ヤシの木の種類
数あるヤシの仲間のなかからポピュラーなものをいくつかご紹介しましょう。種類によって大きさや生態はさまざまですが、どれも私たちに身近な種類です。
ココヤシ
学名 | Cocos nucifera |
分類 | ヤシ科ココヤシ属 |
原産地 | ポリネシア、熱帯アジア |
ヤシの木の代表選手で、大きなものだと30mを超える高さまで成長する大型の種類です。幹はやや斜めに伸びる一本立ちで表面が滑らかです。葉の長さだけでも5mほどあり、スケールの大きな姿がとても魅力的な種類です。
ナツメヤシ
学名 | Phoenix dactylifera |
分類 | ヤシ科ナツメヤシ属 |
原産地 | 北アフリカ、中東 |
ナツメヤシも高さ30mほどになる大型のヤシです。果実はデーツと呼ばれ生のままでも食べることができますが、日本ではドライフルーツとして多く見かけます。デーツはミネラルを豊富に含んだ栄養価の高い果実で、健康効果のほか最近は美容効果にも注目が集まっています。
ギニアアブラヤシ
学名 | Elaeis guineensis |
分類 | ヤシ科アブラヤシ属 |
原産地 | 西アフリカ |
パーム油の原料となるヤシです。アブラヤシ属にはギニアアブラヤシとアメリカアブラヤシの2種類がありますが、現在パーム油をとるためにはおもにギニアアブラヤシが栽培されています。一本立ちで高さは20mほどです。
フェニックス・ロベレニー
学名 | Phoenix roebelenii |
分類 | ヤシ科フェニックス属 |
原産地 | 東南アジア |
最大で高さ5mほどになる種類です。幹が一本立ちするので、手軽に育てられるヤシのなかでは南国ムードの強いヤシです。
アレカヤシ
学名 | Dypsis lutescens |
分類 | ヤシ科クリサリドカルパス属 |
原産地 | マダガスカル |
コガネタケヤシとも呼ばれます。観葉植物として人気のヤシで鉢植えのイメージが強いですが、高さは最大で10mに達します。やわらかい葉と株立ちする幹が竹によく似ています。
テーブルヤシ
学名 | Chamaedorea elegans |
分類 | ヤシ科カマエドレア属 |
原産地 | 中南米 |
大きくても高さが2~3mほどの小型のヤシで、その名前のとおりテーブルに載るくらいのサイズのものが人気です。幹は細くて株立ちします。ある程度日陰でも育つため室内で栽培しやすいヤシです。
ヤシの木の利用
ヤシの木は昔からさまざまな形で人間に利用されてきました。ココヤシがヤシの代表的な種類として知られる理由も、利用価値が高く多くの地域で栽培されたためです。日本では木材としての利用はポピュラーではありませんが、最近はインテリア材などに使われています。ここでは用途別にヤシの木の利用法をご紹介します。
街路樹としての利用
背の高い幹の先端に放射状に葉を広げる独特の樹形から、南国では街路樹として好んで利用されます。南国といえばヤシのイメージが強いのはこのためでしょう。ココヤシのほかカナリーヤシやワシントンヤシなども多く使われます。ハワイではココナッツが落下する危険を防ぐため、花のうちから切り取ってしまう作業をするそうです。
観葉植物としての利用
高さがそれほど伸びない小型のヤシは、手軽に南国の雰囲気を味わえる観葉植物として人気があります。日本ではカンノンチクやシュロチクが江戸時代から栽培されてきたほか、最近はアレカヤシやテーブルヤシなどもポピュラーです。小さな株なら手ごろな値段で入手でき、丈夫で育てやすいので初心者にもおすすめです。
食品としての利用
ココナッツからはココナッツミルクやココナッツオイル、ココナッツシュガーなどが作られます。またアブラヤシからとれるパーム油はアイスクリームやマーガリンに使われます。そのほかスーパーフードとして人気のアサイーはワカバキャベツヤシの果実です。ヤシから作られる食品は栄養価がとても高く、ヤシは人間にとってまさに「健康の木」といえます。
製品の材料としての利用
ココナッツオイルは食品だけでなく化粧品などにも利用されています。そのほかにもヤシの木を原料とする製品は意外なほど多く、ヤシガラ活性炭やシュロの繊維を使ったたわしなどが代表的な例です。またココヤシの繊維はガーデニング材として近年人気が高まっています。このようにヤシの木はさまざまな形で私たちの生活を支えています。
まとめ
ヤシの木は普段私たちが目にする樹木とは一味違った魅力的で有益な植物です。ご紹介した種類のほかにも園芸用に流通しているヤシはたくさんあります。どの種類も基本的に丈夫で育てやすいので、興味を持った方はぜひ栽培にもトライしてみてください。
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