マンリョウとは
ここでは、マンリョウの基本情報から種類・類似植物・ことわざなどの豆知識を詳しくお伝えします。古くから観賞用の植物として人々に愛されてきたマンリョウは、たびたび改良されて種類も豊富です。
基本情報
分類 | ヤブコウジ科ヤブコウジ属 |
形態 | 常緑小低木 |
別名 | アカギ・ヤブタチバナ |
分布 | 日本(関東以西)・朝鮮半島・中国・台湾 |
樹高 | 30cm~1m |
耐暑性 | 普通 |
耐寒性 | 弱め |
難易度 | 育てやすい |
古くから愛される古典園芸植物
マンリョウは、江戸時代から庶民の間で親しまれてきた「古典園芸植物」の一つです。冬の季節になると真っ赤な実をたわわに実らせることから、実をお金に見立ててマンリョウ(万両)と名付けられました。正月の縁起物として床の間に飾られたり、お金を運ぶ木として庭先に植えられたりします。
葉には共生細菌がいる
葉の特徴は光沢があるだ円形で、波打った形をしています。ふくれた部分には窒素を固定する共生細菌が生息しており、細菌からはアンモニアを、マンリョウからはグルコースをお互いに供給しているので、やせた土地でも成長できる大変強い植物です。
マンリョウの種類
江戸時代から愛好家の間で改良が重ねられて、さまざまな形のマンリョウが誕生しました。実や葉の色は千差万別です。ここでは、その中の一部をご紹介します。お好きなマンリョウを探してみてはいかがでしょうか。
宝船
現在鉢植えで売られているマンリョウは、ほとんどがこの種類です。実が大きくたくさん数がつきます。また、とても丈夫で育てやすい品種です。
黄実の万両
実の色が熟すと黄色になります。風水でいうと黄色は金運を呼び込むと言われており、お金に困らないように願掛けするために植える方もいます。
白実の万両
実が白いマンリョウです。正月の季節に赤実のマンリョウと共に、紅白を彩る縁起物として床の間に飾られます。
紅孔雀
葉の色が特徴的で、ほかのマンリョウと違い赤いまだら模様がつきます。実だけでなく葉も楽しめるマンリョウです。
マンリョウによく似た樹木
マンリョウと同じくお金の名前がつけられた「一両」「十両」「百両」「千両」という植物があります。数字が小さくなるほど実の数が少なく樹高が低くなります。江戸時代にカラタチバナを「百両」と名付けたのが始まりで、それより実が多いか少ないか、高いか低いかで名付けられました。また、千両は実が上向きに付くのに対し、マンリョウは下向きに垂れ下がっているのが特徴です。
マンリョウを使ったことわざ
千両万両アリドオシ
アリドオシとは一両のことで、マンリョウと千両と共に寄せ植えをすることで、常にお金に困らないようにと縁起物として植えられていました。
目元千両・口元万両
いわゆる「美人」の意味があり、目元は千両、口元はマンリョウの価値があるほどに、整っていてきれいである象徴のことわざです。
マンリョウの花言葉
花言葉は「ことほぎ」「金満家」「陰徳」
「ことほぎ」とは長寿や幸せを願う言葉です。また、長く実をつけることから商売繁盛の意味もあります。財運を高めるためのげん担ぎや、大切な人のための贈答品としてもよいかもしれませんね。
ボタニ子
次のページからは、具体的な育て方・増やし方を紹介するよ!
出典:写真AC