ベニスズメとは?害虫?幼虫・成虫それぞれの特徴や生体を解説!

ベニスズメとは?害虫?幼虫・成虫それぞれの特徴や生体を解説!

数ある昆虫の中でも、ベニスズメガは大きめのサイズの昆虫です。今回はベニスズメガの生態や幼虫時の特徴、飼育時にはどのようなエサが必要なのかをまとめました。昆虫愛好家の方のみではなく、ベニスズメに毒があるのか気になっている方もぜひチェックしてみてください。

記事の目次

  1. 1.ベニスズメとは?
  2. 2.ベニスズメの幼虫の特徴
  3. 3.ベニスズメの成虫の特徴
  4. 4.ベニスズメの飼育について
  5. 5.まとめ

ベニスズメとは?

日本には様々な種類の昆虫が生息していて、大型の蛾にもたくさんの種類が日本中にいます。山や河川敷などの草木が多く茂っている個所はもちろん、夜になると電灯の下や自動販売機の灯りに吸い寄せられてきているのを誰もが一度は目撃しているものです。今回は日本にいる蛾の中でも、大型の種類のベニスズメについてご紹介します。大きなサイズの蛾であるベニスズメは、毒を持っているのでしょうか?

ベニスズメの生息地

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蛾は小さなサイズのものはよく見かけますが、野生のベニスズメはまだ見たことがないという方もいるかもしれません。生息地は全国各地に点在しているので、決して珍しい種類ではありません。普段見かけないのは、ベニスズメの成虫活動期間が長くないことと、夜行性という習性が関係していると推測されます。昼間は葉っぱの裏や薄暗い場所で身を隠しています。日本以外にも、ヨーロッパ諸国やロシア、インドや中国と生息地域が広いのも特徴的です。

ベニスズメの名前の由来

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ベニスズメの名前の由来は、見てすぐにわかる外見のカラーが大きくかかわっています。ベニスズメはその名の通り、紅色と茶色の二色が外見的な特徴です。昆虫では珍しい紅色、そしてスズメガ科に属しているので、紅色のスズメガからベニスズメと名前が付けられました。生息地域が広いので名前の由来を覚えておくと、名前を思い出しやすくなります。

ベニスズメの注目点

Photo by chidorian

ベニスズメには、大きさを含めた見どころがたくさんあります。
 

  • 成虫の食べ物は樹液や花の蜜
  • 生息域が広く、探しやすい
  • ふさふさの体毛
  • 長い吸い口で花の蜜を吸う姿
  • 無害、無毒
  • 飛行時の迫力

一見気持ち悪いと思われがちな蛾ですが、毒を持っていない種類も多くいます。ベニスズメも無毒で、ミツバチなどと同じく花粉を運ぶ役割も担っています。

ベニスズメの飛行速度に注目!

スズメガ科の蛾は、蛾の中でも飛行速度や飛行力が高いという特徴があります。食べ物の一種である花の蜜は、その場でホバリングをしていなければ採取できません。ミツバチやちょうちょのような小柄な昆虫ではないベニスズメなどの大型の蛾は、細い茎に捕まると茎が揺れてしまう可能性があります。その場にとどまっておく安定した飛行力、長距離を移動することができる体力、危険を回避する飛行速度にもぜひ注目して観察してみましょう。

ベニスズメガとベニスズメの大きな違い

ベニスズメガは、昆虫のベニスズメを指しています。昆虫愛好家であれば、ベニスズメといえば蛾となります。気を付けておくべき点は、ベニスズメという鳥もいるということです。愛鳥家であればベニスズメといえばスズメ目の小さくて赤い色をした野鳥のことを指すでしょう。双方ともに生息域が広いため区別する際、蛾を指す場合はベニスズメガと呼ばれることもあります。

ベニスズメの幼虫の特徴

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野生のベニスズメは見どころ満載ですが、ベニスズメは幼虫にもたくさん魅力があります。ほかの蛾の幼虫とは一味違う、珍しい見た目や主な食べ物、羽化の時期についてご紹介します。幼虫が羽化する前の状態や、ほかの昆虫でも使用できる専門用語についてもわかりやすく解説しています。毒の有無や昆虫食の視点からみたベニスズメの幼虫についての情報もまとめました。

幼虫の色

ベニスズメの幼虫は、全身が褐色から黒に近い色合いです。個体差が大きく出る場合もありますが、毒々しい色ではありません。しかし安易に近寄ってよい色合いというわけではなく、触ってはいけないような印象を持ちやすい色です。これは人間だけではなく鳥などの外的から触れられないように蛇に擬態しているからです。生き延びる確率を少しでも上げるためにも、擬態は必要不可欠なのです。

幼虫の外見が蛇に似ている理由

ベニスズメは生息地域が広範囲であり、個体数も多く珍しい種類ではないので、天敵から見つかりやすい傾向があります。幼虫は鳥や小動物に捕まえられると、抵抗することができません。捕まらないためにも、鳥や小動物の天敵である蛇に擬態しているのです。さらにベニスズメの幼虫は、身の危険を感じ取ったら頭部の形を変形させてより蛇に近い形になります。安定してエサを食べ、外敵から身を守るためにも蛇の擬態は必要不可欠といえるでしょう。

幼虫の食べ物

ベニスズメの幼虫の食べ物は、食草と呼ばれる草です。食草は昆虫によって種類が異なっています。ベニスズメの幼虫の食草は、以下のような種類です。
 

  • オオツマヨイグサ
  • シロツメグサ
  • ブドウ
  • ホウセンカ
  • カワラマツバ
  • ミソハギ

身近にある草を食草としているので、幼虫を見つけることはそう難しいことではありません。食草の種類も多いので、近くに食草があった場合は幼虫を探してみてください。

幼虫の羽化時期

ベニスズメは秋になると、食草に卵を植え付けます。ちょうちょと同様に孵化した幼虫がすぐにエサを食べることができるため、食草に産卵します。孵化したての幼虫はとても小さいですが、食欲は旺盛なのでエサをたっぷり食べて、次の食草を求めて移動を繰り返します。全長75mm前後、太さ1cmくらいまで成長し、地面に潜って蛹室を作り、前蛹状態から蛹になり越冬して羽化します。

蛹室(ようしつ)とは

蛹室とは、昆虫が幼虫から成虫になるまでの期間を過ごす空間です。幼虫は成虫になる手前までエサを食べ成長し、時期が来たら蛹室を作成します。蛹室は幼虫が蛹になり羽化しても十分な空間を確保して幼虫自身が作ります。地面に蛹室を作る昆虫は、蛹室が壊れることが少なくなく、羽化前に蛹室が壊れると命を落としたり羽化不全の原因にもなります。蛹室が崩れないよう、幼虫は蛹室の壁を厚めに固く作って身を守ります。

前蛹(ぜんよう)状態とは

前蛹状態とは、幼虫と蛹の間の期間の状態です。幼虫は前蛹期間に入ると、活動が鈍くなり時間をかけて蛹になります。前蛹になると動きが鈍くなり、場合によってはほとんど動かないこともあります。死んでいると勘違いすることもあるので、動きが鈍くなっているのであればまずは見守りましょう。飼育下であれば人工蛹室を作って幼虫をそこに入れ、観察しつつ見守ることもできます。

ベニスズメ幼虫の毒の有無

ベニスズメの幼虫は、毒を持っていません。毒々しい見た目ではありますが、触っても問題ありません。エサを手に乗せて観察していると、手の上でエサを食べることもあります。その際はフンをすることがあるので、注意が必要です。

昆虫食としてのベニスズメの幼虫

昨今では昆虫食に注目が集まってきていますが、ベニスズメの幼虫も昆虫食に含まれています。ベニスズメの幼虫の栄養価は高く、ある国では団子にして食べたり、場合によっては生で食べたりすることもあるようです。ベニスズメガとなったら食べ物としてスポットライトが当たることは非常に少ないようですが、幼虫は食用として扱っている国もあります。

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ベニスズメの成虫の特徴

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