ピンクグレープフルーツとは
ピンクグレープフルーツとは、名前のとおり、果実の中身がピンク色をしたグレープフルーツのことです。ピンクグレープフルーツのほかに、果肉が黄色いホワイトグレープフルーツや、果肉が赤いレッドグレープフルーツなどの種類があります。さわやかな柑橘系の香りと、ほのかな苦味がある甘い果肉は、果汁が多いです。
基本情報
学名 | citrus × paradisi |
科属 | ムクロジ目ミカン科ミカン属 |
形態 | 常緑高木 |
原産国 | 西インド諸島 |
栽培地 | アメリカ、南アフリカ、中近東、亜熱帯地域 |
開花時期 | 2月~3月、栽培地による |
旬 | 2月下旬~5月下旬、栽培地による |
英名 | grapefruit |
ボタニ子
ボタ爺
だからこそ、1年中お店に並んでいるんだな。でも、少しずつ国産グレープフルーツも増えてきてるそうだぞ。
名前の由来
グレープフルーツの「グレープ」は、ブドウの「grape」ですが、ブドウとは全く関係がありません。グレープフルーツは大型の柑橘系にもかかわらず、重さに耐えて、1本の幹にたわわになります。その姿が、ブドウの房のようだというところから、この名前がつきました。発見したのはイギリス人です。
ピンクグレープフルーツの種類
ホワイトグレープフルーツはマーシュ種、ピンクグレープフルーツはピンクマーシュ種という種類に分類されます。ホワイトグレープフルーツは外皮が緑色のものや、黄色の品種があり、ピンクグレープフルーツの外皮は、薄いピンクや黄色、色が混ざったものなどです。産地によっていくつかの種類があり、育った環境で酸味や甘味に多少の差があります。
ルビーレッド(レッドブラッシュ)
ルビーレッドは、ピンクグレープフルーツの代表格の種類です。ピンクグレープフルーツは品種改良して作られたものではなく、果肉が黄色い「マーシュシードレス」という品種の枝変わり変異種として、1920年代にアメリカテキサス州で発見されました。ホワイトグレープフルーツよりも酸味、苦味ともに少なく、甘味が強くて種がないのが特徴です。
スウィーティオグレープフルーツ
スウィーティオグレープフルーツは、フルーツブランのドールが、収穫する時期や栽培する産地など、こだわり抜いたグレープフルーツを「スウィーティオ」というブランドとして発売しているものです。ドールでは数種類のグレープフルーツを扱っています。ピンクグレープフルーツは通常、糖度が9度~11度のところ、この種は11度~13度ととても甘い果実です。
さがんルビー
さがんルビーは日本で初めて、2013年に品種登録された国産のピンクグレープフルーツです。佐賀大学が開発しました。外側は黄色いですが、果肉は普通のピンクグレープフルーツと同じように淡いピンク色です。ほどよく甘い果実は、酸味がやや強いのが特徴です。内皮(じょうのう膜)がやわらかく薄いので、ミカンのように、皮ごと食べられます。
ピンクグレープフルーツの特徴
ピンクグレープフルーツは、通常のグレープフルーツよりも苦味や酸味が少なく、種がありません。甘味が強く、果汁が多いのが特徴です。グレープフルーツの苦みには食欲を抑制する働きがあるので、ダイエットしたい方にはホワイトグレープフルーツがおすすめです。ピンクグレープフルーツには、美肌効果が期待できるカロテノイドがふくまれるので、美容に気を使う方はそちらを選びましょう。
栄養
ピンクグレープフルーツには疲労回復によいビタミンCやクエン酸、女性に大切な葉酸、整腸作用のある食物繊維、余分な塩分の排出に役立つカリウムなど、多くの栄養素がふくまれます。ホワイトグレープフルーツも栄養素は同じですが、1つ大きく違うのがピンクグレープフルーツには、ピンク色の元になるカロテノイドがふくまれることです。
効能
ピンクグレープフルーツにふくまれるカロテノイドは、オレンジや赤、黄色などの天然色素です。トマトやニンジンにふくまれる、リコピンやベーターカロテンなどと同じ抗酸化物質です。抗酸化物質は体の酸化を防ぐ働きをします。美肌効果のほかに、動脈硬化、老化予防に役立ち、免疫力を高める働きを助けてくれるでしょう。
ほかのグレープフルーツとの違いや見分け方
違い
ピンクグレープフルーツがほかのグレープフルーツと違うのは、色素だけです。品種によって、甘味や酸味の強弱はありますが、栄養素という面でも、色素以外はほぼ同じです。ホワイトグレープフルーツとよばれるマーシュ種にはピンク色の色素がなく、レッドグレープフルーツには多めにふくまれています。
見分け方
ピンクグレープフルーツとほかの種類との見分け方は、外皮の色です。ホワイトグレープフルーツは、外皮が黄色く、果肉も黄色です。レッドグレープフルーツは外皮が全体的にオレンジがかったピンク色をしています。ピンクグレープフルーツの外皮はレッドグレープフルーツほどはっきりとピンク色ではなく、ホワイトグレープフルーツに、ほんのり薄いピンクをまぜた感じです。
ピンクグレープフルーツの選び方
グレープフルーツは大きければ大きいほど美味しい果物です。なるべく大きくてずっしりと重いものがよいでしょう。皮に張りがあり、傷がついていないものがおすすめです。皮がやわらかいと中の水分がぬけてすかすかの可能性があります。グレープフルーツはブドウのようになる果物ですが、傷ついていないものは、周囲にほかの実がなく、十分に日光をあびて育ったものです。
ピンクグレープフルーツの保存方法
常温保存
ピンクグレープフルーツを常温保存する場合は、風通しがよい冷暗所に置きましょう。日が当たらない場所がよいです。買ってきたときにどれだけ熟しているかによって多少変化しますが、3日~1週間は日持ちします。未熟な状態のピンクグレープフルーツを追熟させたいときは、リンゴと一緒にビニール袋に入れておくのがおすすめです。
冷蔵保存
ピンクグレープフルーツを冷蔵保存する場合は、1つずつラップでくるむか、密閉できる保存袋へ入れて、野菜ルームに入れてください。冷蔵庫は乾燥しているので、そのままの状態で保存すると水分が抜け、すかすかになってしまいます。冷蔵保存すると、2週間~3週間日持ちします。
カットしたもの
丸のままではなく、カットしたものは切り口が空気に触れないように、ラップでおおいます。1房ずつに皮をむいたものは、タッパーのようなフタができる容器に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。どちらも、傷むのが早く、苦味がでるので、なるべく早く食べるのがおすすめです。2日~3日中には食べ切りましょう。
冷凍保存
ピンクグレープフルーツを冷凍保存する際は、そのままではなく、房にしてできれば内皮をむいてからがおすすめです。グレープフルーツは房の皮がきれいにむけるので、時間があるときに、まとめてむいておくとよいでしょう。冷凍したままのピンクグレープフルーツをミキサーにかけて、シェイクやスムージーにしたり、シャーベットのようにそのまま食べたりしても美味しいです。
おいしくピンクグレープフルーツを食べよう
ピンクグレープフルーツは、切ったときにきれいなピンク色が目に飛び込んできます。ビタミンCも多く、まさにビタミンカラーです。スマイルカットや半分にカットして食べてももちろん美味しいですが、ヨーグルトに入れたり、ゼリーやジュース、スムージーにしたりしてもよいでしょう。口いっぱいにほおばりたいときは、ぜひ、皮をむいて房ごと食べてください。
ピンクグレープフルーツって、湿度が多い日本では栽培しにくくて、ほとんどが輸入なの。だから、開花時期とか旬って国によって違うのね。