スダジイとはどんな植物?
スダジイはブナ科の植物で、秋になるとどんぐりの実をつけます。北海道を除く日本国内で自生または栽培されている姿が見られます。しかし寒さはあまり得意ではないため、レッドリストに指定している県もあります。
基本情報
科目 | ブナ科シイ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | やや弱い |
開花時期 | 5~6月 |
スダジイの特徴
幹の特徴
再び訪れた阿志都弥神社のスダジイ#写真好きな人と繋がりたい#ファインダー越しの私の世界 #em1mark2 pic.twitter.com/Ck9Wxxqx27
— ピョコ (@pyococyan) September 7, 2019
スダジイは常緑性の高木で、大きいものでは30m近くに成長します。成長していくと木の皮に切れ目が入るのが特徴です。木の表面は固く、潮風に耐えられる性質も持っています。丈夫な木材は、建築資材などにも使われています。
花や葉の特徴
この時期は公園などで独特の匂いがする花が咲いている木を時々見かけますよね。
— みんと (@jasmintsuka) June 3, 2019
スダジイ🌿マテバシイ🌿
同じブナ科、花はよく似ていて、同じ木にそれぞれ雌花と雄花を付けます。花が咲いている時は木全体が黄色く見えるのでよく目立ちます。
3枚目の写真はスダジイです。 pic.twitter.com/Zu2sykmZNp
スダジイは6月頃になると、白または淡い黄色の花を咲かせます。小さな花が密集している姿は、ねこじゃらしやブロッコリーに例えられることがあります。葉は楕円形でギザギザしていますが、葉のギザギザが現れないこともあるのです。葉の表面は鮮やかな緑色、裏面は銀褐色と葉色が違うのも特徴的です。
においはある?
スダジイの開花が始まると、形容しがたい独特なにおいが漂ってきます。栗の花のにおいに似ていますが、それを悪臭だと感じる人もいます。なぜ強烈なにおいなのかというと、そのにおいを利用してさまざまな虫を呼び寄せるためです。スダジイは、においと虫を利用して受粉活動を行う植物です。
実の特徴
花が咲き終わり秋が近づいてくると、どんぐりの実をつけはじめます。どんぐりの実は植え付けた次の年に実るため、どんぐりの採集は1年待たなければなりません。スダジイのどんぐりはアクが少なく、古くは縄文時代から食べるために利用されてきたといわれています。
スダジイの仲間と見分け方
スダジイの仲間には、コジイとオキナワジイがあります。どちらも見た目がよく似ていて、どんぐりをつける共通点があります。ここでは、スジタイと見分けられるようそれぞれの特徴を見ていきましょう。
コジイ
最近、山が黄色いけどなぜ?と聞かれます。これはコジイ(ツブラジイ)が開花したためです。山林の利用が減って、伐られることもなく大きくなったシイの幹が、花を咲かせる齢になったのでしょう。
— 美祢市立秋吉台科学博物館 (@akihaku_amnh) May 8, 2019
木全体にたくさんの花が付くのでまるでカリフラワーですね。 pic.twitter.com/Aee3gq5pdy
コジイはツブラジイとも呼ばれ、淡い黄色の花とギザギザの葉が特徴的です。スダジイよりも寒さに弱く、北海道を除く日本各地の内陸部で多く分布しています。どんぐりは小さな楕円形で、食用になります。
オキナワジイ
イタジイ(オキナワジイ)のドングリがなり始めました(^^♪
— han-zoRQ (@Han_ZoRQ) September 17, 2018
かわええ~
(HP:https://t.co/1IA0v6jcM0) pic.twitter.com/WlTMmw3jD1
オキナワジイは沖縄地方に生息する品種です。スダジイの実は殻の先端が離れているのが特徴的ですが、オキナワジイは殻の先端がつながっています。このことから、スダジイとオキナワジイは別物だと区別されています。沖縄ではスダジイとオキナワジイ両方ともイタジイと呼ぶこともあるようです。
スダジイの利用方法
古くから日本になじみが深いスダジイは、私たちの生活にいろいろな目的で利用されてきました。スダジイには、どのような利用方法があるのでしょうか?どんぐりの食べ方も含めて、スダジイの利用方法を見ていきましょう。
生垣として
背が高く成長することと大きく広がる樹形を利用して、生垣を作る方法があります。塩害に強く、海沿いの町では家を守る囲いとすることもあります。生垣は外からの視界を遮る役割もあるため、上手に活用したいですね。
建築素材として
建築資材として用いられるときはシイの木と総称されます。なかでも大きくて質がよいものは、フローリング資材に使われています。シイの木は成長しても太くなりにくいため、貴重な木材といえるでしょう。ほかにも細かく砕いてスモークチップとして利用されることもあります。
そのほかにも木材は家具作りに利用されることもあるよ。
シイタケの原木として
ジメジメして山の神さまの森にはいろんなきのこが生えてきた。入り口のスダジイの木の下には立派なのが!シイタケかしら。きのこに詳しくなりたいなあ。 pic.twitter.com/2YyxtLYSZ6
— やまやま農園 みかこ (@pocopana) August 16, 2017
スダジイの木材はシイタケを栽培する木としても用いられます。木の表面にいくつかの穴をあけ、シイタケを栽培するための菌を植え付けます。原木シイタケ栽培キットが売られているため、育ててみるのもよいですね。
染物として
ブナ科のどんぐりはいっぱい種類があるよ。
— どんぐり料理研究家/どんぐりキノコ研究所 (@kurousaleon) June 21, 2019
アクの量や質が違うのだろうか?
オレンジ〜ピンク〜マロン〜ブラウンまであります。
ゆえに、染料にすると仕上がりも違ってきます。
異なる媒染でさらに色の展開も広がります。
#博物ふぇすてぃばる pic.twitter.com/pwxzYaeQmt
どんぐりの実を煮たお湯に布を入れることで、染物が楽しめます。昔はこれを、つるばみ染めと呼んでいました。万葉集のなかにも読まれているなど、つるばみ染めは身近なものでした。どんぐりの種類によって染まる色が変わるのも面白い点といえるでしょう。
食用として
スダジイのどんぐり
— まゅ (@mayu3da) November 26, 2019
これ食用なんだって🤔 pic.twitter.com/LwMkAlda2I
スダジイやコジイ、オキナワジイはほかのどんぐりに比べてアクが少なく、食用に用いられてきました。控えめな甘みが特徴で、軽く火を通せば深い味わいが楽しめます。粉末状に砕けば料理の幅も広がりますよ。
どんぐりに栄養はあるの?
どんぐりにはビタミンAやアミノ酸が含まれています。そのほかにもデトックス効果が期待できる成分が含まれていて、栄養価が非常に高いスーパーフードとして注目されています。
次のページからスダジイの育て方を紹介するよ。自家製のどんぐりを楽しんでみよう。
地域によっては、シイの木全体をイタジイと呼ぶところもあるの。