ爺
それなら、家の中で育てられる野菜はどうじゃ?寒冷地でも育てられるぞ!
真冬の寒さに負けない野菜④もやし
室内であれば、真冬の寒さも関係ありません。そういった意味では、もやしも真冬の寒さにも負けない野菜です。家にあるものを使って手軽に育てられ、初心者でもチャレンジしやすいですよ。もやしは安価で、いろいろな料理に利用でき食卓に登場する機会も多いですが、傷むのが早いため購入後はできるだけ早く使い切らなければいけません。自分で育てれば、常に新鮮な採れたてもやしを使う分だけ収穫できるのも、うれしいポイントですね。
もやし栽培の概要
植え付け(種まき) | 常時 |
収穫 | 種まきから1週間~10日 |
収穫の目安 | 芽が出た後は好みの長さで |
育て方のポイント
ポイント①専用の種を使う
もやしの種は大豆ですが、もやしとして育てるためにはスプラウト専用の種を使うのが安心です。枝豆・大豆を育てるための種は消毒や、農薬が使われている場合があるため使用は控えましょう。また乾物の大豆を使用しても、うまく成長しない場合がありおすすめできません。
ポイント②とにかく殺菌が大切
もやしの栽培方法は、光にあてず水だけで育てる「瓶中栽培」や「水耕栽培」が手軽で人気です。カビなどからもやしを守り上手に育てるためには、事前の殺菌を怠らないように気をつけましょう。使用する道具の煮沸消毒をしっかりとし、清潔な環境のなかでもやしを発芽させることが成功への第一歩です。
ポイント③水替えと置き場所に注意
もやしの栽培では、毎日の水替えもポイントです。帰省や旅行など、まとまって留守にする予定がある場合は、その日程に重ならないよう無理のない栽培計画を立てましょう。また、栽培を成功させるためには、極端に湿気の多い場所や窓際など光が当たりやすい場所を避けることも大切です。
真冬の寒さに負けない野菜⑤かいわれ大根
かいわれ大根は、スプラウトの仲間のなかでもよく知られた野菜です。その名のとおり開いた2枚貝のようなかわいい葉っぱが特徴です。サラダや主菜の付け合わせとして、鮮やかな緑色が重宝されます。育て方も簡単で、子どものいる家庭ならば、親子で挑戦するのも楽しいでしょう。もやしと一緒に育ててその違いを比べてみるのも面白いかもしれません。食育も兼ねた、立派な室内家庭菜園が楽しめます。
かいわれ大根栽培の概要
植え付け | 常時 |
収穫 | 1週間程度 |
収穫の目安 | 葉の部分が緑色になったら |
育て方のポイント
ポイント①栽培初期は光が当たらないように
種まきから栽培の初期に光を当ててしまうと、かいわれ大根の成長が止まってしまいます。空き箱などで暗所を作りそのなかで育てる、またはアルミホイルで栽培する容器の周りを覆うなどして、光を遮るように工夫します。もやし同様、毎日の水替えも忘れないように気をつけましょう。
ポイント①緑化させて栄養素をアップ
かいわれ大根にはビタミンKやビタミンC、葉酸などが含まれており、じつは栄養素がとても豊富です。成長の最後にしっかりと緑化させることで、栄養素がアップします。元気に伸びてくると早く収穫したくなりがちですが、緑色にしっかり色付くのを待ちましょう。
寒さに強い野菜で家庭菜園を楽しもう!
冬の寒さに強い野菜でも、育て方のポイントを押さえれば、家庭菜園の露地栽培でも育てられます。プランターを利用したベランダ菜園や室内であれば、初心者でも育てやすくなりますよ。ゆっくりと春の訪れを待ちながら、年明けからの野菜作りを楽しみましょう。
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出典:写真AC