ダニとはどんな生き物か
ダニとは、節足動物鋏角亜門クモ綱ダニ目に属する小型の生物の総称です。植物のしるを吸うダニ、動物などに寄生し吸血するダニ、家の中のちりから見つかるダニなど、世界に数百万種類もいるといわれています。
ダニが繁殖しやすい環境
ダニは25℃〜30℃の気温、60%〜85%の湿度を好みます。寿命自体は3ヶ月程度ですが、その3ヶ月の間に100個ほど産卵し、2週間程度で成虫になります。そしてまた産卵し、繁殖しやすい環境では爆発的に増殖するのです。
ダニが生息する場所
ダニは、人間の皮脂やふけ、食べこぼしなどを食べます。高湿度な場所を好み、暗い場所では活発に行動するとされています。家の中のどんな場所に生息しているのか、いくつか見ていきます。
カーペットやソファー
カーペットやソファーなどは普段人が生活している場所です。皮脂やふけなども多く落ちます。特に毛が長いタイプのカーペットなどは気づかない食べこぼしなども多いです。そして、ダニは高湿度を好むので、通気性の悪いカーペットやソファーは要注意です。
フローリング
フローリングと聞いて驚いた方も多いかもしれません。しかし、フローリングは人が普段歩いたりする場所です。皮脂やふけも多く存在します。特に溝は盲点で食べこぼしなども多く入り込みます。普段から溝の中までお掃除する方は、そんなにいないのではないでしょうか。
布団などの寝具
人は寝ている間にもふけや垢を無意識に落とします。そして、寝ている間に汗をかきます。餌となるものが多い上、ダニは高湿度を好みますので繁殖しやすいのです。布団だけではなく、シーツやマットレス、枕などもダニの繁殖しやすい環境と言えるでしょう。
畳
畳はい草と言う素材でできており、い草は空気中の湿度を快適に保つ性質があるのですが、そのため湿度を吸収して畳の中が高湿度になってしまうのです。その上畳の目が細かいので、食べこぼしや皮脂が入り込むとダニの繁殖には打ってつけです。
ダニが及ぼす悪影響
ダニの種類は数百種類ですが、人間に悪影響を及ぼすダニは数種類と言われています。ダニが肌に触れること、ダニの死骸や糞に含まれるタンパク質を吸い込むことなどによりアレルギー症状を引き起こします。
アレルギー疾患の症状
もともとアレルギー体質である人が影響を受けやすいので注意が必要です。全てダニが原因で起こるものではありませんが、どのような症状が出るのかいくつか見ていきます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とはかゆみを伴うじゅくじゅくとした湿疹が身体に発生する症状です。一度発症すると、改善や悪化を繰り返し、なかなか完治するのが難しいのが特徴です。
気管支喘息
発作的に咳を伴い、呼吸困難を繰り返す病気です。ダニの死骸やフンを吸い込むことが発症の一因となります。6歳頃までに発症する、小児喘息という病気もあり、小さいお子様がいるご家庭は注意が必要です。
アレルギー性鼻炎
ダニの死骸やフンが鼻に入ることによりアレルギー反応が起こります。アレルギー物質の侵入を防ごうと鼻づまりが起こります。また、くしゃみや鼻水によりアレルギー物質を追い出そうとします。一日中鼻づまりやくしゃみ、鼻水を繰り返すのが特徴です。
ダニを駆除、除去する方法
ダニは50℃以上で弱り20分〜30分程で死滅します。また、60℃以上になるとすぐに死滅するとされています。それでは、実際にダニの駆除や除去する方法、アイテムをご紹介していきます。
ダニ駆除その① 掃除機を使う
掃除機は日常的に使用するお掃除アイテムです。フローリングやカーペットなどに、じっくり時間をかけて吸引することによりダニの除去が期待できます。また、吸引力が強いほうが効果的です。ダニの駆除において掃除機を使うことは基本となります。
掃除機を使うときの注意点
掃除機はお手軽で身近なアイテムですが、万能ではありません。吸引力が弱いとダニは繊維にしがみついて吸い取ることができないのです。布団などの寝具や布製のソファーなどの中に入り込んだダニにはあまり効き目がないでしょう。他の除去方法と併用するのが好ましいです。
ダニ駆除その② 布団乾燥機を使う
布団乾燥機は昔からあり、お持ちの方も多いかもしれません。熱によりダニを駆除できる上、布団の中の湿度を下げることができるため、ダニの繁殖予防にも効果的です。日光消毒するよりも高い温度になりますので、確実にダニを死滅させます。最近では、コンパクトな布団乾燥機も販売されています。
布団乾燥機を使うときの注意点
布団乾燥機を使用しただけではダニの死骸は除去できません。使用後は念入りに掃除機をかけましょう。
ダニ駆除その③ スチームアイロンを使う
スチームアイロンの熱でダニを駆除する方法もあります。スチームアイロンの蒸気は100℃以上に達するため、ダニを一瞬で死滅させることができます。ダニの暗い所で活発になる習性を利用して、スチームアイロンを当てる1時間程前に、布団などを暗所に置いておくと効果的です。
スチームアイロンを使うときの注意点
使用する生地の品質表示をよく確認し、必要であれば当て布を使うようにしましょう。使用後は布団の中などが高湿度になっているため、しっかりと天日干しで乾燥させ、掃除機でダニの死骸を除去します。こちらの方法は、布団などの寝具には範囲が広すぎて大変かもしれません。
叩きながらダニを吸い取ったり、UVライトにより除菌、消毒しながら吸い取る掃除機もあります。