オンシツコナジラミが発生した場合の症状
オンシツコナジラミによる被害症状は、自らの食害によるものとオンシツコナジラミを媒介して感染した病気によるものという2つのタイプがあります。病気の症状が出た場合殺菌剤ばかりを使ってしまいがちですが、オンシツコナジラミなどの害虫が感染源になっている場合もあるため、葉裏に付着していないかチェックするのがおすすめです。
被害症状①吸汁
オンシツコナジラミは、アブラムシなどと同様に野菜や花の葉に寄生して汁を吸う害虫です。数匹ではその被害もあまり目立ちませんが、ひどくなると葉から葉緑素がなくなっていき作物の生育に大きな影響を及ぼします。
被害症状②すす病
すす病とは、野菜や花卉(かき)の表面にすすのような黒い粉状の症状が発生する病気です。カビ菌が原因の病気で、野菜や花卉だけでなく樹木も被害を受けます。植物がすす病に感染する原因のひとつといわれているのが害虫の糞です。オンシツコナジラミが発生すると葉の表面などに糞をするため、その糞にカビが生えてすす病の感染源になるという仕組みです。
被害症状③ウイルス病
ウイルス病はモザイク病とも呼ばれる病気で、感染すると葉や花びらなどにモザイクのようなまだら模様の症状が広がり、葉を縮れさせて植物の生育に影響を及ぼします。害虫が感染した植物の汁を吸い、その後別の植物に飛来して汁を吸うことで感染が広がります。オンシツコナジラミを含むコナジラミ類やアブラムシ類、アザミウマ類はこのようにウイルス病を媒介する性質を持っている害虫です。
オンシツコナジラミが発生しやすい作物
オンシツコナジラミは野菜だけでなく花卉、樹木など非常に幅広い植物に寄生のリスクがある害虫です。特に発生しやすい作物の特徴をご紹介します。
発生しやすい作物の特徴①ハウスで育てられている
ビニールハウスや雨除けハウスで育てる作物は、オンシツコナジラミは発生しやすいと考えられます。温暖な上降雨により流される心配がないため、オンシツコナジラミにとっては非常にいい環境です。天敵に襲われる心配もなく、一度発生すると爆発的に増殖する可能性もあるため、できるだけ早期に発見できるようこまめにチェックをしましょう。
発生しやすい作物の特徴②乾燥気味に育てられている
トマトやメロンなどを育てる際、収穫が近づくとあえて水分を控え糖度が高くなるようにする栽培方法があります。このような環境で増えやすいのがオンシツコナジラミです。乾燥した条件で作物を育てたい場合には、あらかじめ予防の薬剤散布を行うなどして対策しておいたほうがよいでしょう。
発生しやすい作物の一例
- トマト、キュウリ、ニガウリ、メロン、スイカ、ナス、大豆、インゲンマメ、ジャガイモなど
ボタニ子
この他にも野菜だけでなく、お花や果樹、観葉植物まで本当に幅広い植物に被害を与える害虫なんだよ。