「液体タイプ」有機肥料(有機質肥料)の上手な選び方と使い方
液体肥料①アミノ酸系
多種のアミノ酸を含んだ有機質液体肥料(複合肥料)で、草花の色を鮮やかに、野菜を甘くおいしくします。固形肥料よりも即効性があり、窒素:リン酸:カリウムが6:6:6とバランスよく調整されているのもポイントです。規定よりも薄めにとけば、活力液としても使えます。
上手な使い方
草花や野菜への与え方は、液体肥料を100倍に薄めて春から秋は、1週間から10日に1度水やりのときに与えます。冬は月に1度程度で十分です。夏バテした草花には規定の倍量にといて、活力液として与えます。薄めた活力液は観葉植物や盆栽など、花や野菜以外の植物にも最適です。
液体肥料②動物由来系
動物由来の原料を使用した、有機質液体肥料(複合肥料)です。液体肥料は植物に吸収されやすく、即効性が高いのが最大のメリットです。水やりだけでなく葉水(霧吹き)や鉢ごと水に浸す腰水など、いろいろな与え方ができます。弱ってしまった植物のレスキューに特におすすめなのが、このトップドレッシングです。
上手な使い方
薄め方は300倍・500倍・800倍・1000倍〜で、鉢植えの与え方は大き目の容器で鉢ごと数時間浸水させます。庭木などの大きな植物への与え方は、薄めた液体肥料の水やりと全体にスプレーして葉や茎からも吸収させます。春から秋の成長期に症状が改善するまで、定期的に継続しましょう。
液体タイプのメリット・デメリットは?
- 即効性はあるけれど、持続性はない
- 水やり・霧吹き・漬け込み、使い方が豊富
- 濃度を薄めれば、活力液にもなる
- どんな植物にも、季節を問わず使える
有機肥料(有機質肥料)と有機栽培について
有機肥料の特徴と上手な選び方や使い方がわかったところで、有機肥料を使った有機栽培についてもご紹介します。化学肥料(化成肥料)や農薬を使わない、環境にも安全な有機栽培を家庭で手軽に実践してみましょう。
有機栽培について
ボタ爺
農林水産省の「有機農業」の定義を紹介しよう!
「有機農業の推進に関する法律」による有機農業の定義は以下のとおりです。
- 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
- 遺伝子組換え技術を利用しない
- 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する農業生産の方法を用いて行われる農業です。
ベランダ菜園など小さくても無理のない範囲でできる、環境にやさしいエコライフに有機栽培がおすすめです。家庭で有機栽培を行う場合のポイントを整理してみましょう。
- 化学肥料(化成肥料)を使わず、有機肥料を使う
- 合成された農薬や除草剤の使用を控える
- 自家製堆肥作りで、循環型の生活を心がける
無農薬栽培とは
無農薬栽培とは、化学的な農薬を一切使用しない栽培方法のことです。土質の農薬除去には環境要因もあって、持続するのは難しい面も多いですね。有機農業でも使用可能な薬品があり、家庭用の安全な殺虫殺菌スプレーも販売されています。防虫ネットや手作り防虫剤など、上手に組み合わせるのがおすすめです。
「オーガニック」との違いは?
オーガニックは「有機的な」という意味の言葉で、オーガニック栽培は有機栽培のことです。厳しい検査を受け認められた有機農産物や有機加工食品には、「有機JAS」マークがつけられています。オーガニックコスメなども注目されていますが、国内で化粧品分野での厳格な基準はありません。
まとめ
有機肥料の上手な選び方や効果的な使い方をご紹介しました。家庭でできる安全で持続可能な有機栽培についても、解説しています。ベランダやお庭で、環境に優しい有機肥料を使った有機栽培を実践してみましょう。
出典:Unsplash