ぶどう山椒とは
ぶどう山椒はもともと和歌山県有田川町遠野地区で発見された自生種です。地元住民が品質のよい苗の栽培をし始めたことから、広がっていきました。その中でも厳選された品質のよいものは紀奥山椒といい、別名「緑のダイヤ」と呼ばれています。その名の通りダイヤのように美しく濃厚な香りと風味を味わえます。ここではぶどう山椒の基本情報を詳しく見ていきましょう。
基本情報
属性 | ミカン科サンショウ属 |
樹高 | 2m~4m |
産地 | 和歌山県有田川町・紀美野町・海南市 |
開花時期 | 4月~5月 |
収穫時期 | 5月~6月(生山椒)、7月~8月(乾山椒) |
ぶどう山椒はミカン科の樹木で、春に開花し5月~収穫が始まります。生山椒の旬は5月~6月初旬で、すぐに実が固くなるため一定の時期にのみ収穫できます。乾山椒の旬は7月~8月で、時期によって味わいが異なりそれぞれの時期に適した方法で加工し、全国に出荷されます。
ぶどう山椒の産地
ぶどう山椒の産地は、主に和歌山県の「有田川町」「紀美野町」「海南市」です。ぶどう山椒は強い日差しと乾燥に弱いため、水はけがよく強い西日が当たらない場所を好みます。標高500m~600mの傾斜地が広がるこの地域は、栽培条件がよく品質のよいぶどう山椒が育つ適地と言えるでしょう。
ぶどう山椒の歴史
栽培は天保時代から
ぶどう栽培が開始されたのは、江戸の天保時代(1831年~1845年)で、現有田川町遠井地区に住んでいた医要木右衛門(いおきかんえもん)の庭に自生していた苗を植え替えたことが始まりです。そこから好栽培条件も重なりこの地域に根付いていきました。
高野山と縁が深い
有田川町は高野山参道の宿場町であり、高野山で真言宗を広めた空海は中国との関係が大変深いことは有名でしょう。ぶどう山椒は薬用成分が多いので、漢方として使用するためにも栽培されていきました。
ぶどう山椒の特徴と効能
ぶどう山椒は実や味がほかの山椒と異なり、料理によってぶどう山椒を好んで使う料理人もいるほどです。ここでは、ぶどう山椒の特徴と体に嬉しい効能を詳しくお伝えします。
ぶどう山椒の特徴
ぶどう山椒は、その名の通りぶどうのように房なりに実ります。ほかの山椒と比べて実が大きく1本の木に対する収穫量も多いのが特徴です。香り・風味が強くしっかりとした山椒の味を楽しめます。
ぶどう山椒の効能
サンショオールで内蔵を活発に
山椒のしびれる風味の成分である「サンショオール」「サンショアミド」は、脳への刺激によって内蔵の動きを活性化させる効果があるため、基礎代謝が上がり食欲が増進します。また、水分や血液の流れをスムーズにして、むくみ予防にも繋がります。昔から胃腸を整える生薬としても利用されていました。刺激が強いので食べ過ぎると下痢やおう吐を起こす可能性があります。
香り成分でリラックス
山椒の香り成分である「シトロネロ―ル」「リモネン」「ゲラニオール」には、免疫細胞を活性化させ、リラックス・抗菌・抗うつ効果があります。
ボタニ子
次は、ぶどう山椒とほかの品種との違いを詳しく見ていきましょう。
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