9月が旬の野菜⑥~⑩
⑥里芋
里芋には品種がいくつかあり、種類によって旬の時期に多少のずれが生じます。土垂(どだれ)や石川早生(いしかわわせ)などは8月下旬~10月、エビイモは9月下旬、八頭や頭芋は12月~1月が食べ頃です。
ボタ爺
美味しい食べ方
里芋レシピの定番といえば「煮物」です。里芋だけでももちろん美味しく食べられますが、イカや牛肉、鶏肉などと一緒に煮付けると、うま味がさらにアップします。変わり種のレシピに挑戦したい方には、揚げ物がおすすめです。採れたての小ぶりのものなら皮付きのまま素揚げに、大きいものであればコロッケにするとねっとりホクホク感を楽しめます。
⑦しいたけ
キノコ類の旬は秋ですが、しいたけは3月~5月と9月~11月の2回食べ頃を迎えます。秋に収穫されたしいたけは「秋子」と呼ばれ、肉厚で張りがあり、深く濃厚な香りを持っています。原木栽培の旬のしいたけは味も香りも格段によく、やみつきになってしまうかもしれません。
美味しい食べ方
旬の肉厚でジューシーなしいたけが手に入ったら、焼きレシピがおすすめです。石づきを取り除き傘のほうを下にしてフライパンに並べたら、あとは蓋をしてじっくり焼くだけです。傘の内側にうま味の詰まったエキスが溜まるため、ひっくり返さず焼き上げてください。しいたけは出汁が出る食材で、鍋や煮物、汁物にも向いています。
⑧しめじ
天然物のしめじの出回り期は8月下旬~11月で、食べ頃は9月~10月です。天然物は、秋にブナの倒木や切り株、枯れ木などに群がるように生えます。色は薄茶色で傘は大きいもので15cmまで成長し、栽培されたものとは見た目も味も異なります。
ボタ爺
通年食べられるものは栽培もので十分美味しいんじゃが、天然物は味も香りも別格じゃよ!
美味しい食べ方
香りのよい食べ頃のしめじを使うなら、和風の味付けレシピがピッタリです。クセのない食材で、炒め物、パスタ、煮物、汁物、どのようなものにもよくあいます。シャキシャキ感を楽しみたいならバター醤油やポン酢を使って炒めましょう。しめじから出る出汁を味わいたいなら、水炊きや醤油鍋、炊きこみご飯がおすすめです。
⑨生姜
生姜の旬物は「新生姜」と呼ばれます。新生姜には6月~8月に出回るものと、9月~10月が食べ頃のものがあります。甘酢漬けなどに使うための生姜は成熟する少し前の夏に収穫されますが、本来しょうがの旬は秋です。秋が旬のしょうがは収穫後にすぐに出荷されるためフレッシュで、色が白っぽくみずみずしいのが特徴です。
美味しい食べ方
新鮮な秋の新生姜が手に入ったら、きれいに洗って薄くスライスし、そのまま味噌やもろ味噌をつけるのがおすすめです。ただカットするだけですが、香りがよく甘みとうま味が凝縮されており、前菜やおつまみに最適なレシピです。
ボタニ子
香りや甘みを生かしたいなら、ジンジャーエールや天ぷらにするのもおすすめだよ!
⑩ズッキーニ
近年、スーパーでもよく見かけられるズッキーニは、7月~8月の夏がメインの野菜ですが、食べ頃は9月まで続きます。旬のズッキーニは、20cm~30cmの大ぶりなものが多いです。ゴツゴツとした表面が特徴的で、緑のほかに黄色のタイプもあります。
ボタニ子
皮にツヤとハリがあって、指で軽く押して弾力を感じられるものがみずみずしくて美味しいよ!
美味しい食べ方
あまり知られていませんが、ズッキーニは生でも食べられます。キュウリのようにサラダや和え物にすると、しっとりとした食感と甘みを感じられます。定番レシピのトマト煮込みのラタトゥイユはもちろん、油との相性も非常によく、フリッターやパン粉揚げ、炒め物に使うのもおすすめです。加熱すると果肉がトロッとし、生食とは違う食感を楽しめます。
9月が旬の野菜⑪~⑮
⑪チンゲンサイ
チンゲンサイは旬がわかりにくい食材の一つですが、食べ頃は3月~5月と9月~11月です。特に気温が下がる秋に採れたチンゲンサイはしまりがよく、味わい豊かなのが特徴です。青軸のチンゲンサイが主流ですが、同じ仲間で白軸タイプのものは「パクチョイ」と呼ばれ、欧米でも流通しています。
ボタニ子
株の根元あたりがふっくらとしているものが甘みが強くて美味しいんだって!
美味しい食べ方
チンゲンサイは、さっと炒めて食べるとシャキシャキとした歯触りを楽しめます。煮込むと茎部分がとろけるような食感に変わり、スープやシチューなどの煮込み料理にしても美味しいです。あっさりとした味わいで、和洋中どの味付けにもよくあいます。もともと中国野菜のため、特に中華料理にピッタリです。
⑫唐辛子
唐辛子は七味などに加工されたものを食べる機会が多く、意外に旬の時期は知られていませんが、7月~10月が食べ頃です。唐辛子には緑、赤、黄色などさまざまな色のものがあり、秋が旬なのは赤唐辛子です。乾燥させたものもピリリと辛い味わいで、旬の生の唐辛子は風味がよく辛さのなかにもまろみがあります。
ボタ爺
トウガラシの保存期間は冷蔵庫で1週間程度じゃ。新鮮なものは乾燥させても香りが長く続くから天日干しにするのもいいぞ!
美味しい食べ方
旬の赤唐辛子を食べるなら、ペペロンチーノで味わうのが最適です。さわやかな香りと辛さに加えてほんのり甘みを感じられ、おしゃれな味わいに仕上がります。また、「唐辛子オイル」もおすすめです。新鮮な唐辛子に数カ所穴を開け、サラダ油に浸しましょう。炒め物やチャーハンに使うと美味しさがアップします。
⑬冬瓜
冬瓜はその名前から冬野菜と思われがちですが、実は6月~9月が食べ頃です。なぜ「冬の瓜」と書くかというと、夏に収穫したものでも冬まで貯蔵できるという保存性の高さに由来します。主流の楕円形で緑の「琉球冬瓜」のほかに、白くて丸い「大丸冬瓜」、かんぴょうの原料になる「ゆうがお」や「しろ瓜」など種類はさまざまです。
ボタ爺
冬瓜は熟すにつれて、皮の表面に白い粉がつくんじゃ。つまり白くなるのは熟している証拠じゃよ!
美味しい食べ方
冬瓜といえばスープ煮込みが人気です。火が通るのに時間がかかるため、下茹でしてから味付けし煮込んでください。煮込むと果肉部分がトロトロになり、スープと絡まって美味しく食べられます。フレッシュな旬の冬瓜が手に入ったなら、そのままサラダで食べましょう。生で食べると栄養の吸収率が上がり、残暑疲れに効果的です。
⑭茄子
茄子の旬は、6月~9月です。茄子の栽培では真夏に切り戻しをして収穫時期を伸ばすのが一般的で、切り戻し後に実ったものを「秋茄子」と呼びます。夏の間は暑さに耐えて実をつけるのに必死な茄子も、気候が落ち着いてくるとアミノ酸などのうま味を作り出す余裕がでます。つまり、秋茄子は夏の茄子に比べて美味しいものが多いのです。
美味しい食べ方
秋茄子は夏の茄子に比べて甘みとうま味が強く軟らかいため、素材を生かしたレシピがおすすめです。丸ごと焼き茄子や揚げ浸し、天ぷらにしてジューシーな甘みを楽しみましょう。秋茄子は水分が多く、火が通りやすい特徴を持っています。炒め物に使うと火の通りが早く、調理しやすい点も魅力です。
⑮ニガウリ
別名「ゴーヤ」とも呼ばれているニガウリは、7月~9月にかけて食べ頃を迎えます。暖かい気候でよく育つことから、沖縄や九州でよく栽培されており、特に沖縄料理には欠かせない食材として有名です。ビタミンC含有量が豊富で、さらに熱によって壊れにくい特徴を持っており、夏の暑さや秋の残暑でバテ気味なときにピッタリな食材です。
ボタニ子
ニガウリは、表面のちりめん状のイボの大きさがそろっていて硬くはりがあるものが美味しいんだって!
美味しい食べ方
ニガウリは名前のとおり苦みが強い特徴を持っているため、苦いのが苦手な方は塩もみや水にさらすなど下処理してから使いましょう。沖縄料理で有名なゴーヤチャンプルのように、油で炒める調理法が向いています。豆腐や卵と炒めることで苦みも和らぎ、子供でも食べやすく仕上がります。苦みを味わいたいのなら、佃煮にするのもおすすめです。
ボタニ子
次も引き続き、9月が旬の野菜を紹介していくよ!
旬の里芋には粘り成分が多くて、粘膜を保護し肝臓や腎臓の働きをよくする効果も期待できるぞ。