ジャスミンの基本情報
爽やかでほんのりと甘い香気を放つこの花は漢字で「茉莉花」と書きます。小さくかわいい花を咲かせ私たちの心を癒してくれます。
ジャスミンはこんな植物
- モクセイ科ソケイ属
- 香り高い花はお茶や香水・アロマオイルなどに用いられる
- 品種により違いはあるが熱帯や亜熱帯が原産
- 白や黄色い花を咲かせる
- 品種が豊富
- 開花期は品種によりばらつきがある
- 耐寒性が低い
花言葉
ボタニ子
愛らしくて清らかなイメージがあるジャスミンは、どんな花言葉を持っているのかな?
「愛らしい・愛想のいい」という花言葉の他に「優美」や「官能」という花言葉を持ちます。かわいい姿の中にもどこか蠱惑的な魅力を持つこの花にピッタリな花言葉です。また、ジャスミンは、花の色によっても別の花言葉を持っています。
白い花
「温和」と「柔和」です。温かで優しく物柔らかなイメージです。また、それとは正反対に「好色」の花言葉も持っています。
黄色い花
「優美」「上品」「優雅」です。黄色い花の方は、かわいらしさよりも凛とした美しさが際立っています。
ジャスミンの種類
ジャスミンの品種はとても多くて、世界中に数百種類はあるといわれています。ここではその中でも特に名高い「はごろも」「ホワイトプリセス」「マダガスカル」「マツリカ」の4つの種類をご紹介します。
はごろも(ハゴロモジャスミン)
強い香気を放つ白い花を持つ「はごろも」は、長く花の時期が楽しめるのが特徴です。木が低めのつる植物ですので、行灯仕立てにして鉢植えで楽しみます。病気になりにくく育てやすいので初心者にもおすすめです。耐寒性は少し低いですが、日当たりがよく北風の吹きこまない場所になら地植えで栽培できます。
ボタニ子
原産地は中国の雲南省。開花期は4月~5月の間!鉢植えの場合、冬場は室内の日当たりのいい場所に移動させよう!
ホワイトプリンセス
透明感のある純白の花は、まさにホワイトプリンセスを名乗るのにふさわしい可憐さで、香りもよく花付きもいいので人気があります。半つる性で誘引が難しいですが、それを除けば比較的育てやすく初心者向けです。温暖な地域では地植えも可能です。開花期は、5月初旬~10月下旬までで花の時期を長く楽しむことができますよ。
ボタニ子
たっぷりと日の光を当ててあげましょう。育てて3年目以降には、ぐんと増えるのでこまめに剪定してくださいね。
マツリカ
常緑で半つる性の低木です。八重に咲く白い花はぼってりと肉厚で、中国では昔からジャスミンティーやお酒の匂いづけ、漢方薬など幅広い用途で利用され親しまれてきました。また、浄土で香る花とされ、仏教国では特に珍重されています。開花期は7月~9月です。
ボタニ子
マツリカは、花の時期が長いのも特徴だよ。香り高く気品のある花だから贈り物にしても喜ばれるね!
マダガスカルジャスミン
マダガスカル原産で常緑のつる性です。名前も香りもジャスミンによく似ているのでその名前が付けられましたがガガイモ科の別の植物です。暑さへの耐性は低く日当たりのいい場所では枯れてしまいます。日照時間が不足しても枯れやすくなるので鉢植えにしてこまめに移動させるのがおすすめです。開花期は4月~9月です。
ボタニ子
ウエディングブーケにもよく使われます。切ると乳白色の液体がにじみ出てくるのは、ガガイモ科の植物の特徴です。
次のページでは、ジャスミンを育てるポイントを紹介していきます。
ジャスミンを育てる方法とポイント
ボタニ子
日本とは気候の違う熱帯や亜熱帯が原産なので、育てるにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。その方法を見てみましょう。
育て方のポイント①苗の品種選び
育てる方法の1つ目のポイントは苗の品種選びです。ホームセンターや園芸店では苗で売っていますので、育てやすい品種や種類を選びましょう。上でも紹介した「はごろも(ハゴロモジャスミン)」や「ホワイトプリンセス」「マツリカ」「マダガスカルジャスミン」の他にも「オオバナソケイ」や「コモンジャスミン」も育てやすい種類です。
育て方のポイント②土づくり
土づくりも大事なポイントの1つです。水はけのいい中性かアルカリ性寄りの土を作りましょう。培養土を使う場合は、ハーブ用培養土が適しています。自分で配合するのなら赤玉土6:腐葉土4の割合で配合してください。地植えする場合もこの配合の土か培養土を使います。水はけが悪いと枯れる原因になるので注意しましょう。
育て方のポイント③年2回の肥料
育てる方法の3つ目のポイントは、年2回の肥料をあげるタイミングです。春につるを伸ばすので、それ以前の2月~3月に1度目の追肥を行いましょう。2度目は開花の後に行いましょう。開花期は品種によって違いがあるので注意してください。使う肥料は、固形の油粕や緩効性の化成肥料が望ましいです。
育て方のポイント④水やりを欠かさない
水やりも大事なポイントの1つです。乾燥に弱いので、鉢植えの場合は欠かさず水やりを行います。水やりは、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりとあげましょう。地植えの場合は定期的な水やりは必要ありませんが、日差しの強い夏場だけは、毎日水やりをおこなってください。
育て方のポイント⑤年1回の剪定
とても繁殖力の強い植物ですので、年に1度の摘心や剪定が重要なポイントです。主要なつるを残して大胆に剪定してしまいましょう。主要なつるを剪定するさいは、つるを切りすぎないように注意してください。切りすぎると翌年花がつかなくなります。剪定や摘心の時期は花後なるべく早くが望ましいです。
育て方のポイント⑥苗が大きくなったら植え替える
苗の植え替えも大事なポイントです。苗は生育がよく根が張るので、鉢植えで育てるさいは頃合いを見て植え替えをしてあげましょう。大きく育った苗を小さい鉢のまま育てると、水はけが悪くなり枯れる原因になります。
次のページからは詳しい育て方を紹介していきます。
ジャスミンの地植えでの育て方
ボタニ子
冬場でも外気温が2℃以下にならない温暖な地域なら、地植えでも栽培できます。その方法を見てみましょう。
植え付け・植え替え時期
地植えでも鉢植えでも、植え付けや植え替えは寒さが過ぎたころの3月中旬~4月中旬ごろ。または、暑さが過ぎ寒くなる前の9月下旬~10月下旬ごろが最適です。挿し木から育った苗の植え付けも同じ時期に行います。植え付け前には絡まっているつるをしっかりとほぐしてあげ、支柱にしっかりと巻きつけましょう。
ボタニ子
地植えの場合は、一度植え付けをしたらその後植え替えをする必要はないよ!
場所選び
地植えは移動ができないので場所選びは慎重に行いましょう。ジャスミンは日光が好きな植物ですが、夏場の強い日差しを浴び続けると葉が枯れてしまうので半日陰になる場所を選びます。土は水はけや病気予防を考えて、穴を掘り培養土か自分で配合した土を入れて使いましょう。彫る穴の大きさは、深さも幅も根鉢2倍の大きさが目安です。
剪定
鉢植えでの栽培と違って、地植えでの栽培方法は大きく育てることができるので、剪定も数年に一度でかまいません。樹形を整えたい場合などに不要な枝を剪定しましょう。
出典:写真AC