マテバシイはどんな樹木?
マテバシイはブナ科マテバシイ属の常緑高木です。どんぐりをつける樹木の一種で、日本固有種の1つです。さまざまな用途があり長い間人々の生活に寄り添ってきた樹木です。
基本情報
学名 | Lithocarpus edulis |
分類 | ブナ科マテバシイ属の常緑高木 |
別名 | マテバガシ、マタジイなど |
分布 | 九州から南西諸島 |
花期 | 5月~6月 |
名前の由来
和名の由来
マテバシイの名前の由来は「葉っぱがマテガイに似たシイノキである」ことに由来しています。マテガイとは細長い形の殻をもつ貝のことです。この貝の形にマテバシイの葉っぱの形が似ているということです。
学名の由来
マテバシイの学名である「edulis」は、ラテン語の形容詞である「食べられる」という意味が込められています。実際にマテバシイの果実はそのまま食べることができます。
葉っぱの特徴
葉っぱのつきかた・形
マテバシイの葉っぱは、互生です。互生とは、葉っぱが互い違いにつく葉っぱの付き方のひとつで、マテバシイの葉っぱは互生というつきかたになります。主に、枝先にらせん状につくのが特徴です。葉っぱの形は楕円形で、分厚く光沢があり、鋸歯はありません。また、葉っぱの先端はとがり、基部はくさび形をしています。葉っぱの大きさは他のシイの仲間に比べて大きいのも特徴です。
枝先に葉っぱがついているのがわかります。こちらでも互生というのがわかりますね!マテバシイの葉っぱは、互生で枝先につくのがわかりますね!
葉っぱの色や毛の有無
マテバシイの葉っぱの裏面は若干白っぽく、若葉のうちは葉脈にそって毛がはえていますが、この葉脈にそってはえていた毛は次第になくなります。表面も同じで、褐色の毛がはえていますが、次第になくなります。若葉のころは明るい緑色をしており、古い葉っぱになると深い緑色になります。
マテバシイの若葉の色はこんなにも明るいです。
花の特徴
マテバシイの花は、5~6月に樹木を全体に覆うようにして開花を迎えます。雄雌別の花で、10cmほどの黄褐色の花をつけます。雄花雌花ともに花弁はありません。花の匂いはクリの花の匂いに似ています。いい匂いではありません。花序は、新葉の展開とともにつけます。
雄花
雄花序は、新葉の葉腋に垂れ気味の長い花序をつけます。雄花は12本の雄しべがあります。
雌花
雄花より上部の葉腋についているのが雌花です。雌花は上向きにたっています。雌花からは3本の柱頭が突き出しています。まれに、雌花の上部に雄花がつくことも特徴です。
樹皮の特徴
樹皮
マテバシイの樹皮の色は灰黒色をして、滑らかです。基本は、1本の幹が直立しますが、根本から2本の幹に株立ちしているのもあります。大木になると、白い縦筋が目立つ樹皮になります。
樹皮に縦筋があるのがわかりますね!
こちらのマテバシイは2本の幹になっていました。
枝
本年枝は淡緑色をしていて、浅い5本の溝があります。本年枝には毛がはえていますが、この毛は2年目の枝にははえていません。枝の色も灰褐色になり、皮目が目立つようになります。
本年枝です。溝があるのがわかります。
2年目以降は枝の色がまったく異なります。
冬芽の特徴
マテバシイの冬芽は1mm~2mmと小さく、この小ささで冬を越します。春になると急に膨らんできます。マテバシイの冬芽は、頂生側芽になることが多く、全ての頂芽が芽吹くことが多いです。この芽吹いたばかりの葉っぱは、葉っぱの展開と同時にできた花序と色が似ているため、まるで樹木全体が花のようにみえます。
果実の特徴
マテバシイの果実は堅果です。長楕円形で、2年かけて熟します。堅果は白いうろ状のもので全体が覆われているため、白っぽくなっています。殻斗はやや浅い杯型でうろこ模様をしています。堅果のおしりがへこむのも特徴です。1つの花軸にたくさんの雌花をつけるので、堅果も穂状につくのも特徴の一つです。
殻斗だけ、枝についています。
続いては、育て方をご紹介!
葉っぱが互い違いになってますね!これが互生です。