コバノズイナの基本情報
学名 | itea virginia |
和名 | コバノズイナ |
分類 | ユキノシタ科ズイナ属 落葉低木 |
原産国 | 北アメリカ南東部 |
樹高 | 1~2m前後 |
開花時期 | 5~6月 |
花色 | 白 |
耐寒暑性 | 強い |
育てやすさ | やさしい |
リョウブとは全くの別の種類
よく園芸店で「リョウブ」という名前で流通していることがあります。それは、コバノズイナの特徴がリョウブによく似ていることが理由となっているようです。ところが、リョウブはリョウブ科の植物でユキノシタ科のコバノズイナとは全く別の種類なのです。
コバノズイナの名前の由来はズイナから
コバノズイナの名前は、日本に自生しているズイナより葉が小さいことから、小葉(コバ)のズイナという名前が付けられました。確かに、ズイナとコバノズイナは同属だけに特徴がよく似ているのですが、ズイナの方が葉が大きく花穂も長いため、この名前には納得してしまいます。
コバノズイナの性質
コバノズイナは、明治時代に日本に渡来した北米アメリカ原産の植物です。-10℃の気温にも耐えることができるほどの耐寒性があり、耐暑性もあります。樹高も1~2m前後と高くならないため、庭植えにしても管理しやすく、初心者にはぴったりです。風情ある株立ち、初夏に咲くブラシ状の白い花、真赤に色づく秋の紅葉と季節を通して楽しみが多いのが特徴です。樹形がコンパクトなためさまざまな場面で使い勝手がよく、昨今の雑木ブームもありとても人気があります。
コバノズイナの特徴
自然樹形に風情がある
コバノズイナは地際から盛んに幹を出し、自然と株立ちとなります。枝ぶりは細く風情があり、樹高も1~2m前後と高くなりません。コンパクトな樹形が楽しめるため、庭植えでは狭い場所や中高木の側に植えて、庭に奥行やアクセントを持たせることができる、使い勝手の良さが特徴の樹木とも言えます。
半日陰でも栽培できる
コバノズイナは日当たりを好みます。ただ、性質がたいへん丈夫なため庭植えでは半日陰など日当たりが少々悪い場所でも植えることができます。日当たりに比べると花付きは劣りますが、枯れてしまうといったことはありません。それ以上に、日陰で育つ植物との調和がよいため、シェードガーデンをワンランクアップさせてくれるといった特徴があります。相性のいい植物としては、ギボウシやヒューケラ、ティアレラ、ラミウムなどです。
紅葉の素晴らしさで人気
コバノズイナの人気が高い理由のひとつに素晴らしい紅葉があります。秋から冬にかけて深い赤から赤紫色に色づき、周囲の木々が色づき出した中でもその存在感は圧倒的です。種類により紅葉の色づきに多少の違いはありますが、この紅葉こそが紅葉木ともよばれるコバノズイナ最大の魅力のひとつと言ってもいいでしょう。
花穂にはかすかな甘い香り
コバノズイナの魅力は、すばらしい紅葉や樹形、ナチュラルな印象の花穂だけではありません。実は、初夏の5月頃から咲き始めるブラシ状の可愛らしい白い花穂にはかすかな甘い香りがあります。ぜひ庭植えして、漂ってくるその甘い香りを近くで楽しんでみてください。
病害虫に強い
コバノズイナは病害虫にも非常に強く育てやすい樹木です。ただし、肥料が多すぎると病害虫が発生しやすくなり、まれにカイガラムシが発生することもあります。コバノズイナはもともと肥料をあまり必要とせず、痩せた土でも育つ丈夫な木です。多肥にならないよう注意しましょう。
和・洋問わず、どんな庭にも自然に馴染む
コバノズイナは北アメリカ原産の植物ですが、和・洋どちらの庭にもしっくり馴染んでくれます。レンガや枕木、タイルや庭石などといった園芸資材とも違和感なく調和し、ナチュラルな庭をデザインするのに一役かってくれます。
相性のいい植物もさまざま
和・洋どちらの庭にも馴染むため、相性のいい植物もさまざまです。初夏から咲くバラやクレマチスなどを自然と引き立て、西洋アジサイとも相性はぴったりです。山野草やホタルブクロ、山アジサイなどの初夏に咲く日本の植物とも違和感なく調和してくれます。日陰の植物とも相性がよく、シェードガーデンでも大活躍するのはご紹介したとおりです。
フラワーアレンジメントや生け花・茶花として好んで使われる
コバノズイナはフラワーアレンジメントや生け花・茶花としてもよく利用されます。花が主張しすぎずナチュラルな雰囲気を持っているため、メインの花材に添えるとバランスが良くなります。まだ使ったことがない方は、一度コバノズイナを使ってみてはいかがでしょうか。
盆栽でも力を発揮
コバノズイナは盆栽にも使われます。風情ある細い枝ぶりや、素朴な白い花と明るい葉色のコントラストのすばらしさからか、コバノズイナは盆栽にしても趣を感じさせます。
出典:写真AC