ポンカンの概要
ポンカンは、インドのスンタラ地方を原産とする柑橘類です。植物学上は、ミカン科ミカン属に分類されます。東南アジア、ブラジルの一部地域に分布し、広い地域で栽培されています。日本へは明治時代に台湾経由で伝来しました。日本では愛媛県、鹿児島県、高知県、宮崎県、熊本県などがおもな生産地です。このほか、静岡県や和歌山県でも栽培されています。
ポンカンは日本でも広く栽培されています。ただし生産量は少ないため、台湾から多く輸入しているんですよ。
名前の由来
ポンカンの「ポン」は、原産地でもあるインドの地名「Poona(プーナ)」に由来しています。ちなみに漢字表記は「椪柑」です。「椪」の漢字はクヌギを意味しますが、この表記の場合は音による当て字で、名前と漢字の意味に深い関係はありません。「柑」は柑橘類であることを指す漢字です。「凸柑」と表記する場合もあります。
ポンカンの特徴
特徴①独特の芳香
ポンカンの大きなの特徴は、独特の甘酸っぱい香りです。その香りは「南国情緒あふれる芳香」「トロピカルな香り」と評されています。また、品種にもよりますが、香りの強さもかなりのものです。果実の皮に爪を立てるだけで、香りが部屋中に広がるといわれています。
特徴②甘味が強くて酸味は控えめ
強い甘味もポンカンの大きな特徴です。甘味に対して酸味は控えめで、よりいっそう甘味が強く感じられるでしょう。果汁が多くて香りもよいため「温州みかんよりも濃厚な味わいがする」と評判です。
特徴③皮が剥きやすくて食べやすい
ポンカンの見た目はゴワゴワした感じがするため「皮が剥きにくいのでは」と思う方は少なくないでしょう。実際に皮がゴワゴワした柑橘類の品種は、皮が剥きにくくて食べるのに苦労するものが多いです。しかし、ポンカンは見た目と違います。皮と中身との隙間が多いため、皮が剥きやすくて食べやすいです。中の実を包む薄皮も薄くて、薄皮ごと実を食べられます。
皮が剥きやすくて食べやすいなんて、食べる側にとっては、すごくありがたい特徴だよね。
ポンカンの果実には種が少しあります。薄皮ごと食べても大丈夫ですが、種まで食べてしまわないように注意しましょう。
特徴④品種は2種類に大別される
ポンカンにはいろいろな品種がありますが、果実の形状で「高しょう系」「低しょう系」の2種類に分けられます。「高しょう系」の品種は腰高で球形、サイズは平均150g~180gと、大きめのサイズであることが大きな特徴です。「低しょう系」の果実は、扁平な形状をしています。サイズも「高しょう系」の品種と比べると小ぶりで、平均100g~150gほどです。
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出典:写真AC