じゃがいもの栽培方法!種芋の植え付けから収穫時の掘り方まで解説!

じゃがいもの栽培方法!種芋の植え付けから収穫時の掘り方まで解説!

じゃがいも栽培の基本は春植えです。種芋の植え時、植え付け、芽かき、土寄せ、収穫時の掘り方など、それぞれの段階の育て方にコツがあります。応用編として秋植えやマルチ栽培、プランター栽培も可能です。じゃがいも(馬鈴薯)栽培のポイントを解説いたします。

記事の目次

  1. 1.じゃがいもの栽培は簡単?
  2. 2.じゃがいもの栽培①定植場所の準備
  3. 3.じゃがいもの栽培②種芋の準備
  4. 4.じゃがいもの栽培③植え付け
  5. 5.じゃがいもの栽培④芽かきと土寄せ
  6. 6.じゃがいもの栽培⑤収穫
  7. 7.じゃがいもの栽培⑥応用編
  8. 8.まとめ

じゃがいもの栽培③植え付け

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植え付け場所と種芋の準備が整ったら、いよいよじゃがいも(馬鈴薯)の植え付け(定植)です。田畑に作物を植え付けることを「作付け」といいます。種芋の作付けにも育て方のポイントがいくつかあるため、詳しく解説しましょう。

作付けのやり方

植え付け間隔は30cm

出典:写真AC

じゃがいも(馬鈴薯)の作付け(定植)は、種芋が腐るのを防ぐために、土が乾いているときに行うのがおすすめです。畝に深さ7~10cm程度の溝を掘り、種芋を30cm間隔で作付けします。通常の育て方では、種芋の向きは芽が出ている方が上(切った場合は切り口が下)です。

逆さ植えもできる

「逆さ植え」という育て方もあります。芽が出ているほうを下(切った場合は切り口を上)にして植え付けるのです。この育て方では、芽が下から種芋を避けて地上に出るまでに、弱い芽が淘汰されます。発芽までに日数がかかりますが、生命力あふれる芽が残るため、株の抵抗力も高まり、病害虫に強くなる育て方です。

覆土は5cm程度

 出典:写真AC

30cmの間隔を空けた種芋の間には、元肥として堆肥1すくいと有機配合肥料1つかみを入れます。配合肥料が種芋に触れると肥料焼けを起こすため、肥料が種芋に触れないように種芋に軽く土を被せてから肥料を入れましょう。溝に土を戻しますが、種芋の上に被せる土は5cm程度です。押し固めずに布団をかけるようにやさしく覆います。

水やりのポイント

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じゃがいも(馬鈴薯)は、地表に発芽するまでは水やりをしません。発芽したら水やりを始めます。じゃがいもは乾燥に強い作物で、適度に降雨があれば十分です。ただ花芽がつく時期には、普段より多くの水を必要とします。この時期には地下茎に水分や栄養を蓄えて肥大していくからです。花芽がついたら乾燥し過ぎないようにしましょう。

主な病害虫と対策

そうか病に注意

じゃがいもは水分も栄養も豊富なため病害虫が発生しやすいです。病気で特に注意すべきなのは「そうか病」と「疫病」です。そうか病は、画像のように芋の表面にかさぶたのような病斑が出ます。疫病は5~6月に発生しやすく、葉は油がにじんだように黒くなり、裏面には白いカビが広がる病気です。連作を避け、土壌pHを弱酸性にし、健全な種芋を使うことで予防します。

アブラムシは病気を媒介

気候が暖かくなってくる時期には害虫も発生し始めます。葉の裏や株元の落ち葉の下までよく観察して、卵や害虫を見つけ次第捕殺するのが大切です。春先から初夏の時期にはアブラムシが発生しやすく、ウイルス病を媒介するので特に注意します。

ニジュウヤホシテントウは害虫

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5~8月にはニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)による被害が発生しやすいです。ニジュウヤホシテントウは通常のテントウムシとは違って益虫ではありません。幼虫も成虫もアブラムシを食べずに、作物の葉を食害します。無農薬にこだわらないのであれば、天然成分の殺虫剤を使うのも1つの方法です。

じゃがいもの栽培④芽かきと土寄せ

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作付けした種芋は、芽出し(日光浴芽)をした場合は3週間程度で地表に芽を出します。芽出しをしなかった場合は1か月程度です。じゃがいもの苗が5~15cm程度に成長したら、芽かきと土寄せの作業が始まります。芽かきは間引きのことです。芽の数が多いと芋もたくさんできますが、養分が分散して大きく成長しません。芽の数を減らすことで、芋の数を制限して大きく育てるのです。

Photo by BioDivLibrary

土寄せは、苗の株元に土を寄せる作業です。ここで知っておくべきことは、新しいじゃがいも(馬鈴薯)が種芋より上にできやすいことです。じゃがいもは、種芋と地表面の間の茎から出たストロン(ほふく枝)の先端にできます。肥大していくじゃがいもは土から出てしまい、日光にさらされることがあるのです。

土寄せは最も重要な作業

日光に当たったじゃがいも(馬鈴薯)は皮が緑色になり、毒性のあるアルカロイド(ソラニンなど)が増えてしまいます。土寄せは、肥大するじゃがいもが日に当たるのを防ぐために土を被せる作業です。じゃがいもの成長過程で最も大切な作業といっても過言ではありません。

芽かき(間引き)のやり方

出典:写真AC

芽かきの方法を解説しましょう。苗が5~15cmに成長する頃には、種芋から芽が何本も出ています。まず、正確な芽の本数と、それぞれの芽の状態を確認することが大切です。地表では複数に見える芽が、地中で枝分かれした1本の芽だということもあります。病害虫がないかもよく観察しましょう。茎が太くて色が濃く、元気な芽を2本程度選びます。

種芋をしっかり押さえる

間引きする芽の根元を探ってしっかり持ち、反対の手で種芋が動かないようにしっかり押さえましょう。間引きする芽を根元でねじ切るようにして、できるだけ種芋に近い位置で引き抜きます。途中で切れた場合は、そのまま枯れる場合もあるため様子を見て、芽がまた成長してくるようならもう一度間引きすればOKです。

土寄せと追肥

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芽かきが終わったら苗の周りに有機配合肥料を追肥して、1回目の土寄せをします。株元に寄せる土の厚さの目安は5cmです。根や地下茎を傷つけないように、株から離れた場所の土を株元に引き寄せます。下のほうの葉が土に埋まりますが、てっぺんが地表に出ていれば大丈夫です。埋まった部分の葉は腐って肥料になります。雑草があれば引き抜きましょう。

2回目以降の土寄せ

2回目の追肥と土寄せのタイミングは、草丈が30cm程度に伸びた頃です。10~15cm程度の厚さに土を寄せます。終了後に畝の断面が、高さ20~25cm程度のかまぼこ状になっているのが理想です。基本的な土寄せの回数は2回ですが、雨で土が流出したときなどは必要に応じて行います。収穫までじゃがいも(馬鈴薯)が地表に出ないように見守りましょう。

花がついたら

Photo bysbj04769

栽培の過程ではじゃがいもにも白~紫のかわいい花が咲き、受粉能力は低いものの、トマトのような果実をつけることもあります。しかし花芽がつく頃はちょうど、地下茎(芋)が肥大していく時期です。この時期に花芽をつけておくと、花や果実に栄養分がとられてしまいます。栄養分を地下茎に集中して大きく成長させるため、花芽は摘み取るのがおすすめです。

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じゃがいもの栽培⑤収穫

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