プリペットの特徴
プリペットは、モクセイ科イボタノキ属の常緑樹~半常緑樹の低木です。英名はPrivet(プリベット)と呼ばれ、和名はセイヨウイボタといいます。しなやかな枝に細かい葉が対生し、姿全体が爽やかな印象のため、どんなお庭でもよくなじみます。
学名 | Ligustrum |
和名 | セイヨウイボタ |
英名 | プリペット(Privet プリベット) |
科目 | モクセイ科 イボタノキ属 |
分類 | 常緑樹〜半常緑樹 低木 |
原産地 | 中国、ヨーロッパ |
樹高/幅 | 1.5m〜3m/0.5m〜2m |
開花期 | 5月〜6月 |
花言葉 | くつろぎ |
耐寒性・耐暑性
耐暑性は強ですが、耐寒性はやや弱めです。冬になると半分ほど落葉するため半常緑樹となっていますが、あたたかくなれば新しい葉が芽吹いてきます。寒冷地や植え付けてから2年以内の苗では、全て葉が落ちることがあります。枯れてはいないので、春を待ちます。
プリペットの花と実
プリペットの花は、初夏に4ミリほどの白い花が円錐花序になって咲き、とても良い香りがします。私はハゴロモジャスミンの香りに似ていると感じています。秋には黒い実をつけます。
萌芽力が旺盛
プリペットは、強健で萌芽力が旺盛のため、強く刈り込んで多少剪定に失敗してもすぐに再生します。生垣はもちろんのこと、「トピアリー仕立て」や「玉づくり」にしたりと、お好みの姿に仕立てて楽しむことができます。
プリペットの品種
現在日本で確認できるプリペットの品種を4種類をご紹介いたします。いずれも育てやすく、ホームセンターやオンラインショップで購入が可能です。それぞれ美しい葉色が特徴なので、お好みのカラーリーフでお庭を彩ってみてください。
プリペット(基本種)
原種とあって生長速度も早く強健で、緑一色の葉を茂らせます。早く生垣を作りたい方や、毎年こまめに剪定できる方におすすめです。冬には一部黄葉になったり、銅赤色になったりしてところどころ落葉します。鮮やかなグリーン一色にしたい方におすすめです。
シルバープリペット
ややブルーの葉色に白い斑が入る白覆輪が特徴で美しく、ホワイトガーデンにもおすすめ。冬になると銅赤色になり、一部ハラハラと落葉します。シルバープリペットは、剪定を行わないと「先祖返り」を起こして、白い斑が徐々になくなり緑葉ばかりになります。もし緑葉を見つけたら根本から切りましょう。
プリペット レモンアンドライム
全体は明るく眩しいレモン色で、ライムグリーンの葉にレモン色の斑が入ります。他の種類のプリペットよりも枝がたくさん出て、葉も細かい矮性の新品種です。生育速度もプリペットの中では穏やかで、小さく刈り込んで低い生垣も作ることができます。
プリペット オーレア
緑色の葉にクリーム色の斑が入るのが特徴で、落ち着いた黄金色がとても美しいです。お庭のポイントにも生垣にも最適です。性質はシルバープリペットと同じです。冬は枯れたように葉の色が茶色に変色し落葉しますが、春に新しい葉が芽吹きます。
プリペットの育て方
植える時期
プリペットの植え付けは、3月~6月が適期です。苗木は寒さに弱いので、秋の植え付けは避けたほうが無難です。
植える場所
プリペットは、水はけがよく日当たり良好な場所が大好きです。半日影や暗い場所では、葉が茂らなかったり、徒長枝がでるなどしてスカスカの頼りない株になります。日光がよく当たる場所を選びましょう。カラカラに乾いた場所よりも、ほんのりと湿度があったほうが良いです。
用土
水はけがよい土ならば、どんな用土でも大丈夫です。生垣の場合:掘り上げた土に、腐葉土か堆肥を混ぜ込み植え付け用土を作ります。粘土質などの水はけが悪い場合は土壌改良を行います。鉢植えの場合:鉢底網と鉢底石をしき、一般の培養土もしくは、赤玉土(6)腐葉土(4)の割合の用土に緩効性肥料を入れて植え付けます。
肥料
2月に葉先のすぐ下あたりに穴をほり、油かすや骨粉などの有機質肥料、または緩効性肥料のゆっくり効く肥料を与えましょう。地植えのプリペットはそんなに肥料は必要としないので、ある程度年数が経過したら無肥料でも大丈夫です。鉢植えのプリペットの場合は、植え付け時と、2月と9月に与えましょう。
水やり
晴天が続き、葉先がチリチリになったり、土壌が乾きすぎて固くなるなら水を与えてください。苗木の時期は気をつけて水やりをしましょう。しっかり根付いたあとは、自然の雨だけで大丈夫です。
苗選び
美しく元気に育てるためなら、苗選びも重要です。植え付け後の生育にも大きく関わってくるので、よい苗を見分けるため、以下のポイントをおさえて購入しましょう。
苗選びのポイント
- 苗ポット内の根張が良い
- 幹や枝が太い
- 根本がぐらついていない
プリペットで生垣を作る方法
生垣の植え穴を掘る
生垣を作る場所が決まったら、植え穴を掘っていきます。植え穴の大きさは、苗ポットの大きさの2~3倍の幅と深さになるようにします。一穴ずつ掘るより一列で植え穴を掘ったほうがその後の生育がよいです。掘り起こした土に、腐葉土または堆肥を混ぜ込んで用土を作っておきます。
生垣に植え付け
- 植え付け前に、苗木を30分ほど水につけておき、根鉢を湿らせておく。
- 用土を植え穴へ入れ、苗を40cm間隔で穴に置き、地面と根鉢の高さが同じになるくらいに高さを調整する。
- 高さを揃えたところで、さらに根鉢が2/3ほど隠れるくらいに用土を入れる。水を入れながら棒で苗の周りをつつき、苗がぐらつかないように土をなじませる。
- 植え穴の水が引いたら、残りの土を埋め戻し、足で踏み固める。
- 植え付けた苗の周囲に水鉢を作ってさらに水をたっぷり入れる。
- 苗がぐらついたりするようならば、支柱をたてて株元を安定させる。
- 樹冠を揃えて刈り込む。横に出ている不要枝も切り揃えて完了!
生垣には支柱はあったほうがいいの?
苗が風などで揺られて株元が不安定な状態になると、せっかく張った根が切れてしまい生育に支障がでることがあります。丸太杭に胴縁を紐で固定し、そこへ苗の結びつけます。植えてから根が安定する2年くらいは支柱をたてて固定しておきましょう。
次のページでは、生垣のプリペットの剪定方法などを紹介するよ!