有機肥料③発酵油かす肥料・大粒
大きな庭木や果樹には、油かすをメインに魚粉や骨粉などをバランスよく配合した、固形の大粒タイプをおすすめします。栄養素がゆっくり分解吸収されることで、肥料効果が長く持続するのが大粒タイプのメリットです。微生物の働きで硬くなった土質を軟らかくします。
上手な使い方
庭木や果樹への与え方は、根の先端にあたる枝先の下に深さ20cm以上の穴を掘り、油かす肥料を数粒ずつ(適量は各商品による)埋め込みます。与える時期は花木には、春と秋のお彼岸ごろ、果樹には寒肥といって12〜2月にもプラスして与えるのが効果的です。肥料切れで実が落ちないよう、果樹には花木よりも多めに与えましょう。
有機肥料④魚粉
野菜や果樹の甘みを増す効果があるのが、チッ素やリン酸塩を多く含むアミノ酸系の魚粉肥料の特徴です。デメリットとしては魚由来の独特な匂いがあり、犬や猫などが寄ってくる可能性があります。しっかりと土に埋め込んで、安心・安全に使いましょう。
上手な使い方
菜園での使い方は、元肥なら1㎡あたり1カップ、追肥なら1/2カップを混ぜ込みます。プランターには12L(60cm1つ分)あたり、元肥として大さじ2杯、追肥としては大さじ1杯が適量です。魚粉を混ぜ込むことで、栄養だけでなく水はけのよい土質にするメリットがあります。
有機肥料⑤骨粉
鶏・豚・牛などの骨に熱を加えて粉砕加工した、チッ素を含むリン酸肥料です。BSEの心配のない安全な部位を使用し、花や果樹・野菜の花芽や実付きをよくする特徴があります。草木灰や石灰肥料・油かす肥料や堆肥などと組み合わせるのが、栄養素のバランスがよく効果的です。
上手な使い方
骨粉肥料は分解吸収されるのに時間がかかるため、追肥ではなく元肥向きです。毎年花芽をつけるバラや果樹への与え方は、寒肥や春先に与えるのが最適です。実物野菜への与え方は、土作りの最初に石灰や草木灰と一緒に適量を土に混ぜ込みましょう。
有機肥料⑥有機石灰肥料
有機石灰の原料は、ホタテやカキの貝殻や卵の殻などです。主な成分は炭酸カルシウムで、土にカルシウムを補給してpHを中性にします。有機石灰は他の石灰肥料と比較して、効き目が穏やかで土質が硬くならないのもメリットです。
上手な使い方
有機石灰は他の石灰肥料と違い熱を出さないので、種まきや植え付けの直前に混ぜ込んで使えます。実物野菜や葉物野菜におすすめで、1㎡あたり100〜200gを混ぜ込みましょう。小粒の油かす肥料など、他の肥料とも併用できます。
有機肥料⑦バラの専用肥料
バラは植物の中でも最も肥料を必要とする花のひとつです。長く使い続けるなら、土質にも植物にも安全な、バラ専用の有機肥料が最適です。バラだけでなく、大切にしている他の花や植物にも使えます。バラは肥料が不足すると花芽の出が悪くなったり、病害虫の被害が出やすくなったりしてしまいます。
上手な使い方
鉢植えにしたバラへの与え方は、真夏と真冬を除いた毎月/1回、8号鉢(直径24cm)で20〜30粒をパラパラと蒔きます。庭植え(地植え)にしたバラには、大きさによって30〜50粒を株の周囲にパラパラと蒔くか、土に埋め込むのがおすすめです。
せっかく大事に育てたのに、肥料切れで枯れたら悲しいもんね!
固形タイプのメリット・デメリットは?
- 気になる匂い対策は、しっかりと土に埋め込むのがポイント
- 小粒は速攻性、中粒はゆっくり、大粒はじわじわ
- 化学肥料と違って、肥料焼けの心配がない
- 微生物の働きで、土質がふかふかになる
- 種類を問わず、どんな植物にも与えられる
花実をつけた木には、感謝を込めてお礼肥えをあげましょう!