キャラボク(伽羅木)の概要
キャラボク(伽羅木)はイチイ科の常緑性低木です。自生種は本州日本海側の秋田県真昼岳~鳥取県大山に分布しています。特に大山に自生しているキャラボクは「ダイセンキャラボク」と呼ばれ、その群生地は特別天然記念物に指定されている貴重な場所です。名前の由来は、かすかな芳香がある材が、有名な香木「キャラ(伽羅)」に似ていることからきています。
キャラボクの基本データ
学名 | Taxus cuspidata var.nana |
科名 | イチイ科 |
属名 | イチイ属 |
別名 | キャラ(キャラの木)、ハイキャラボク、ダイセンキャラボク |
樹高・草丈 | 1m~3m |
開花期・結実期 | 開花期:3月~5月 結実期:9月~10月 |
用途 | 植木(庭木、公園樹、生垣、垣根、トピアリー) |
イチイの変種
キャラボクは常緑樹イチイの変種です。ゆえに見た目は非常によく似ています。しかし見分け方は簡単です。キャラボクの葉が螺旋状に展開するのに対して、イチイは規則正しく水平に並んでつきます。葉の大きさもイチイのほうが大きいです。樹形の場合、キャラボクは枝分かれが多いため、剪定せず放っておくと樹形が乱れてしまいますが、イチイはほとんど乱れません。
植木としては、イチイが寒冷地向き、キャラボクが暖地向きとされています。キャラボクのほうが耐暑性と耐陰性が高いからです。
それと庭木や生垣として植栽する場合、スペースに限りがあることが多いから、低木種のキャラボクのほうが好まれているんだよ。
イチイは高木種で、成長すれば20mにもなります。ただし成長が遅いため、そこまで育つ木は少ないです。
キャラボクの特徴
特徴①雌雄異株
キャラボクは雌雄異株の植物です。開花時期になると、それぞれの株が淡黄色の雄花、緑色の雌花をつけます。そして初秋に赤い実がなりますが、実をつけるのは雌株だけです。花や葉だけでなく、実も楽しみたい場合、購入するときはきちんと確認しておきましょう。
特徴②実は食べられるが毒がある
イチイの変種であるキャラボクは、イチイの実によく似た赤い実をつけます。イチイの実といえば、果肉は甘く食用になるものの、種に毒があるため、食べる際は注意が必要であることで有名ですね。キャラボクの実も同じです。食用になりますが、種に毒があるので食べる際は気をつけましょう。特に小さなお子様やペットがいる家庭は、誤食しないように注意が必要です。
出典:写真AC