オンシツコナジラミの予防方法
オンシツコナジラミは、発生してしまうとすぐに被害が拡大してしまうやっかいな害虫です。まずは発生しないよう予防が必要です。予防のための3つの方法をご紹介します。
予防方法①防虫ネット
防虫ネットを使用することにより、オンシツコナジラミが飛来してきても野菜や花卉への付着を防げます。このとき気を付けたいのは、防虫ネットの網目の細かさです。オンシツコナジラミの成虫は1mmほどの大きさをしているため、それより目が小さいものでなければなりません。購入の際は目の大きさをしっかり確認して買いましょう。
予防方法②葉に水をかける
オンシツコナジラミは乾燥を好み、水分を嫌う害虫です。乾燥した日が続くようなときは葉に水をかけて、オンシツコナジラミが発生、増殖しづらい環境を作りましょう。大量に水を与えると今度は過湿になり別の病気や害虫の発生を招く恐れがあるため、霧吹きなどを利用して葉の表面や裏側に水を吹きかけるのがおすすめです。
予防方法③農薬で予防防除
専業農家の場合は、発生を確認してからの対策では遅すぎることがあるため予防的に農薬を散布することもよくあります。ただし農薬はあまり頻繁に使いすぎると害虫に耐性ができてしまうため、使い方には注意が必要です。また葉の裏側までいきわたるようしっかり散布しましょう。
オンシツコナジラミの駆除方法
どんなに予防をしておいても、オンシツコナジラミが発生してしまうことはあります。オンシツコナジラミは1匹で大量の卵を産み、短期間で成虫になり再び産卵というサイクルを繰り返すため、見つけたら速やかに駆除することが大切です。
駆除方法①農薬の散布
オンシツコナジラミが発生してしまったら、薬剤の使用がおすすめです。短期間で次々に増殖してしまうため、早めに手をうっておきましょう。また成虫にしか効果のない薬剤を使用した場合は、卵は生き残りふ化してしまいます。様子を見ながら2度目、3度目の散布を行ったほうがいい場合もあります。今回は殺虫剤をご紹介しますが、作物に病気の感染が見られた場合は殺菌剤も一緒に使用するのがおすすめです。
おすすめの農薬①住友化学殺虫剤ベストガード
住友化学 殺虫剤 ベストガード水溶剤 100g
参考価格: 1,110円
ベストガードはネオニコチノイド系の殺虫剤で、コナジラミ類はもちろんアブラムシ、アザミウマ、カメムシどの幅広い害虫とさまざまな作物に使える便利な農薬です。害虫にはしっかりと効き目を発揮しながらも一部の有用生物や天敵には影響がないようつくられています。
おすすめ農薬②トレボン乳剤
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参考価格: 836円
トレボンは害虫の神経に作用するピレスロイド系の薬剤です。乳剤は乳化剤が含まれ、害虫に浸透しやすいというメリットがあります。一方で、殺虫成分を石油由来の溶媒に溶かした薬剤のため、他のものに付着すると塗装をはがしてしまうデメリットもあることを知っておきましょう。
おすすめの農薬③エムシー緑化コロマイト乳剤
エムシー緑化 コロマイト乳剤 30ml
参考価格: 735円
コロマイト乳剤はマクロライド系農薬に分類され害虫の神経や筋肉に作用します。微生物が作り出す天然由来の成分を活用したものです。
農薬はローテーションで使おう
ひとつの農薬を購入するとつい毎回同じものを散布しがちですが、薬剤は異なる系統のものをローテーションで使うのが望ましい使用方法です。同じ農薬ばかりを使っていると害虫に耐性ができてしまい、逆に発生しやすくなってしまいます。また、名前が違っても同一系統の薬剤を使っている場合も同じように耐性ができるため、必ず系統を確認して使用することが大切です。
駆除方法②天敵製剤
有機栽培でよく用いられているのが「天敵製剤」と呼ばれるもので、害虫の防除を目的に製品化された天敵生物のことです。「製剤」というと薬剤のように思われますが実際は生物で、天敵製剤を作物が栽培されている圃場に放し、飼育するようなイメージです。オンシツコナジラミを含むコナジラミ類には、天敵であるサバクツヤコバチを活用した製剤が農薬登録されています。
家庭菜園における天敵製剤のデメリット
生物によって害虫を制する天敵製剤は、環境や人体にも安全で魅力的な資材ですが、小規模な家庭菜園にはあまり向いていません。天敵製剤は広い面積での使用が想定されているため、製剤1本または1箱に入っている天敵生物の量が多く、さらに生き物のため購入したら早めに使い切らないと容器の中で死んでしまうからです。天敵製剤は自信の作付面積をよく考えて購入しましょう。
駆除方法③粘着シート
天敵製剤を使うほどの面積ではないけれど、できるだけ農薬を使わず家庭菜園を楽しみたいという方におすすめなのが粘着シートです。コナジラミ類に限らず、他の害虫にも効果があります。作物の近くに吊るしたりわりばしで挟んで地面にさしたりしておくと、飛来してきた害虫が捕獲される仕組みです。粘着シートは駆除だけでなく、予防的にも使用できます。
まとめ
オンシツコナジラミは、暖かくなると非常によく発生する害虫のひとつです。とても繁殖力が強いため、しっかりした予防と早めの駆除を心掛けましょう。特にビニールハウスを使って栽培している場合は、冬でも発生の恐れがあるため注意が必要です。粘着シートや農薬などの防除資材を適切に使って、オンシツコナジラミに負けず野菜や花の栽培を楽しみましょう。
発生する前に、しっかり予防したいわね。もし発生してしまったら、次に紹介する駆除方法を試してくださいね!