カモンバとは?
カモンバとは、多年生の沈水植物のことです。別名では「金魚藻」とも呼ばれ、あるいは「カボンバ(cabomba)」とも発音されます。昔から金魚やメダカなどの飼育の際に入れる定番の水草として親しまれています。 全国に普及しているので金魚屋さんや熱帯魚屋さんではよく見かける水草です。今回はポピュラーな水草であるカモンバの性質や増やし方、植え方、溶ける要因などの注意点にも触れていきます。
普段はあまり注目されない水草
どうしても水槽の中の主役は金魚やメダカ、熱帯魚達になりがちです。もちろん彼らがいてこそのアクアリウムです。しかし、その日常を支えているものとして水草の存在があります。なかでも、カモンバは北米原産の外来種ですが、すっかり定着した水草として知られています。今では日本の河川や池にも野生化しているポピュラーな水草となりました。単体でも美しく、水槽内のレイアウトに最適なアクセントになるのでおすすめです。
カモンバの特徴
金魚や熱帯魚を飼育する人たちの多くは、どうしてカモンバという藻を一緒に入れるのでしょうか?入れるからにはそれなりの理由があるはずです。そこでここでは、カモンバの特徴を見ていきながら、そのメリットやデメリットについてもご紹介します。カモンバに備わっているポテンシャルが、金魚や熱帯魚にとっても最適な環境作りをしてくれます。
水草としてはポピュラーな部類
カモンバはベーシックな水草として人気です。一束で300円ぐらいなので簡単に入手できます。しかも生命力があって強い草なので水道水でも対応できます。水温も20℃前後の常温で育てられるので扱いやすいのです。自然界では地面に根を生やし、幹から枝を生やしながら自生します。流れが穏やかな池や小川に行けば自生していることも多いので、環境のよい水辺のものを採取してもよいでしょう。市販されているカモンバの場合は、枝の部分を刈って枝を束ねてあります。
固定させると酸素が発生する
メダカや金魚、熱帯魚も水中で生活するうえで酸素が必要です。水草は陸上の植物と同じように、光合成により酸素を発生させてくれます。それはカモンバも同様です。特に小さな金魚を飼育するときには、カモンバなどの水草を入れることで水槽内の酸素が活性します。ただしカモンバを入れておけば安心とは言い切れないので、必ずエアレーションやろ過装置も一緒に取り付けることが大切です。あくまでもカモンバは補助的なものと考えておきましょう。
カモンバを水槽に入れるメリット
カモンバは、グリーン系の水草として育てるのが容易な部類です。とても丈夫な水草なので幅広い環境にも耐えるような性質があります。メダカや金魚、熱帯魚を飼育するマニアにとっては重宝する水草として知られる種類です。しかもカモンバは水槽の中をよい環境に整えてくれる役割があります。成長速度の速い有茎水草で、水中の養分を吸収して育つ水草です。成長すればするほど水質を安定させてくれるというメリットがあります。
カモンバを水槽に入れるデメリット
カモンバそのものを水槽に入れて育てること、金魚やメダカ、熱帯魚を飼育すること自体には、まったくデメリットはありません。ただし水質が極端にアルカリ性へと傾いてしまう場合も考えられます。カモンバは弱酸性の環境を好むので、アルカリ性が優位になってしまうと頂葉部からちぎれてしまい枯れる恐れがあります。
定期的にトリミングが必要
カモンバは強光下だと成長が早い水草です。水槽がカモンバだらけになってしまうと、中の金魚やメダカの領域を侵してしまいかねません。多くなってきたらトリミングして減らすようにしましょう。
カモンバを育てる際のポイント
カモンバを水槽に入れたほうが、メダカや金魚、熱帯魚などによい環境作りができます。できるだけ上手に育てていきたいところです。しかしカモンバを育てるためには、どのような方法やポイントがあるのでしょうか?ここでは、カモンバをうまく育てる方法についてご紹介します。
ポイント①水中で浮かせない
水草の種類の中には、アナカリスやマツモのように水中に浮かせるだけで育つものもあります。しかし、カモンバは根を張って成長する性質の植物です。自然界でも、カモンバは根を張る固定の地が欠かせません。そのため、根をしっかり水槽に固定させることが必要です。
浮かせると枯れる恐れがある
カモンバは浮かせるタイプの水草ではなく、底地に根を張ります。万が一浮かせる状態にすると枯れるので、必ず購入後には水槽の中でしっかり固定させ、浮かせないようにしましょう。
ポイント②水質などの条件
弱酸性の水で育てる
カモンバはわりとタフな水草なので、ある程度の劣悪な環境でも強く育ちます。しかし、できれば最適な水温と水質が望ましいとされます。カモンバが育つのによい水温は15℃〜28℃程度で、pH5.5〜7が好ましいです。これは弱酸性な水の状態です。また軟水を好みますので、弱アルカリ性や硬水は向いていません。
その他の条件
カモンバには光の量もある程度必要です。電気でいえば40W~60Wくらいの光量です。強い水草だからと長い間放置することだけはしないよう、定期的な調整や水の入れ換えも必ず行いましょう。
ポイント③肥料は必要ない
カモンバには特別な肥料を与える必要はありません。水槽内にメダカや金魚、熱帯魚がいればそれで十分です。なぜなら、魚の排泄物がバクテリアで分解され、それが肥料となってくれるからです。もしカモンバが増えて魚が少ない、あるいはまだ飼育して間もなくバクテリアが安定していない状態なら、少量の肥料を与えてもよいでしょう。魚とカモンバとのバランスを考えて飼育することがポイントになります。
次のページでは、カモンバの増やし方と注意点をご紹介します。