ポプリとは
インテリアショップや生活雑貨のお店でも見かけることのあるポプリ。香りを楽しむグッズの中でも花びらや木の実などナチュラルさと美しいビジュアルも楽しめるため、古くから人気を保ち続けています。そんなポプリは簡単に手作りできることをごぞんじですか?お部屋でほのかな香りを漂わせるポプリの作り方、材料などについてみていきましょう。
ポプリの語源
ポプリはフランス語から英語になった言葉です。フランス語”Pot(ポット「鍋」)”と“pourri(プリ「腐った」)”が結びついてできた言葉で、ナポレオン占領時代(1808~1813)スペインのシチューの名前がフランス語で「ごった煮」を意味する言葉になったものでもあります。ずいぶん古い歴史を持っているのですね。
ポプリの歴史
ポプリとは、一般的に装飾的な容器にはいった乾燥した植物で、室内でほのかな自然のアロマを楽しむものとされます。17世紀のフランスではフレッシュな花やハーブを床にまき散らし、ぐったりした頃に粗塩を加えて撹拌します。秋になる頃にはスパイスを加え快い香りに整えた後、ふたに穴が開いた専用の容器に入れてアロマを楽しんだのです。
ポプリの種類
現代では乾燥した花、葉、木の実などの天然素材をメインに、容器の中で熟成させ、室内のアロマとして楽しむものをドライポプリと呼んでいます。すべての素材を乾燥させて作る英国風ドライポプリに対して、フランス風の半乾きの材料を粗塩や砂糖で保存するモイストポプリがあります。日本では英国風のドライポプリが一般的です。
ポプリの基本材料と作り方
手作りのポプリは思いのほか簡単なのでぜひ挑戦してみてください。ここでは英国風ドライポプリの基本材料と作り方の手順をご紹介します。ドライポプリを手作りするために揃えるべき素材や道具とドライポプリ作成の手順をみていきましょう。
ドライポプリの基本材料
- 乾燥させた花、葉、ハーブ、実、スパイス、フルーツなど…1.5カップ
- 保留剤…大さじ1
- 精油・アロマオイル…1~2滴
- ドライポプリをいれる器
ドライポプリの作り方の手順
- ポプリにする花やハーブなどの素材を選ぶ
- 素材を乾燥させる
- 精油やアロマオイルを選ぶ
- 保留剤で香りを定着させる
- 約1カ月熟成させる
- 容器に移しかえ、デコレーションを施して飾る
ポプリの作り方①素材の乾燥方法
カビの発生を防ぐためにもポプリの素材は十分に乾燥させましょう。フレッシュな花なら色が褪せないうちに茎から外して乾燥させることでそのままの色をキープできます。乾燥は電子レンジを使うと簡単ですが、色や香りとばないよう低温で数秒ずつ様子を見ながら作業を行いましょう。
乾燥のポイント
- 花びらは重ならないよう広げて十分に乾燥させる
- フルーツを乾燥させる場合はスライスして1日天日干しにした後110℃のオーブンで3~4時間焼成して冷ます
- 花を丸ごと乾燥させるときは仕上げに低温の電子レンジで数秒ずつ様子を見ながら仕上げ乾燥を行う
- 乾燥の目安は素材によって異なるが、7~10日程度
- 野外で干す場合は風や雨に注意
ポプリの作り方②香りづけ
香料はなくてもよいのですが、使用すると香りに奥行きがでますし、複数の香りのブレンドで複雑な香りを楽しめます。密閉容器に材料をいれて、精油、アロマオイルなどで香りをつけます。オイルを数滴落としたら、やさしく振ったり揉んだりしましょう。保留剤を加える場合には、保留剤に香料を混ぜてから混ぜます。
ポプリの作り方③保留剤を加える
保留剤を使用することで、通常2~3日で消えてしまう香りをより長く留められます。保留剤にはどんな香りとも相性のよいニオイアヤメの根を乾燥させたオリスルートがおすすめです。保留剤の分量は素材2カップに対して大さじ1/2を目安に、保留剤にアロマオイルなどを混ぜてからメインの素材とあわせるとよいでしょう。
ポプリの作り方④熟成させる
メインの素材とエッセンシャルオイルなどの香料、保留剤が混ざったら、香りを定着させるためにポリ袋や密閉容器にいれて約1カ月熟成させます。直射日光の当たらない涼しい場所で、2~3日に1度袋を揉んだり、容器を振ったりします。香りが物足りない場合は、熟成期間中に香料をプラスして調整してください。素材からふんわりと安定した香りが漂うようになればできあがりです。
ポプリの作り方⑤容器に移しかえる
熟成が終わったら、香りと素材のビジュアルを楽しむための容器に移しかえましょう。ガラス、陶器、缶などインテリアや香りのテーマや飾り方に合わせて容器を選びます。プラスティックの容器はエッセンシャルに触れると変色や変形につながることがあるので注意が必要です。ポプリの上の飾り方次第でさまざまな演出ができますよ。
次のページではポプリの素材の選び方についてご紹介します。